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蒼焔の魔女 ~ 幼女強い 【感謝! 8000万PV・書籍版第1巻2巻同時発売中・コミカライズ企画進行中!】  作者: 一 二三


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生態系の覇者 ㉔

 巣を突っつかれた羽根アリのようにズルリと地面から這い出してきたのは、体長が7メートルほども有る超巨大蜻蛉だった。

 でも、私の記憶に有る蜻蛉とは色々と形状が違うな。


 特に短い胸と長い腹の形状が蜻蛉と言うよりもムカデのように平たい。

 脚は6本だけど普通の蜻蛉よりも長い気がする。

 それを言ったら腹の長さもヤゴのときより長いんだけど、蜻蛉って羽化したときに腹の長さが伸びるからね。

 異形では有るけど、やっぱり総合的なイメージとしては蜻蛉っぽい。


 蜻蛉と聞けば2対4枚の羽根が水平に付いているイメージが強いけど、細長くて大きな羽を蛇のように長い胴に沿って畳める種もいる。

 水辺によく居るイトトンボなんかの種がそうだよね。


 この蜻蛉は羽を畳めるタイプだったらしい。

 全身に絡みついた土を払い退けようとするように、4枚の透き通った羽根が大きく広げられる。

 そこでハッと我に返った。


「・・・拙い!」

 ボーッと観察してる場合じゃない!

 あんなものに飛ばれたら手が付けられなくなる!

 反射的に魔力の手を振り上げて思いっきり横殴りに張り飛ばす!


 ゴツッ! と固く鈍い音を響かせて蜻蛉が吹き飛んで地面を滑る!

 手応えは有ったけど、効いているかは全くの不明!

 悲しいかな、私の浅い知識では昆虫に痛覚が有ると聞いたことがない!

 痛覚がないのだとすれば、物理的に身体構造を破壊しない限り昆虫は止まらない!


「「「「「うおわあああああっ!?」」」」」

 多くが声変わりを終えている少年たちが悲鳴を上げて逃げ惑う!

 狙ったわけじゃないけど、吹き飛んだ超巨大蜻蛉は地上で何度かバウンドして、ジアンさんの指揮下に入っている男の子たちの小隊目掛けて滑って行った!

 自動車並みのサイズのものが撥ね飛ばされてくれば、驚いて逃げるのも当然だよね! 


「慌てるな! 囲め!」

 騒ぎの中でもよく通るジアンさんの一喝で少年たちが我に返って踏み留まる!

 パニックが収まれば、そこは頭蓋骨の中まで筋肉に浸食された戦闘民族の末裔たちだ!

 驚かされた怒りも加わってのことか、物騒な怒声が飛び交い始める!


「殺せ殺せ!」

「飛ばなきゃただのデカい虫だ!」

 互いに鼓舞し合い、剣を手に斬り掛かり、槍を構えて突き掛かる!

 複眼を狙って真正面から突きに行った新人さんが接近した瞬間、マスクを着けたような顔が割れて巨大な顎が噛み付きに行った!


「うおっ!?」

 噛まれる! と目を背けかけたそのとき、ガァンッ! と硬い音が響いて蜻蛉の顔が横に弾かれた!

 エターナさんと同じくカイトシールドを構えたエングさんが突進して、蜻蛉の顎に横から体当たりしている!

 さすが、防御は得意って言うだけ有るよ! 


「正面に立つな! 側面から攻撃しろ!」

「りょ、了解!」

 一撃を加えたエングさんは粘ることなくワンステップで数メートルの間合いを取り直し、窮地を救われた新人さんも即座に立て直して立ち位置を変える!


「「「「「ぎゃあああああああっ!!」」」」」

「・・・えっ!? なに!?」

 大丈夫そう! と思った尻から悲鳴が上がって数人がひっくり返っている!

 仲間に引き摺られて後退したから問題無さそうだけど、何が有ったの!?


「クッソ! この虫野郎!」

「痺れたじゃねえか!」

 痺れた? あっ! そっか、電撃!


 体の大きさに意識が行っていたけど、雷蜻蛉はその名の通り電撃を使うんだった!

 水中だと必殺技かも知れないけど、空気中だとそこまで強力じゃないのかも!

 ひっくり返っていた子たちも起き上がって、青筋を立てて再度突撃しに行く!  


「腹は柔らかいぞ! 殺れ殺れ殺れ!」

「逃がすな! 羽根を斬り落としちまえ!」

 仲間を食われ掛けた新人さんたちがヒートアップして超巨大蜻蛉を袋叩きにし始める!

 へー。あの腹、硬そうに見えるけど柔らかいのかー。


 ハッ! 私も余所見している場合じゃない!

 突き崩されて大穴と化した地面の亀裂からは、次から次へと新たな超巨大蜻蛉が湧き出してきている!

 羽根を斬り落としちゃうのは良い案だね!

 それ、いただき!


「・・・ピーシーズ! 羽根を狙って! 絶対に飛ばせないで!」

「「「「「はっ!!」」」」」

 ピーシーズに私も加えた6人で、這い出してきた蜻蛉の羽根を握り潰したり毟ったり張り飛ばしたりで大忙しになる!


 何匹出てくんの!?

 12本の魔力の手をフル回転している私は3匹同時に蜻蛉を取っ捕まえて、ブチブチと羽根を毟ってから邪魔だとばかりに余裕が有りそうな小隊の方向へ張り飛ばしてる!


 ところが、魔力の手が1本しかないピーシーズは、顔を出した蜻蛉の頭をバシッと叩いて怯ませてから羽根を握り潰したり毟って、最後にもう一度張り飛ばしている!

 当然のことながら非効率だし、蜻蛉が出てくるペースの方が早いから徐々に追い込まれていく!

 せめて、みんなにもう1本ずつ「手」が有れば、もっと早く処理できるのに!



生態系の覇者㉔です。


雷蜻蛉戦!

次回、センシティブ!?

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― 新着の感想 ―
ヘビトンボっぽい感じ? 小川の方の小さめの幼虫は素揚げで美味しくいただけそうですね。
7Mサイズのトンボが飛びながら魔法を使う・・・ 魔法使うと腹減る世界だから 特殊な条件の環境以外じゃあっという間に餓死しそう 昆虫の飛び方はあの程度のサイズだから成り立つもので 渡り鳥みたいに風に…
メガヌロン(ラドン)かメガギラス(ゴジラ)かと思ってたら蛇螻蛄や大王ヤンマ(ナウシカ)系だったかぁ
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