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蒼焔の魔女 ~ 幼女強い 【感謝! 8000万PV・書籍版第1巻2巻同時発売中・コミカライズ企画進行中!】  作者: 一 二三


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再会 ③

「フィオレ様!」

「・・・どうしたの?」

 汗だくで呼吸を荒くしているダーナさんが私の前で深々と頭を下げる。


「も、申しわけありません! ノーア様と隠れんぼをしていたのですが、どうしてもノーア様を見付けることが出来ず・・・!」

「・・・みんなが出発準備をしてるのに、まだ続けてたんだ?」

 4歳児だもんなぁ。

 日本でなら保育所へ通っているような歳なんだから、周りの状況から察して遊びを切り上げろと要求しても無駄だよ。


 ダーナさんたちだって長時間にわたって遊び相手をしてくれていたんだし、ノーアを見付けられなかったからと責めるのは酷だ。

 むしろ、周囲の目に怯えて引っ込み思案だったノーアが積極的に遊べるようになったことが嬉しいし、その一助になってくれたダーナさんたちに感謝してる。


「大変、申し訳なく・・・」

「・・・良いよ良いよ。ずっと面倒を見てくれてたんだから」

 恐縮しているダーナさんにパタパタと平手を振ってみせる。


 ノーアの魔力なら馴染み深いしね。

 アクティブソナーですぐに見付けられる。

 魔力の手を足元の地面に差し込んで大きく広げれば、おや? ずいぶんと近くに居るね。


 試合を途中で投げ出せない、って責任感は偉いけど、お姉ちゃんたちに会えたんだから出てきてくれても良いんじゃないかな。

 お祖父様たちに攻め落とされる前までは手入れされていたのであろう低木の植え込みに、トコトコと歩み寄る。

 私たちが立ち話していたアプローチから、ほんの5メートルほどしか離れていない。


「・・・ノーア、おいで。帰るよ」

「にゃ」

 声を掛ければ、返事と共に垣根の中からガサッとノーアが顔を出す。

 巣穴から顔を出すプレーリードッグみたいな出てき方だった。


「あ、あんなところに・・・」

「ねえさま」

 絶望的な表情でガックリと崩れ落ちたダーナさんを他所に、一足跳びにピョンと飛びだしてきたノーアを抱き留める。

 しばらく隠れんぼに付き合ってあげられていなかったけど、また腕を上げたっぽいな。

 アクティブソナーを使うまで、私も見付けられていなかったよ。


「にゃふ」

 ノーアの頭に手を伸ばすと、白い斑点が付いた耳がくすぐったそうにピコピコと動く。

 茶色の柔らかな髪に絡みついた葉っぱを指先で摘まんで抜き取り、衣服に付いた葉っぱや土もポンポンと叩き落とす。

 長い尻尾の先が機嫌良さそうにフニフニと揺らぐ。


 今や常勝無敗の隠れんぼマイスターらしいからね。

 ノーアの姿を見付けて、敗者となったディディエさんもこちらへ向かって全力疾走で駆けてくる。

 ディディエさんとダーナさんにも魔力の手を教えたいんだけどなぁ。

 ゆっくりだけど、ディディエさんたちも成長はしている。


 ここのところ、私があんまり採掘場へ通えなかったせいで、私の身の回りの世話を焼いてくれている2人も採掘場へ行く機会が減ってたんだよね。

 すいぶんと体内保有魔力量も増えてきたみたいだし、そろそろ魔石使用法と併せて2人にも仕込むかな。

 子供の頃から技術を仕込まれてきたのだろうミセラさんたちほどの期待はしていないけど、私たちの傍にいる限りは悪しき企みを持った連中に狙われる可能性が有る。


 弱点に成り得そうな人間を狙うのは常道だしね。

 一人息子を人質に取られて命を落としたマーサさんの例も有る。

 あの頃とは政治的な背景が変わって大きく環境が変わったけど、減った敵も有れば増えた敵も有るだろう。

 これからも、きっと油断は出来ない。


「フィオレ様! 申しわけございません!」

 私たちの目の前へ靴裏を滑らせて停止したディディエさんが、ガバッと頭を下げる。

 別に何かの失敗をしたわけでもないんだから、謝る必要なんてないのにね。


「・・・ディディエさんもノーアの遊び相手をしてくれて、ありがとうね。それよりも、レティアの町へ帰るから急いで準備して」

「「はいっ!」」

 ミセラさんの指揮下に戻ったディディエさんたちは、サーシャさんたちが進めている馬の準備に合流しに駆けていった。

 ネコ耳か尻尾に釣られたのか、荷馬車へ向かいかけていたケイナちゃんが近付いてくる。


「フィオレ。こちらが?」

 大人しい態度や話し口は変わらないけど、キラッキラなケイナちゃんの目はノーアの耳と尻尾を行ったり来たりしている。


 分かる分かる。

 ネコ耳と尻尾には抗いがたい魅力が有るからね。

 あのセリーナお婆様とシェリアお婆様も陥落させたし、最近はお祖父様たちも干し肉で餌付けに挑戦しているぐらいだし。


「・・・ああ、うん。妹のノーアだよ。―――、ノーア。こっちはケイナちゃん。仲良くするんだよ?」

「にゃっ」

「よろしくお願いしますね」

 マイペースに片手を挙げるノーアの挨拶に、デレッと崩れたケイナちゃんが腰を屈めて挨拶を返す。


 ノーアは適当な挨拶をしているようで、許してくれる相手かどうかをちゃんと見ているっぽいんだよね。

 実際、可愛いから許してくれる人の方が多いし。

 私には真似できないけど女は愛嬌だって言うし、まあ、要領が良いのは良いことだよ。

 秒でデレたケイナちゃんに続いてレイクスさんたちもやって来る。



再会③です。


ネコ耳無双!?

次回、帰還!?


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