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蒼焔の魔女 ~ 幼女強い 【感謝! 8000万PV・書籍版第3巻発売&コミカライズ、もうすぐです!】  作者: 一 二三


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エンカウント! ④

「・・・ルナリアはどんな感じなの?」

「4本までは出せるようになったわよ」

 素っ気ない態度を装っているけど、反り返ったいつものポーズの全身から「褒めて褒めて」と私に対する要求が滲み出している。


「・・・おお~。頑張ったね」

「むふー」

 ヨシヨシすると、得意気に小鼻を膨らませてルナリアが反り返り直す。

 ほんと()いやつめ。


 ルナリアの頭を撫でながら作業風景へと目を向ければ、ピーシーズは伐採と運搬の作業に交代で当たっている。

 アレって2人ずつ交代している様子を見るに作業時間の早さで競争でもしてるんじゃないだろうか?

 訓練させろと要求してきただけ有って、みんなで切磋琢磨した成果が得られたみたいだね。


 2本の「手」を使えるようになってるっぽいピーシーズから少し離れた場所では、風ジェットカッターの練習中らしいエゼリアさんの近くでドネルクさんが護衛騎士のように見守っていて、アンリカさんとバルトロイさんが何やら身振り手振りを添えて話し合っている。

 あっちも何だかんだで仲良いよね。


「・・・ドネルク叔父様もバルトロイ叔父様も、王都へ戻る準備は着々と整いつつ有るんだねぇ」

「またしばらく会えないから親交を深めてるんじゃないかしら」

 ははぁ。なるほど?

 言われてみれば、遠征のときはレティアに置いて行かれていたドネルクさんとバルトロイさんの従者の人たちも、少し離れた場所で4人を見守ってるね。


 あれはダブルデート的な?

 娯楽がほとんど無い世界だし、新たな技術を身に付ける共通の訓練だって親交を深めるための娯楽になるんだろう。

 ウォーレス領を訪れた本来の目的である正式な婚約を済ませた後だし、お互いを知る時間ってことか。

 いい歳の大人同士だけど初々しい感じがするね。


「・・・仲が良いことは良いことだよ。うん」

「そうね」

 ウンウンと頷いて見せればルナリアも頷く。

 ドネルクさんたちの出発は明日か明後日ってところだろうね。


 そんなにスケジュールは切羽詰まっていないはずだから、たぶん明後日じゃないかな。

 今日中に王都駐屯部隊の交代部隊のメンバーを指名して、先発組には心の準備をさせておかないとな。

 ブートキャンプを乗り越えた新人さんたちに甲冑の支給もしないとだから、指名は今日やっちゃうか。

 ああ、そうだ。あっちの件も有った。


「・・・もう帰っちゃうなら早めに済ませちゃわないとなぁ」

「済ませるって何を?」

 こなす必要の有るタスクを頭の中で数え上げていると、ルナリアが首を傾げる。


「・・・聴き取りだよ。騎士団や魔法術士団の駐屯地がどんな施設なのか」

「そんなの聞いてどうするの?」

 あれ? ルナリアに言ってなかったっけ?

 私がお二人から意見を聴き取るつもりになってたのって年末のことだったと思うけど。まあ良いや。


「・・・騎士と治癒魔法術師の養成施設を建てるときの参考にしようと思って」

「ああ。土地が用意できたら、いよいよ建てるのね」

 タスクリストを思い出すように言うルナリアに頷いて返す。


 本当なら、もう少し早く建設に取り掛かりたかったけど、緊急タスクの割り込みが多かったからね。

 ようやく着手できるって気持ちは有るけど、土魔法の練習になったことばかりが続いたから結果オーライだろう。

 施設の建設は工兵部隊やエレーナさんたちも手伝ってくれるらしいけど、建設自体は時間を掛ければ私一人ででも建てられるだけの自信が付いたからね。


 後は建築計画案を出してお母様たちの承認を貰わないと。

 どんな施設が必要で、どんな配置が適切か。

 細かな配置や間取りや仕様なんかも私では決められないし、みんなに手伝って貰わないと私だけでは無理だ。

 構想しているプランも有るし、まだドネルクさんたちが居る内に、そっちの意見も聞きたい。


「・・・王都の施設に似せておけば、王都から来た人も、こっちから王都へ行く人も混乱せずに済むと思うんだよね」

「ふーん? 似せる必要って有るの?」

 理由にまでは思い至らなかったらしいルナリアに本音をぶっちゃける。


「・・・王都よりも良くも悪くもない施設にしておけば、王宮が文句を付けにくいんじゃないかなーって」

「信用していないのねえ」

「・・・ソンナコトナイヨー」

 するわけないじゃん。


 王妃様を通じて王宮経由で進める治癒魔法術師爆増計画だけど、だからと言って王宮が信用に値するようになるわけじゃない。

 あの手の連中は、それこそ、あの手この手を使って噛み込もうとしてくるだろう。

 呆れた口調のルナリアに棒読みで返せば、しっかりと私の本心は伝わったようで、数秒間の間が開いてから2人で顔を見合わせる。


「「ぶふっ」」

 私と同時に吹き出したルナリアも気持ちは同じなのだろうし、今後は“融和派”も“中立派”もウォーレス領内へ出入りすることになる。

 どんな難癖を付けられるか分かったものじゃないし、付けさせるつもりもない。


 ウォーレス領が大きく強くなって価値が上がるほどルナリアの価値も高騰するしね。

 治癒魔法だけじゃなく農業の面なんかでも恩恵は与えるけど、それだけだ。

 ネットゲームのユーザーと運営側みたいなもので、サービスは受けさせてあげるけど管理者権限は与えない。


 その程度のことが分からないルナリアじゃない。

 スライム畑の進捗や見通しなんかも交えつつルナリアと雑談していると、レティアの城壁内から5の鐘が聞こえてきた。


エンカウント!④です。


仲良し!

次回、プラン!?

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― 新着の感想 ―
ルナリアって脳筋イメージが強くなったけど、こう言うエピソードを見るとやはり地頭が良いよね。
「「ぶふっ」」 の所でオードリーの二人を思い浮かべたのは私だけじゃないはずだ! というかだんだんこの二人オードリーに見えてきた。 フィオレが若林さんでルナリアが春日さん 腹黒頭脳タイプと脳筋的な肉体派…
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