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蒼焔の魔女 ~ 幼女強い 【感謝! 8000万PV・書籍版第3巻発売&コミカライズ、もうすぐです!】  作者: 一 二三


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開眼 ⑥

 アレだよ。

 欧米人がよくやる“お手上げ”ポーズ。

 見るからに欧米系金髪美人のお母様がやると絵になるなあ。

 苦虫の味が空間転移で伝染したお父様が私を見る。


「すると、“保守派”と“融和派”の対立は?」

「・・・宰相さん自身はテレサと私たちに期待してるって」

 テレサは“保守派”の象徴で、テレサとお友だちのルナリアと私は、頭の天辺から爪先まで、どっぷりと“保守派”だ。


 その私たちに “期待する”ということは、お母様が言うように、宰相さんは演技していたという答えになる。

 王国全体を騙すような大芝居の共犯者は王様だろうし、もしかするとカレリーヌ様も共犯者だったのかも。

 カレリーヌ様が敵視していた”内なる敵”は”融和派”だったけど、「何らかの重石は必要だった」と宰相さんは言っていたはずだ。


 その重石の“管理人”として宰相さんが動くなら、カレリーヌ様が協力していてもおかしくないよね。

 何がどこまで本当のことなのかは分からないけど、そういう騙し合いの場が王宮で、そういう手法を執るのが王宮貴族だとテレサを見ていれば分かる。

 ほんと、面倒くさいよね。


「なぜ、そんな話に? いや。それ以前に、サリトガ宰相は第2王子を推す筆頭だろう。そんな話を信じられるのか?」

 当然、お父様は私が騙されているのではないかと考えるよね。

 “保守派”と“融和派”の根深い確執は私も知っているし、ウォーレス家の人たちはその確執で家族の命まで奪われている。


 今さら「敵じゃないよ」と言われても、そう簡単に受け入れられないだろう。

 私だって気になっていたチグハグさへの興味が勝っただけで、突然、草むらから「ボク、わるいさいしょうじないよ!」と野生の宰相さんが飛び出して来たら、魔力の手で引っ叩いていたはずだ。


「・・・宰相さんの行動に一貫性が無いように思えて、ずっと気になってたから訊いてみたかったんだよ。だから、“融和派”にも、テレサのお兄さん―――、第2王子にも、宰相さんが“興味無さそうに見える”って言ったら、その話を誰かに話したか? って訊かれて」

 「興味無さそう」の一言に、お父様がハッと気付いた様子を見せた。


「・・・お爺様たちとテレサとは話したって答えたら、お爺様たちなら言い触らさないだろうから構わないって言ってた」

 敵じゃないのなら、そう言えば良いのにね。

 あの人―――、宰相さんは、知っている人さえ知っていれば他は知らなくて良いってタイプなのだろう。


 いや。違うかな?

 すごく高い位置から全体を見下ろしているから、下界の些事には興味が無いのかも。

 宰相さんの目的が「王国の存続」ただ一点なら、“保守派”も“融和派”も無い。


 みんな等しく”盤上の駒”なのかも。

 どちらかといえば、秘密とかそういうのが好きそうなのは王様っぽい?

 あのカラクリ屋敷みたいな王城を思えば、そんな気がする。


「・・・それって、宰相さんは“第2王子に期待してない”って答え合わせだよね? そのことをお爺様たちが知っていても構わないなら、お母様たちも構わないってことだろうなって。そのときの宰相さんの言葉に嘘は無いと思ったし、宰相さんの行動に色々と説明が付くと思ったんだよ」

 手のひらで目元を覆ったお父様が、肺まで吐き出しそうなほどに深い溜息を吐いた。

 数秒間ほどの沈黙で再起動したお父様が顔を上げて首を振る。


「確かにな。しかし、知らない方が気が楽だったぞ」

「今後、“融和派”に悟らせない演技は私たちも必要になったな」

 お母様も脱力気味に再び首を振る。

 ああ。なるほど?


「・・・だから王様たちは秘密にしてたのかも」

 気付いたことを口に出したら、お父様とお母様が再び顔を見合わせる。

 そして、仲良く深い溜息を吐いた。


「フィオレ」

「・・・はい―――、ぴっ!?」

 お母様に呼ばれて返事をすれば、シュッと伸びてきたお母様の手のひらにこめかみを鷲掴みにされた。


「・・・あ痛たたたたたたっ!!」

 とんでもない力で頭を締め付けてくる手のひらを振り払えず、お母様の手首を掴んでその場で足踏みする。

 ムリムリムリムリっ!! 割れる割れる割れるっ!!


「お前は、どうしてそんな、重要な報告を忘れるんだ?」

「・・・ごめんなさいごめんなさい! 済みませんでした―――ッ!!」

 気が済んだのか溜飲を下げたのか、お母様はお怒りを収めてくれたようで、手を離してくれた。

 激痛が去ると同時に生命の危機が去ったことに安心して、私の膝から力が抜ける。

 足元の石畳が清潔だとは思わないから膝を突かずに耐えたけど、足元がフラフラする。


「まったく」

「・・・ううっ。本当に頭が割れるかと思った・・・」

 腕組みに戻って鼻息を落とすお母様の手から解放された涙目の私は両手で頭を抱える。


 何だっけ? ベアー?

 違う。アイアンクローだ。

 アイアンクロー姉妹の誕生に鷲掴み姉のルナリアが私を覗き込んでくる。


「そうでしょ!? 痛いわよね!」

「・・・うん」

 同意を求められて返事はしたけど、何で嬉しそうなんだよ。

 こめかみを鷲掴みにされる痛さを分かってくれる仲間が出来たのが嬉しいんだろうってのは想像が付くけど、私はそうそう鷲掴みにされないからね? 



開眼⑥です。


ベアークロー!(コーホー

次回、エスコート!?

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― 新着の感想 ―
いや、ベアクロー直撃したら廃人確定ですから〜 ラーメンマン...((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル
いや、ウ〇ーズマンじゃなくてフリッツ・フォン・エリック
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