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蒼焔の魔女 ~ 幼女強い 【感謝! 8000万PV・書籍版第1巻2巻同時発売中・コミカライズ企画進行中!】  作者: 一 二三


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エンカウント! ㊵

 アクティブソナーの反応に意識を集中する。

 接近速度は私たちが飛んで帰って来たときと変わらないぐらいじゃないかな。

 地面を走る動物に出せる速度じゃない気がする。


 これって鳥型の魔獣?

 でも、魔力反応の強さは記憶に有るガルダの反応とは比べ物にならない。

 ガルダの他に鳥型の魔獣って記憶にないな。


 直線的に飛んで来るのではなく、左右に屈折するような軌道で飛んで―――、いや。違う。地上を飛ぶような速度で跳んでる?

 あ。そっか。

 私の脳裏にいつか聞いた「飛ぶように走る」というフレーズが閃いた。


「・・・分かった。これ、バイコーンだ」

「嘘っ!! なんで、今!?」

 断定に近い私の推測にルナリアが血相を変える。

 恐らくは―――、ううん。ほぼ確実に昨日見付けた足跡を残した個体だろう。


 シカと聞けば地球の常識に囚われそうになって、どうしても私は草食獣のイメージが先行しちゃうけど、こっちの世界の常識しか知らないルナリアたちからすればシカも雑食性の危険な魔獣だからね。

 最近知った魔獣の習性に則れば、接近してくるシカの目的は獲物の横取りだろうか?


 ラクネやガルダが見せた争いの場へ割り込んで獲物を掻っ攫おうとする行動原理は、野生の食物連鎖からすれば効率的で何らおかしいことじゃない。

 もちろん、シカも同じだと決め付けられるものじゃないし、言葉を話せない魔獣から真実を訊くことも出来ない。

 観察結果を積み上げて推察するしか結論が出ないものは、今、考えるだけ無駄だ。


「・・・分かんないけど迎撃体勢!」

「わ、分かったわ!」

 打つべき手を示せば、動揺を残しながらもルナリアたちが頷く。


 さすがに危険だからとディディエさんたち2人を領主館に残してきた良かったよ。

 状況が切迫して余裕が無くなれば非戦闘員を守る難易度は跳ね上がるからね。

 その点、ミセラさんたちやサーシャさんたちなら最低限の戦闘能力を持っている。

 だからこそ、こんなお願いも出来るんだよ。


「・・・バイコーンは私たちで対処するから、ミセラさんたちは負傷者を守って!」

「「「「「承知しました!」」」」」

 戦闘メイド姿の8人が負傷者6人を背中に守って円陣を組む。


 他領の領民だとしても王国民を守るのは王家の治世を支える地方領主の仕事では有る。

 領主に仕える傍系や配下もその例外じゃない。

 自領の領民に対する最終的な責任を負うのは領主だけどね。

 成り行きとはいえ、他領の領民まで救助した上に守ってあげるんだから、相応のケジメは取り立てさせて貰いたいものだと溜息を吐きながらもルナリアと2人で報告に走る。


「・・・お母様! バイコーンが来る!」

「何だと!?」

「はぁっ!? 冗談だろ!?」

 走りながら声を張り上げれば、全体の戦況に目を光らせているお母様だけでなく、バンダースナッチと向き合っているドネルクさんまで振り返った。


 かなりの手傷を負わせて優位な状況は維持しているけど、お母様たちとドネルクさんが揃っていても倒し斬れたバンダースナッチは半数以下だ。

 避けたり襲い掛かったりと自由に動ける魔獣を狩ることの難しさが察せられる。

 だったら、これ以上の負荷が掛からないように先手を打ちに行こう。

 余計な介入者に戦場を引っ掻き回されて乱戦に変えられては、マイナスになってもプラスにはならない。


「・・・バイコーンは私たちが―――、ええっ!?」

 倒しに行ってくると言葉に出すよりも早く、また新たな魔力の反応がアクティブソナーに引っ掛かった。

 ほんと、何なの!? この状況!

 百戦錬磨のお母様は私の様子に状況を察したようで嫌そうに眉根を寄せる。


「今度は何だ?」

「・・・バイコーンの後ろから、また別の魔獣が来てる」

 まだ1杯目も片付いていないのに、2杯目に続いて3杯目のお代わりだよ。


「どうなってるの!?」

「何なんだ。一体・・・?」

 ルナリアもお母様も困惑を隠せずに首を傾げる。


 いくら何でも普通の状況じゃないよね。

 こんなことが度々続くようでは危険すぎて誰も森には入れなくなってしまう。

 森で半年を過ごした私の感覚からしても有り得ない魔獣の多さだよ。

 しかも、今は魔獣が活性化する夜間ではなく日中の、それも午前中だ。


 ああ、でも、私というイレギュラーが現れる以前は、危険すぎるからと誰も森に入らなかったんだっけ?

 いやいや。それにしても多すぎるでしょ。

 こんなのが日常だったら、私はルナリアと出会うまで生きていられなかったはずだ。

 つまり、この状況もまたイレギュラーってことになる。


「フレイア! どうする!?」

「撤退も視野に入れるべきか」

 ドネルクさんから判断を問う声が飛んできて、お母様の表情が険しくなる。

 戦場でいえば敵の増援に増援が重なったようなものだよ。


 討伐を諦めての撤退にお母様が言及するなんて、常識的判断でそれほど戦況は芳しくないということだ。

 退くにも踏ん張るにも迷っていられる猶予はない。

 でも、敵の増援と言ったところでそれぞれ単騎に過ぎない。

 まだ勝ち目は残ってる。



エンカウント!㊵です。


異常事態!?

次回、さらなるエンカウント!?

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― 新着の感想 ―
何で焼かない?
トーチカ戦かな?、魔力の手横薙ぎ攻撃は連発必要だし でも、魔獣の後ろに控えているであろう大型の怖いやつ向けに 手足の生えた装甲車みたいな形の方がいいか?
異常事態には非常識で対応!かな
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