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蒼焔の魔女 ~ 幼女強い 【感謝! 8000万PV・書籍版第1巻2巻同時発売中・コミカライズ企画進行中!】  作者: 一 二三


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精霊魔法というもの ⑩

「皆、ご苦労」

「お帰りなさい! ―――、これは大物ですね!」

 兵士さんたちをお母様が労い、兵士さんたちは獲物を見上げて沸いている。


 私の魔力の手はウォーレス領軍では認知されているから、ウォーレス領から移ってきた兵士さんたちが宙に浮いている獲物で驚くことはない。

 驚いた顔をしているのは新領地の領民たちとテツさんたちだ。

 領民たちが驚いているのは宙に浮いた魔獣の姿で、テツさんたちが驚いてるのは(そび)え立っている“1号”の姿だね。


「すごく・・・、大きいです」

「ほほーう!」

 危うい感想を口にしたケイナちゃんとターバンの人たちはポカーンと口を開けて“1号”を見上げていて、レイクスさん1人が眼をキラキラさせている。

 あと1人。テツさんだけは怪訝な表情で首を傾げている。


「こいつは、“ど〇もくん”か・・・?」

「・・・ぴっ!!」

 テツさんの呟きに私の両肩が跳ねる。

 頭の中が真っ白に漂白されるような衝撃を受けた。


 しししししし、しまったあああああああああっ!!

 今、気付いた!!

 現代日本人のテツさんなら、“1号”の元ネタを知っててもおかしくないじゃん!!

 駄弁ってる最中に私が“1号”を作ったと証言しちゃったから、テツさんには私の中身が元日本人だとバレバレなんじゃないの!?


 ゾゾゾッと背筋に寒気が走る!! 

 こっちの世界では、地球人=勇者という認識!!

 どういうわけか拉致被害の比率が高い日本人は特に!!

 迂闊なことを口走られたら、私を勇者と同一視した噂が広まっちゃう!!


 500年以上も勇者の独占を画策してきた神教会が、野良の勇者を放置するなんてことがある!?

 絶対にそんなことは無いと確信―――、いや。断言する!! 

 ”自分たちのものだから寄越せ!”と言ってくるに決まってる!!


 その要求の中には、間違いなく旧エクラーダ王族の末裔である私の名前も・・・!!

 嫌な汗がブワッと噴き出す!!

 そ、それだけは絶対に避けないと!!


 私自身が神教会のメインターゲットになるなんて、冗談じゃない!!

 下手をすると神教会勢力の侵攻を早めて私の命と王国の未来に影響する!!

 バッとテツさんの前へ回り込んで、必死に立てた人差し指を口の前へ当てる!!


「・・・シー!! シー!!」

「うおっ!? な、何だ!?」

 仰け反っているテツさんと向き合って、“余計なことを言うな!”と全力で目力を籠める!!

 伝われ―――っ!!

 テツさんが目を丸くして私と“1号”を見比べる。


「“どー〇くん”のことか?」

「・・・アレは“獰猛くん”。イイネ?」

「お、おう」

 勢いに押された様子で頷いてくれたものの、察してくれたかは怪しいな。

 再び怪訝な顔で首を傾げて“1号”を見上げたテツさんが、私へと視線を落としてくる。


「なあ。もしかして、嬢ちゃん―――」

「・・・シー!! シー!!」

 ほらぁっ!! 余計なこと言うなっての!!

 無茶な注文かも知れないけど察してよ!!


「お、おう。そういうことか。分かった」

 ふぅ・・・。危なかった。

 ようやく察してくれたようでペッタンコな胸を撫で下ろす。

 まさか日本人と会うことになるとは考えていなかったからね。


 こんな事態になるのなら違うデザインを考えたけど、人の身では未来に何が起こるかなんて予測できるわけがない。

 己の迂闊さと見通しの甘さを反省する。

 一先ず問題発生を回避できたか? と一安心していたら、そんなことは無かった。

 温度を低くしたジト目でケイナちゃんがテツさんを見上げている。


「テツさん?」

「あー。後で良いから、ケイナに事情を説明して貰って良いか?」

 困った顔でケイナちゃんから目を逸らしたテツさんが私を見下ろしてくる。

 一般的な乙女心の機微に疎い私にだって、ケイナちゃんの目が意味するところは分かっちゃった。


 これは、きっと焼き餅だ。

 たぶん、ケイナちゃんの好きな人ってテツさんなのだろう。

 いやまあ。ケイナちゃんから聞いたわけじゃないから、まだ分かんないよ?


 年齢差を思えば、どう考えても事案になるけど、テツさんはメチャクチャ強い上に憎めない感じの人だから、ケイナちゃんが想いを寄せたとしても不思議じゃない気はする。

 とはいえ、私に謂われの無い敵意が向いても困るから、誤解を解くべく真摯に向き合おうと心に決めた。


「・・・良いけど、情報交換よりも前に迂闊なことを喋らないでね?」

「おう。約束する」

 私の要求をしっかりと伝えて、テツさんが承諾したことを確かめてから私も承諾を返す。


「・・・分かった。―――ケイナちゃんも。この件は後でちゃんと説明するから、今は我慢してね?」

「分かりました」

 私の覚悟を感じ取ってくれたのか、小さく息を吐いて肩の力を抜いたケイナちゃんが頷いてくれた。


 ふぅー・・・。今度こそセーフかな?

 セーフだよね?

 どっと冷や汗をかいちゃったよ。


 ああ、そうだ。

 テツさんたちに対しては家族会議で決まった情報秘匿の方針を守れなくなるから、お母様にも状況を報告しておかないと。

 お父様とも情報を共有しておく必要があるから、テツさんたちをウォーレス領へ連れ帰った方が良いな。



精霊魔法というもの⑩です。


バレた!?

次回、ガッツリ!?

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― 新着の感想 ―
どー〇くんがNGであればザク〇ロかニコ〇ゃん大王てのは?
知ってる人は一目で分かるくらい元ネタを忠実に模倣出来ていたんですね
ケイナちゃんの前世はどんな人生だろうな
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