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デッドorフリークス〜安らかな死を選ぶか?血塗られた異形の化け物になるか?選択は君次第〜  作者: 二階堂曉


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第3話「聖者の行進」

「おい、聞いたかよこの街に教会の人間が来てるらしいぜ?」寂れた酒場で男達が話す。


「何でも弔いの儀を調査しに来たらしい」


「それはご苦労な事だな今は大聖堂のマローネ様の所で世話になってるぞ」


「マローネ様が?あの方は先代の聖女様より慈悲深いからな」男がジョッキに入ったビールを飲み干す。


「まあ、俺達は何時も通りやるだけさもし余所者が邪魔しようってんなら」男がナイフをテーブルに突き立てながら続けた。「彼奴等にも生贄になってもらう」そして男達は酒場を後にした。


ゴーン、ゴーン、大聖堂の鐘が鳴り響く。その音と共に部屋の扉がノックされた。「レオ起きてるか?」アリアの呼びかけにレオが反応する。「鐘の音で起こされましたよそろそろですか?」ベッドから起き上がりながらアリアに問いかける。


「ああ、シスター・マローネが食事を振る舞ってくれるらしい行くぞ」それを聞き立ち上がるとアリアと共に食堂へと向かった。


「お待ちしておりましたどうぞお掛けになってください」マローネに促され二人はテーブルに着く、テーブルの上には鍋に入ったシチューとパンがおかれており既に皿の上に振り分けられていた。


「質素な食事で申し訳ありません、ですが味には自信がありますのでどうぞお召しあがりください。」


二人は手を添え祈ると食事を始めた。


「お口に合いますか?」マローネが静かに聞く。


「とても優しい味がします、幼い頃に母が作ってくれたシチューを思い出しました。」アリアが微笑みながら言った。


「俺もこんなに美味しいシチューを食べたのは初めてです。このパンにもよく合いますね」レオがパンに浸して食べながら言った。


「その言葉を聞けて光栄です、沢山あるので食べてくださいね。」3人は和気あいあいと食事を楽しんだ。


3日後街は何時もよりも活気づいていた、皆家の前に教会のシンボルであるシスターのレリーフを吊るし街の中央には飾りつけられた祭壇と大きな藁で出来た人形が置かれていた。その人形は伝説で語られている聖職者ミネルバ・ウォンツをかたどっていた。


「いよいよ今夜ですか神の遺骸もこの祭に出すんですかね?」レオが隣のアリアに小声で聞く。


「情報通りなら今夜儀式の御神体として祀られる筈だ。」レオとアリアは教会に居る間マローネの目を盗んで書斎を調べた。すると歴代の管理者の記録帳があったその内容は教会の仕事に関する記録や街の人々の交流の記録など何処にでもある様な日誌の様だった。だが司祭に関する記述を見つけ二人はその詳細を見た。


司祭に参加する際管理者は身を清め儀式の準備を行う、そして神との対話を行う為に神の御神体を祀る事さすればこの土地の繁栄は約束されると。


この記述を見て二人は教会の全ての部屋を調べたが、教会の祀る神の御神体を見つける事が出来なかった。


そして今日の祭事の際に回収する事にしたのだ。


「でも大丈夫ですか?何の説明も無しにこの街が崇める御神体を回収しても」レオの問いにアリアが答える。


「悠長に説明しても誰も納得なんてしないだろう?それに事態は今も悪化しているんだいざとなったら教会に後始末をしてもらうさ」アリアの脳筋な作戦を聞きレオが溜息をつく。


「アリアさんって普段クールですけど、いざとなったら強引な所ありますよね?」


「そうか?私は合理的に判断しただけなんだがな」二人が話していると白い儀式服に身を包んだマローネが来た。


「お二人共どうかなされましたか?」


「いえ、ちょっと変わった催し物だなと思って話してたんですよ」レオが言うとマローネが優しく微笑む。


「外部から来た方は皆同じ様な感想を申されるんですよ」


「あの祭壇は何に使うんですか?」


「あれは神の御神体を祀る為の物です、あの祭壇の中央に御神体を起き神に感謝の祝詞を言った後に神との対話を行います。」御神体と聞きアリアが間髪入れずに聞く。


「その神の御神体は今何処にあるのですか?」率直に聞いた瞬間空気が変わった。


「何故お聞きになられるのですか?」マローネはさっきまでの穏やかな笑みを辞め冷たく視線を送る。


「いえ、聞き馴染みが無い物だったので是非一目見たいと思い聞いたのですが、もしご不快でしたら謝ります」アリアが言葉を選びながら答える。


「そうでしたか、それなら良いんです御神体なら祭事が始まるとあの祭壇に置かれますので見ていって下さい。それと先程の無礼な態度をお詫び申し上げます」マローネがさっきまでの表情から再び穏やかな何時もの表情に戻る。


「それでは私は準備があるので失礼します」マローネはそう言うとその場を後にした。


「アリアさん気を付けてくださいよ!俺心臓止まるかと思いましたよ!」レオの悪態にアリアが答える。


「すまない私も言葉を選ぶべきだったなだが、あの反応を見ると当たりかもしれないな」アリアが言う。


そして二人の会話をかき消す様に教会の鐘がゴーン、ゴーンと重い音を奏でる。それを合図にしたかのように街の入り口から中央の広場まで一斉に松明を持った人々が整列する。


見ると人々は黒いローブに身を包み顔の前に黒いベールを掛けていた。そして街の入り口からある集団が隊列を組んで入って来る。全員白いローブに身を包み顔には頭の先端が尖った覆面を被っている。そして1人1人が儀式用の直剣を両手で持ち真っ直ぐと正面に向けて歩いて来る。


そして隊列の中央には小さな箱を持った女性が居た。その女性を護衛するかの様に隊列を乱すこと無く進む。そして隊列が通り過ぎる事に黒い人々は松明の火を消して後に続いて行く。


「アリアさん祭壇の方にマローネさんが来ましたよ」


祭壇を見るとマローネが祭壇の前に立つ彼女も白いベールで顔を隠し佇む。


そして隊列の先頭が祭壇の前に着くと皆左右に分かれ円陣になって行く。そして中央で箱を持った女性がマローネの前に立つ。


マローネは彼女から箱を受け取ると会釈する。マローネは箱を持ったまま祭壇の階段を上がっていく。


そして台の前まで来ると箱を開け中身を取り出すと台の上に置く。


「あれが御神体ですか?」


「その様だな、思っていた物とは違うがな」


マローネが置いた御神体は円形状の瓶だった。瓶の中身は赤い液体で満たされておりその中で鼓動を続ける心臓が入っていた。


「動いていますよね?俺の目の錯覚とかじゃないですよね?」レオの問い掛けにアリアも頷く。


「私も同じ様に動いて見えるだがこれであれが本物だと分かったな」アリアがレオの肩を軽く叩きながら言った。


「それじゃあ始めますか」


「極力戦闘は避ける様にだが最悪の場合は自分の命を最優先にするんだぞ」二人が軽く打ち合わせを終えたのと同時に再び鐘の音が鳴り響く。


「鐘の音が鳴り終わったら開始する」アリアが言うとレオが頷く。


そして鐘の音が鳴り終わった瞬間二人がマローネの居る祭壇へと突入した。


第3話 完


第4話に続く

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