表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/30

第4話「温もり」

「以上で調査報告になります」私は電話越しに師匠に言った。「分かった、これで何が起きたのか真相を知る事ができた、しかしまた一つ問題が発生したな。」と師匠は言った。「モレノを殺した新たなフリークス、レオナルド·クライフか、アリア、君は彼の記憶も見たんだろう?その上で聞く、彼をどうしたい?」と師匠はいつになく真剣な声色で聞いた。


「規則に則るなら、速やかな拘束、最悪処刑もありえます。」と私は答えた後、ですが、と話を続けた。


「彼も紛れもない被害者です、もっと早く駆け付けて居ればまた違った未来もあり得たと思います。」そう私は師匠に答えた。


「しかし、そうはならず彼は今や野放しになった獣だ私の立場で言うなら処分を命ずる所だが」と師匠は冷たく言った後、「しかし今現場に居るのは君だけだ、よって私は君に彼の処遇を一任する、これが師匠としての私からの最後の課題だ、どんな結末を選んでも私は受け入れるよ」と師匠は優しくも残酷な選択を私に預けた。


「分かりました、全てが終わり次第また連絡します。」そう言って私は電話を静かに置いた。


この世界は残酷だ、あの少年は何故そこまでの業を背負わなくてはならないのか、彼は、いや彼等はただ平穏な日常を求めていた、それすらも奪われてしまうのか。あの現場で見た少年の記憶彼は普通の子供だった、それなのに大人達は自分の欲望のままに食い物にする。「神様は本当に居ないのかもね。」そう呟きながら、私は彼の痕跡の残る森へと足を踏み入れた。


数時間後、、


「いざ入ってみたけど、この森どうも嫌な雰囲気ね」

彼の痕跡を追って森に足を踏み入れたのだが、何かどうにも落ち着かない、雰囲気だけでなく何かに常に見られている様な気がする。


「あの女何か勘づいているみたいだぜ?」そう言葉を発したのはこの森を拠点とする組織の者だった。


彼等は地元の人間から「種子」と呼ばれていた。


名前の由来は何処からともなく流れ着きそして、その場所に根付き有りとらゆる犯罪を犯しその土地に災いの種を蒔く、なので地元の人間は彼等が根付いた場所には近づくことは無い、そして、お互いにとってそれが最良であると暗黙の誓いを立てていた。

「なあに、大丈夫だ今まで感のいい奴は居たが誰一人俺達には気付けず結局は俺達の餌食になったじゃねえか」ともう一人の男が言った。「それに見て見ろよ!あの女、すげぇ上玉だぜ?まあまだ少しガキだが出るとこは出てるしな」と男は笑みを浮かべて言った。


「ランス!獲物は見つかったか?」そう言ってリーダ格の男が二人の背後から言ってきた。「ベニーさん、今丁度女が通りましたぜ!」とランスと呼ばれた男は言った。「ほう、どんな女だ?」とベニーは聞いた。


「それがえらくべっぴんでね、特にあの白い髪や意外とありそうな胸がたまらねえんだよ!」とランスは答えた。「なあ、お前も言ってみろよ、相棒、、、」


そう言ってランスは隣の男に話掛け肩を揺すった、その瞬間男の首が落ちた。


「な、なんだこれ!」そう言ってランスは絶叫した、


その声は森中に響くほどだった。


「こんな所に居たのか、道理で、視線を感じる筈だ」


そう言って声の主アリアが直ぐ後ろに居た。


「何でここが分かった!上手く擬態していたはずだ!」とランスは言った。「ほう、こいつが例の女か思ったより若いな」そう冷静にベニーは言った。


「何でそんなに冷静なんだよ!俺の相棒がやられたんぜ!?」とランスはベニーに激昂した。「気にするな、代わりはいくらでもいる、勿論お前もな」「え?」そう言った瞬間ベニーはランスの首を持っていた鉈ではねた。「見苦しい所を見せてすまないな、所であんた、教会の狩人だろ?」そう言ってベニーは血のついた鉈を拭いていた。


「知っているのか?まさかお前もあの教団の一味か?」とアリアも聞き返した。


「まあ、俺は元団員って所さ今はしがない山賊だがな」と笑いながら答えた。「所でお嬢ちゃん、何か探し物かい?条件次第じゃ協力するぜ?」そう言いながらベニーは近くの木に座った。


「随分と協力的だな、で?その条件は何?」とアリアは聞いた。「なあに簡単さ」と一拍置きベニーは答えた。「俺を殺してくれ」そうベニーは静かに言った。


「変わった奴だな、何故死にたい?」とアリアは答えた。「なあに簡単さ、もうこの衝動を抑えられないんだ、手当たり次第に誰かを殺さないと治まらない、俺は最後はせめて化け物としてではなく、人として死にてえんだ。」そう言ってベニーは震える手を抑えていた。


「最後はせめていい女の手によって死にたい、その時たまたま通りがかったのがお嬢ちゃんだったのさ。」


そう言ってベニーは一つの紙を出した。「お嬢ちゃんの探し物は多分あの小僧だろ?」とベニーは答えた。


「見たのか?彼を何故見逃したんだ?」とアリアが聞いた。


「あの小僧はもう駄目だ、あれは俺と同じだ自分の中の獣を制御できていない、そう長くないだろう」そう言ってベニーは力無く笑った。


「さあ、お喋りは此処までだ!人思いに殺ってくれ!」そう言った瞬間ベニーの首が飛んだそしてアリアはベニーの持っていた地図を手掛かりに向かった。


そして、現在


「大丈夫だ、君を助けに来た」そうアリアは優しく言った。「誰だ!また彼奴等の仲間か?俺はもう騙されないぞ!」レオはそう答えながら身構える。


「まずは自己紹介をしよう、私はアリア·テレシア教会から派遣された者だ、あの孤児院で君が受けた仕打ちを考えると無理もない」とアリアはレオに優しく言った。「どうせあんたも俺を化け物と蔑むんだろう?見て見ろよ!この辺り一面俺がやったんだ」とレオは手を広げながら言った。「俺は化け物なんだあんたに俺の気持ちが分かるのかよ!」そう言ってレオはアリアを睨み付けたが、アリアは変わらず優しい目で語りかける「分かるさ、私も君と同じ化け物だ」そう言った瞬間アリアの周りに血が収束して行きそして、アリアの掌の中で一つのキューブ状の固体になった。


レオはそれを見て震えた、「あんたも人間じゃないのか?」とレオは聞いた。「いや、私は紛れもない人間だそしてレオナルド君もそうだ」と言った。


「でも、俺はもうこの衝動に任せて人を殺した、醜い獣なんだ!」と言ったが。アリアはこう返した、


「そうしないと君は自分を守れなかった、何故なら君はまだ子供だからだ」と優しく言った。


「でも、でも」と言いかけた瞬間アリアが優しく抱きしめてくれた。


「怖かったよね、本当に一人で頑張った。もう無理しなくても大丈夫、私が君を守るよレオ」その言葉を聞き


レオは泣いた、その流れる涙は怪物の涙ではなく紛れもない人間の幼い子供の涙だった。


その幼く震えるレオの身体をアリアの温もりが癒してくれた。








第4話「完」


第5話に続く

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ