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デッドorフリークス〜安らかな死を選ぶか?血塗られた異形の化け物になるか?選択は君次第〜  作者: 二階堂曉


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第3話 「歌唄い」

「着いたぞレオ、ここが終点のルックロッドだ」


アリアの呼びかけに俺は目を覚ました。


「やっと着いたんですか?随分と長い旅でしたね」


俺は長時間座っていて固まった身体を解しながら立った。


俺達は今首都ルーシェから約3時間掛けて地方都市のルックロッドに来ていた。俺達は改札を出るとそこから馬車を手配しラミン村へと向かった。


2時間後、波風と共に小さな漁村へと着いた。


「ようこそラミン村へ私はこの村の村長のケリフと申します、お二人が教会から派遣された狩人様ですね?」村の入口に着くと村長が出迎えてくれた。


「初めまして、私は教会の狩人のアリアと申します、そしてこちらが私の相方のレオナルドです。」アリアに紹介され俺は村長に会釈する。


村長は事件の詳細を語ってくれた犠牲者の名はジム、村の若い漁師で人柄も良く村民からの評判も良かったと言う。


事件の夜も皆と宴を楽しんでいたのだが急に歌が聴こえると言い出したと言う、他の人達は酒に酔ったと思い放置して居たのだが気付くと居なくなっていたのだが、周りは先に帰ったと思いさほど気にしていなかったと言う。


しかし朝になってもジムが現れない事から村中騒ぎになり、辺りの入江を調べた所岩陰に倒れているのが見つかった。


ジムは直ぐに保護され事情を聴かれたのだが、当の本人は酒の飲み過ぎで記憶がなくその日は終わった。


「見つかった時は何も異変は無かったんですね?」


「はい、私達も村の医者に見せたんですが二日酔いの症状以外異常は無いって言ったんですよ」


村長が静かに答える。


「ですが異変が起きたのはその日の晩の事です、ジムは夜になると急に「歌が聴こえる!俺を呼ぶ歌が!」と言って家を出ようとしたんですよ。流石の私達もジムを取り押さえ様としたんですが、力が強くて私を含め3人掛かりで押さえようとしても駄目だったんです」


「そして、ジムは家を飛び出して行って翌朝にはあんな酷い状態で」村長はその日の光景を思い出したのか吐き気を我慢しているようだった。


「歌が聴こえるとの事でしたが、その日犠牲者以外の誰もその歌は聴いてないのですか?」


「ええ、私もあの日宴に参加していたのですが、誰も聴いてないらしいんですよ」


アリアはもう一つ質問した。


「最近犠牲者に変わった事はありませんでしたか?何でも良いのですが」すると村長はそういえばと話した。


「最近村の歌唄いの娘と恋仲になったと言っていました。」


「その歌唄いとは?」


「はい、ご存じかわ分かりませんがこの村には人魚伝説と言うものがありまして」


「有名な童謡ですよね?確か人魚に歌を教えてもらった少女の話だったと思うんですが?」


「ご存じでしたか、実はこの話には続きがありまして少し長くなるので私の家に着いてからにしましょう」


村長はそう言って俺達を村一番の家に案内してくれた。


「それではお話しましょうあの童謡の続きを」


少女はあの晩から毎晩人魚の元へと行き歌を教えてもらった。人魚は少女と交流する内に次第に心の傷が癒えていきその歌声は更に美しくなって行った。


人魚にとって人の子である少女は初めて出来た友達であり、愛する存在だった。だがある日の晩いつもの様に少女は家を抜け出し人魚の元へと向かった、しかしその日前から少女に好意を寄せていた村の若者が付けていたのだ。


少女は若者に気付かず人魚の元へと行き歌を歌っていた。だが若者は人魚を見ると直ぐに村の大人達を呼んだのだ、村の大人達は人魚を捕らえるべく網やモリを持ち入江に集まった。


そして、大人達は人魚を捕らえるべく二人だけの入江に乗り込んだのだ。大人達は網を投げ人魚を捕らえると少女を褒めた、少女は理由が分からず戸惑っていると暴れる人魚に向かってモリが突かれた、だがそのモリは咄嗟に飛び出した少女の胸に突き刺さったのだ。


人魚は網を振り解くと彼女の身体を抱え涙した。


そして彼女はその場に居た大人達と事の発端となった。若者に対して呪言を唱えた、するとその場に居た全員の身体中にフジツボが浮き出て来て全員苦しみながら死んだ。


人魚は生死を彷徨う少女に自分の血を与えた、すると少女の傷は立ちどころに塞がり少女は助かった。


しかし、人魚は自分が原因で少女を危険な目に合わせてしまった事を悔いており、人魚は彼女に別れを告げると海へと帰っていった。


そして、村は人魚の呪いを恐れ年に1回人魚を祀る宴を行う様になった、そして宴の夜になると少女が村の歌唄いとしていつか友人が戻って来る事を祈りながら歌を奏でていた。


「そして、現在に至るまでその少女の子孫は毎年宴の日になると人魚に教わった歌を奏でると言う習わしがあるのです」村長が童謡の続きと歌唄いの話をしてくれた。


「では今回の事件はその歌唄いの少女が関係していると?」


「まだ完全には分かりませんが心当たりがあるとしたら、それしか無いのですよ」村長が答えた。


「アリアさんその歌唄いの所に行ってみますか?」


「そうしようか、その歌唄いには何処で会えるのですか?」アリアが村長に聞く。


「彼女でしたら入江の近くに住んでおります、少々人見知りの娘ですが私の紹介と言えば会ってくれるでしょう。」


「分かりました、お話ありがとう御座います。レオ、それでは行こうか」アリアが俺を促し一緒に村長の家を出た。


「レオ、浮かない顔をしているな」


「すいませんさっきの話を聴いていると、リサの事を思い出しちゃって」


「大丈夫だ私が付いている、この件が片づいたら師匠と三人で改めて君の卒業祝いをしよう」


「本当ですか!なら速く解決しましょう」


俺達二人は入江に佇む一軒家へと向かった。


「第3話」 「完」


「第4話に続く」

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