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蒼焔の魔女 ~ 幼女強い 【感謝! 8000万PV・書籍版第3巻発売&コミカライズ、もうすぐです!】  作者: 一 二三


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精霊魔法というもの ⑦

「・・・それもそっか。―――、で。あの人たちは、やっぱり?」

「はい。フィッツベルン領の領民でした」

 私の確認にミセラさんがコクリと頷く。

 お母様たちの予想が的中したか。


「・・・どんな状況だったかは?」

「領主から“岩塩鉱脈を探せ”と命じられて森に入ったそうです」

 淡々と報告しているようで、嫌悪感を示すようにミセラさんの眉間にも薄らと皺が寄っている。


「・・・開拓ではなく、鉱脈ねぇ? あの人たち、開拓民でしょ」

「ただの農民ですね」

 こっちの世界には義務教育も無いし、インターネットや図書館のように情報を簡単に得られる手段も無いからね。

 専門教育も受けていない農民ってことは、当然のことながら鉱物の知識なんて持っているはずがない。


「・・・フィッツベルン家って、先代の隠居で処分を免れたんだっけ」

「親が親なら、子も子です。王家に睨まれていますから、焦りが有るのかも知れません」

 面倒くさっ!


 フレーリアが被害に遭った奴隷密輸事件の通り道になっていた件で、処分を受ける前に先代を隠居させて王様に命乞いをしたって話は私の耳にも入っている。

 少しは反省しているのかと思えば、そんなことは無かったらしい。


「・・・足元も疎かなのに一発逆転の手柄が欲しいって? ほんと、迷惑な人たちだな」

「これでもまだ、旧コーニッツや旧ムーアに較べればマシなのですが」

 私とミセラさんの溜息が重なる。


 内政がしっかりしていたウォーレス領は、旧コーニッツ領や旧ムーア領からの逃亡民の逃げ込み先になっていたからね。

 上ばかり見てもキリは無いけど、下を見てもキリが無いし、他人に迷惑しか掛けないバカなら首を挿げ替えてしまいたいけど、自発的に挿げ替わっても大差ないと。


 そんなバカでも置いておくしかないなんて、王様や宰相さんが苦労するわけだ。

 カレリーヌ様じゃなくてもブチ切れそうになるよ。

 どこかで締め上げてやらないとなぁ。


「揉め事か?」

「・・・ああ、うん。あの人たち、フィッツベルン領の領民なんだよ」

 私たちが渋い顔をしていたことで、テツさんまで眉根を寄せて首を傾げている。


「・・・あのシカと戦う前にバンダースナッチの群れに襲われているところを救出したんだけど、領主から森へ入るように強要されたみたい」

「普通の農民を魔獣だらけの魔の森へ? そりゃあ無茶ってもんだろ」

「・・・そうなんだよね」

 現代日本人なら、そう考えるだろう。


 何の訓練も受けていない全くの素人だよ?

 むざむざ死なせる可能性が高いギャンブルに、為政者の命令で住民を巻き込むなんて無責任にも程がある。

 嫌そうに眉根を寄せたテツさんが首を傾げる。


「何でまた、そんなことを?」

「・・・岩塩を探せ、だって」

「ほーん・・・。塩ねぇ?」

 テツさんだけでなくケイナちゃんも何とも言えない感じの表情をしている。


 内戦に際してウォーレス領が岩塩を供給した件は王国内に広く流布されたから、内戦に直接関与しなかった冒険者でも噂は聞いているだろうし、呆れたかな?

 私とテツさんの会話に間が開いたタイミングで、ミセラさんがテツさんたちに視線を向ける。


「フィオレ様。こちらの方たちは?」

「ドネルク叔父様が言っていた冒険者さんだよ。イエーティの討伐を手伝ってくれてね」

「この方たちが・・・」

 私の返事にミセラさんたちが目を丸くする。


 そういやミセラさんたちにテツさんたちを紹介するのを忘れてたね。

 ドネルクさんからお願いされた件はミセラさんたちも知っているし、問題の人たちと偶然にもこの広い森で会うなんて、そりゃあ驚くよね。

 実際、私も驚いたし。


「・・・お母様が招待したんだけど、街道を移動しているお仲間を探す必要が有ってね」

「森から出次第、関所へ手配します。その者たちの特徴は分かりますか?」

 事情を聞いたミセラさんか目を真剣にさせる。


「男3人、女2人の冒険者パーティー5人組だ」

「・・・荷馬車が1台で馬を7頭連れていて、獣人族が3人とドワーフ族が2人だって」

「ドワーフ族ですか」

 テツさんの答えに私が補足を加えると、ミセラさんが意味深な目で私の顔を見る。

 私の私利私欲だけで捕獲しようとしてるわけじゃないんだけど、その目は何かな?


「珍しいですから、領内に入っていれば直ぐに見つかるでしょう」

「・・・ピーシス領内にいれば連れて来て欲しいんだけど、すでにウォーレス領内へ入っているなら、レティアの領主館で待たせてくれるかな」

「領主館でですか?」

 指示の思惑に思い至らなかったのか、ミセラさんが首を傾げた。


「・・・客人だからね? 問題の魔獣が片付いたから私たちもすぐにレティアへ帰るし、他に心配事が有ると落ち着いて話せないでしょ」

「なるほど。承知しました」

 誤解の無いように理由を説明すれば、ミセラさんも納得顔になった。

 タイミングを計ったわけでは無いのだろうけど、話に一段落が付いたところへ暢気な声が飛んでくる。



精霊魔法というもの⑦です。


塩!?

次回、先行者!?

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― 新着の感想 ―
先行者ってアレか!股間に中華キャノンを装備した奴かー! 懐かしくって検索したらもう25年以上前の奴だった〜!
次回のは最近のボストンダイナミクスもどきじゃない、中華ロボットの始祖たるアレですね
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