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デッドorフリークス〜安らかな死を選ぶか?血塗られた異形の化け物になるか?選択は君次第〜  作者: 二階堂曉


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第4話「月夜の約束」

「ごめんください、教会の者です村長の紹介で来ました。」アリアが扉をノックすると若い女性が顔を出した。


「何でしょう?私に用ですか?」


「すいません、我々は今回村の怪死事件を調査しに来たものですが、村長の証言で貴方が今回の被害者と関係が合ったと聞きましたのでお話を聞きたく訪ねて来たのですが」アリアが丁寧に説明する。


「ジムの事ですか?分かりましたどうぞ入って下さい」女性は警戒しつつも家に通してくれた。


「お掛けになって下さい」俺とアリアは女性に促され椅子に座った。


「申し遅れました私は今回事件の調査の為に派遣された狩人、アリアと申します、そしてこっちが私の相方のレオナルドです。」アリアが自己紹介すると女性も席に着き言った。


「私はこの村の歌唄いのアシュリー•ウォーレンです、それでジムについて聞きたい事とは?」アシュリーが訪ねてくる。


「実は村長からの情報で貴方達が恋仲だったと聴きまして、何か事件前に不審な事はありませんでしたか?」


「ジムとですか、確かに私は彼と親密な関係でお互い愛し合っていました。あの日も彼は私の晴れ舞台を見に宴に参加してました、でも全然変わった事なんてありませんでしたよ?」アシュリーは真剣な眼差しで言った。


「村長の話では被害者は人魚の歌が聴こえると言っていたらしいのですが、それについては心当たりはありませんか?」アリアの質問を聞きアシュリーの顔が強張るのを感じた。


「どうやらある様ですね、よろしければ隠し事無しでお話したいのですが」アリアの口調は優しく丁寧だが、相手に有無を言わさぬ凄みが感じられた。


「実は宴で歌っている人魚の歌と言うのは別物で、本当の人魚の歌は人に聴かせてはいけないんです。」


アシュリーは観念したのか全てを話してくれた。


「実は私一族の言いつけを破ってジムに歌を聴かせてしまったんです」彼女の話をまとめると、彼女は被害者のジムと恋仲になり共に過ごす時間が増えた。そんな時にジムに本当の人魚の話を聴かせてくれとせがまれその過程で、本当の人魚の歌の話を聴いてしまっのだ。


「私は断ったんですが、ジムが本当に愛しているなら隠し事はしないでくれって言って来たんです。私もいつもなら断るのですが彼を本気で愛していたので、一度きりと言う約束で彼に聴かせたんです。」


「その時の被害者の様子はどうでしたか?」

 

「私が歌い終わるまで静かに聴いてくれて、聴き終わった後にも、とても哀しい歌だと言ってくれただけです」アシュリーの説明を聞きアリアが疑問を持った顔をする。


「哀しい歌と言ったんですね?」アリアがアシュリーにもう一度確認する。


「ええ、それがどうかしましたか?」アシュリーは困惑する。


「私達にもその歌を聴かせていただける事はできますか?」その頼みを聞きアシュリーが拒否する。


「駄目です!ジムがあんな事になった後なのに貴方達まで危険な目に遭わせたくありません!」


「貴方の気持ちはわかります、ですがこの事件を解決する手がかりなんです、どうかお願いします」アリアは全く引き下がる気配を見せなかった。


「分かりました、ですがこの事は私達歌唄いしか知らない秘密です、この秘密は墓にまで持って行ってもらいます良いですね?」アシュリーが静かに言った。


「分かりましたお約束します、レオ、君にまで危険が及ぶかもしれない外で待機していてくれ」アリアが俺に言ってきたが。


「水臭いですよアリアさん、俺達はバディじゃないですか俺も付き合いますよ」俺はアリアの忠告を無視した。


「そうか、なら二人で墓まで持っていこうか」アリアがそう言うとアシュリーは覚悟を決めた顔で人魚の歌を聴かせてくれた。


「これで終わりです、どうでしたか?」アシュリーは疲れた顔で言った。


「とても優しく、綺麗な歌声でした」アリアが感想を言ったのを聞き俺も続けて言った。


「何だか、とても寂しくて、何だか切ない歌でしたね」俺の感想を聞き二人が俺を見る。


無理もない、俺とアリアは二人同時に同じ歌を聴いたのだが、全く正反対の感想を抱いていたからだった。


「レオ、君は今の歌が切ないと言ったな?」


「はい、まるで誰かに向けて歌っている様でした」


俺は自分の気持ちをそのまま伝えた。


「同じです、ジムも貴方と同じ事を言ってました。」


アシュリーが怯えた目で俺を見ながら言った。


「あの日もジムは私の歌を聴き涙を流して感動していたんです、まるで幼い頃に死んだ母親がよく歌ってくれていた子守り歌のようだって」


「被害者の家族はご存命の筈では?」


「ジムの今の家族は育ての親なんです、彼は幼い頃に戦争で両親を亡くして、それで親戚を頼って今の家族に育てられたんです」アシュリーが涙を流しながら語った。


「彼は今の両親も愛していると言っていましたが、それでももし叶うなら本当の両親にまた会いたいって言ってくれたんです」


「それが被害者のもつ秘密だったんですね」アリアが慰める様に優しくアシュリーに問いかける。


俺はその話を聞きリサの顔が浮かんだ。リサも俺がよく一人で泣いていた時に優しく抱きしめて子守り歌を歌ってくれていたのだ。


「リサ、」俺は静かに呟いた。


「この歌は何という歌何ですか?」アリアが優しく問う。


「この歌は「月夜の約束」と言う歌で言い伝えによると、人魚の親愛と別れ、そして再会を願う歌と聞いてます。」その説明を聞きアリアが一つの仮説を立てた。


「もしかすると、この歌大切な物を無くした経験を持つ者に作用する呪言の様な物が込められているんじゃ無いですか?」


「私も詳しくは分からないのですが、ジムは確かに大切は両親を無くした経験を持つ人でした。もしかして貴方も?」アシュリーが悲しげな目で俺を見た。


「俺は昔姉さんを奪われたんです、だから俺も大切な者を無くした経験があると言われればありますね」


俺は静かに答えた。


「第4話 完」


「第5話に続く」






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