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蒼焔の魔女 ~ 幼女強い 【感謝! 8000万PV・書籍版第1巻2巻同時発売中・コミカライズ企画進行中!】  作者: 一 二三


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第2次領有宣言 ②

「・・・そうなんだよ。だから、みんなが寝ている上に倒れてこないように支えを入れて回ってる」

「そうなのですね! さすがはフィオレ様です!」

 感激と尊敬が入り混じったキラキラした目を向けられても困る。

 いやあ。壁の下敷きになって死ぬのなんて私も御免だし、誰かが下敷きになって死ぬ姿を見るのも御免だからね。


 私は私が嫌だからそうしているだけであって、尊敬の目で見られるようなことはしていない。

 だってさあ。熊に食われて死んだ私の仇討ちは熊という種を根絶すれば達成可能だけど、私の大切な誰かが壁の下敷きになって死んだからと言って全ての壁を世界中から根絶することは出来ないからね。

 壁の使用を禁止したりすれば、みんなで洞穴に住むか、屋根しかない竪穴式住居に住むしか無くなっちゃう。


 現実的な報復が出来ないなら、報復せず済むように倒壊事故を未然に防ぐしかない。

 泣き寝入り?

 ハハッ。そんな選択肢が私の中に有るわけないじゃん。


 ウォーレス家が専守防衛のスタンスだからといって、私が私の敵に対して遠慮をしたり手心を加えるのかと言えば、そんなことは絶対に有り得ない。

 目の前に敵が現れた時点で遠慮なく叩き潰すよ。


 あの平和ボケして自分たちの安全さえも他人任せで無関心な人が大半だった元祖国ですら、予防的な敵策源地先制攻撃は専守防衛の枠内だと言っていた。

 倒れると危ないからと言って防壁を叩き壊すわけには行かないから、私は予防的に敵策源地を先制攻撃というか加工して回っているに過ぎない。


 ところで、エターナさんが感極まったときや気分が盛り上がったときに出してるキラキラエフェクト。

 あれ、目の錯覚じゃないんだよね。

 エターナさんも意図して出してるわけじゃないそうなんだけど、どうやら光魔法の一種らしい。


 今も目の前でキラキラさせてるから観察してみたら、小っさな“光”の術式が今にも切れそうな電球が点滅するようにチカチカしているだけみたい。

 エターナさんは元々、体内保有魔力量が少なかったし、省エネ的な自己防衛が働いた結果なのか、理想に夢を見ている傾向が見られるエターナさんの頭の中を反映した現象なのかは分からない。


 中心点を同じくする2重防壁の間をぐるっと1周して戻ってくれば、当然のことながら、陸上競技トラックと同じようにスタート地点に戻ってくる。

 散歩がてらに支えを入れながらブラブラとゴールしてみれば、ルナリアとお母様たちみんながこっちに背中を向けて立っている。


 新人さんたちのほとんどは三々五々に座り込んで食事を取り始めているのに、全員が同じ方向を向いてることに何か意味は有るんだろうか?

 ま。聞いてみれば良っか。

 みんなの背中に近付いて声を掛けてみる。


「・・・何してるの?」

「あっ! やっと戻って来たわね!」

 私の声にルナリアがバッと振り返った。

 お母様たちも一斉に振り返ったことから、どうやら私を待っていたっぽいと気付く。


「おう。どこに行っていた?」

「・・・防壁が倒れないように支えを入れながら1周してきた」

「なるほど。道理で後ろから戻ってくるわけですね」

 お母様の質問に答えれば、お母様の至近で護衛に就くことが多くなったトリアさんが納得顔で頷く。


 私は反時計回りに1周してきたんだけど、私がすぐに引き返してくるものだとばかり思い込んでいて、みんなして私が歩いて行った方向を向いて待っていたらしい。

 1周できるような形で建てたのはお母様とイディアさんだよね? などと無意味なツッコミを私は入れたりしない。

 思い込みなんてものは誰にだって有るからね。


「あれは倒壊を防止する支えですか」

「・・・うん。壁が倒れてきたら怪我人が出るだろうから、内側には倒れないようにする予防策」

「良いですね。参考にさせていただきます」

 うんうん。ぜひ、そうして欲しい。


 工兵部隊と一緒に土魔法を使う機会が多いエレーナさんたち3人がは、私が設置して回ったバットレスに興味を持ったみたいだね。

 ちょっとした工夫で事故を防げるのだから、予防的措置の概念を工兵部隊にも広めてくれると嬉しい。


「・・・それで、何か有った?」

「ご飯よ! 一緒に食べようと思って待ってたのよ!」

「・・・待っててくれたんだ。ありがと」

 今では当たり前になったけど、かつての私は誰かと一緒にご飯を食べることの方が希だったからね。

 大好きな人たちが一緒に食べようと言ってくれることがとても嬉しい。


 ルナリアに手を引かれて付いて行ってみれば、土魔法で作られたテーブルと椅子が有ってミセラさんたちが配給食を用意してくれている。

 テーブルと言っても、ノーアの身長ほどの高さで横に長い箱状の台が置かれて、その台を挟んだ両側に4分の1ほどのサイズの台が配置されているだけだよ。


 極めて原始的なテーブルセットに置かれているのは、洗って汚れを落とした大きな葉っぱの上に小枝で串を打った焼き鳥と無発酵パンらしきものだね。

 まさにキャンプ飯だけど、今回の遠征では兵站の携行量を抑えているから、食料事情から考えれば、結構、豪勢な食事だと言える。


 無発酵パンというものは調理器具がない環境でも作れるもので、生地は小麦粉に水を足して捏ねるだけ。

 ギリギリ手に引っ付かない程度の固さに捏ねて、蛇のようにグルグルと小枝に巻き付けてから、焚き火の炎でジリジリと遠火で焼くだけで良い。


 焼き上がりが小枝に巻き付けた形状のまま螺旋状になるのが、トルティーヤなんかの平たいタイプとの違いかな。

 お好み焼きも無発酵パンの一種だけど、お好み焼きと違って卵を使わないタイプの方が、日本のほか、ごく一部の地域を除けば一般的なんだよね。

 ふわふわで柔らかいパンも美味しいけど、固めでモチモチしたパンもこれはこれで美味しいんだよ。


第2次領有宣言②です。


キラキラ魔法!

次回、虫!?

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