幼女のボヤキ
趣味で書いていた異世界転生ファンタジーです。
人様の目に触れさせるのは初めてのことなので躊躇いましたが、思い切りました。
雑で拙いかもしれませんが、異世界に見る夢を共有していただければ幸いです。
・・・まさかなあ。
三十路に入った喪女の私が幼女になるなんて。
これって、あれだ。
いわゆる転生? よくある異世界転生ってヤツだよね?
ロクな人生じゃないと、常々、思っていたけど、何ひとつ良いことが無い人生だったなあ。
しみじみと、こんなことを考えている私は、今、どこかも分からない深い森で、焚き火で焼いたシカ肉を食べている。
寄生虫が心配だけど、寄生虫なんて今さらだよ。
日本で生きていた頃にも「野生児」だの何だのと、陰口を叩かれまくって育ったんだから。
施設の職員に捕獲されて強制的に虫下しを飲まされた経験がある人が、「飽食」なんて言われた現代日本に、どれだけ居る?
願わくば、今度は食べ物に困らず生きられる人生―――、で有れば良いなあ。
明日も無事に生きていられるか、定かでは無いんだけどね。
名前も知らない小さな町から脱出して、棲み家に決めた松の大木の洞。
現在、私が把握している現実は、“ここ”が金髪碧眼を主体とした人々が住む土地で、「不景気な顔」と評価されていた平凡な日本人の私が貧相な銀髪の幼女になっている、ということだけだ。
文字は読めなかったけど、言葉が理解できたのは幸運だったと考えよう。
人里から数キロメートルしか離れていないのに、人の手が入っていない森が有って、森に人が入ってくる様子が無いのは腑に落ちないけど、今は食料を確保して生き抜く方が先だ。
植生が日本と大差無いのであれば、生き抜ける可能性は有る。
明日は、もう少し範囲を広げて周辺を探索しよう。
眠くなってきたから寝るかな。
明日も無事に生き抜けられますように。
洞の2階に潜り込んだ私の意識は、ここで途絶えた。
キャッ(恥ずかしい!