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デッドorフリークス〜安らかな死を選ぶか?血塗られた異形の化け物になるか?選択は君次第〜  作者: 二階堂曉


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第13話 「新しい門出」

「レオ!しっかりして!レオ!」


その言葉と共に俺の頬に鋭い痛みが走った。


「レベッカ?」俺は、呆然として目の前のレベッカを見つめる。鋭い痛みの正体はレベッカが気付けに俺の頬を叩いたのだった。


「しっかりしてよ!今は貴方がリーダーなの、客は全員捕まえたからロニーと合流しましょ?」


「そうだな、ありがとうレベッカ。おかげで正気になったよ」俺は立ち上がりレベッカと共にロニーの後を追って、二階のバルコニーへと向かった。


バルコニーに着くとそこは荒らされており、バルコニーの通路の奥から声が聞こえた。


「レベッカ、行こう!」俺はレベッカと共に通路を走り、上に続く階段へと向かった。


「この野郎!覚悟しやがれ!」


階段を登り屋上に着くとロニーが秘書の女性と交戦していた。


「どきやがれ!そいつは悪党だぜ?何故庇う?」


「私の上司だからですよ」彼女はそう答えると自らの獲物であるナイフを投げる。


「止まって見えるぜ!」ロニーがそのナイフを受け止めた瞬間、秘書は一気に距離を詰めロニーの顔面目掛けて肘を入れた。


その攻撃が直撃し、ロニーが崩れ落ちる瞬間に今度は鳩尾に蹴りを入れ、その衝撃でロニーの身体が入り口の俺達に飛んできた。


「ロニー!大丈夫か?ロニー!」


ロニーは完全に脳を揺らされており、俺の呼びかけにも応じることが出来なかった。


「流石はマリアンヌまずは一匹だな」俺達のやり取りを見ながら紳士風の男が手を叩いていた。


「お前がステヴァンか?」


「初めましてだな、私がステヴァン商会の代表ヴィクター•ステヴァンだ以後お見知り置きを」男は丁寧な所作で俺達にお辞儀をした。


「そして彼女が私の秘書兼ボディガードのマリアンヌだ」その商会と共にマリアンヌも会釈をする。


「お前には数々の余罪がある、俺達に投降し大人しく捕まればそれでいい、だが抵抗するなら実力行使を行う」俺は目を覚まさないロニーをレベッカに預けるとマリアンヌに向き合った。


「諦めなさい、お友達の様になりたくないでしょ?」


マリアンヌが冷たい視線を向ける。


「俺達は狩人だあいつも俺も覚悟は出来ている」


俺はそう答えると拳を上げマリアンヌと対峙した。


「貴方、いい目をしているはね殺すのが惜しい位」


「そりゃどうも!」


次の瞬間俺は脇腹目掛けて蹴りを放つ、するとマリアンヌは脇を庇いガードするその瞬間、俺は最初の蹴りの反動を利用し跳び上がると。ガードの下がった顔目掛けて蹴りを入れた。


「良い動きをするのね、ますます気に入ったは」


マリアンヌは俺の蹴りを紙一重で避けると、跳び上がった俺の足を掴み思いっきり投げ飛ばした。


俺は壁に足を着け、そのまま降りた。


「あんた強いな、じゃあ俺も本気で行くか!」


俺は足だけを獣化させ、マリアンヌ目掛けて突進した。マリアンヌは俺の急な速さに対応出来ずに俺の掌底を腹に食らった。


「グハ!なんなのこの衝撃は、ゴボ!」


鈍い音と共に彼女は血を吐く。


「破震掌を食らったのにまだ動けるのか」


俺はマリアンヌの人間離れしたタフさに驚いた。


「主様、覚醒を使っても?」


マリアンヌがステヴァンに問う。


「いいだろう、だが確実に仕留めるんだぞ?」


その言葉を聞きマリアンヌの身体が異形の姿に変わる、そしてマリアンヌは牛頭の化物へと変わった。


「俺も本気出すか!」その言葉と共に俺は禁止されていたセカンドを解放した。


月夜に照らされながら牛頭の獣と銀狼が相対する。


「その姿美しいですね、私の様な醜い化物とは違います」


「そうか?俺はその鋭い角中々イカすと思うけどな」


二匹の獣はお互い軽口を飛ばし合い、声を上げて笑い出した。



「二人共何がおかしいの?」


「マリアンヌよ、ようやく全力を出せる相手を見つけたんだな」


レベッカは困惑し、ステヴァンは父親の様な眼差しをマリアンヌに向ける。そして二匹の獣が衝突した。


最初に仕掛けたのはマリアンヌだった、彼女はレオに目掛けて拳を突き出したが、レオはその拳を捌きマリアンヌの胸を殴る。だがマリアンヌの身体は分厚い筋肉に覆われており衝撃が伝わらない。


そうこうしている内にマリアンヌは蹄の足を地面に叩き付ける、そして瓦礫が飛び散りレオは視界を遮られた直後にマリアンヌがレオに体当たりを行った。


レオは直撃し身体が宙を舞う。


「これで最後です!」


マリアンヌはレオが降ってくる位置に立つと跳躍を行い、レオの腹部に角を突き刺した。


「グバ!これでお前に叩き込める!」


レオはそう言うと、マリアンヌの角を掴みそのまま体重に乗せて技を放つ。


「破砕拳!狼壊!」俺はマリアンヌの眉間に拳を叩き付け、更に地面の落下した衝撃と俺の体重そして破壊の振動が伝わり、マリアンヌの体内は完全に粉砕された。


「あ、、ありがとう、、良い、、戦い、、でした。」


マリアンヌは下半身がグチャグチャに潰れ血の海に浸りながら俺に感謝の言葉を送る。


「ああ、安らかに眠ってくれ」俺は獣化を解きマリアンヌの亡骸に近付くと、そっと瞼を閉じた。


「残るはあんただけだぜ?大人しく捕まるか?」


俺はステヴァンに向けて言葉を発した。


「マリアンヌ、今までよく仕えてくれた」ステヴァンはマリアンヌの亡骸を見ながら静かに礼を言った。


「残念ながら、私もここまでの様だな」ステヴァンはそう言うと、懐から銃を出すと頭を撃ち抜き死んだ。


「結果としては、任務達成だけど何だか腑に落ち無いわね」


翌日の朝俺達は宿に帰り報告書を作っていた。


「なんだよ、俺が寝てる間に全部終わってて、その上書類作成かよ!」ロニーが昨日のダメージを感じさせない様な事を言う。


ステヴァンが自殺した後、俺達は被害者達を解放しその場に居た客は教会の審問官の元へと送られた。


俺達は教会の後処理部隊に保護され、宿へと戻って居た。ステヴァンの書斎から取引に関する帳簿や攫った人々のリスト等が見つかったが教団に関する情報は掴めなかった。


その後代表を失い被害者から訴えを出された商会は自然消滅し、商会に関わった従業員達も裁判に掛けられ殆どが有罪となった。


「これだけ手柄立てたのに、教団の情報は無しか」


「それでも大勢の人を救えたでしょ。」


ロニーが残念そうに言ったが直ぐにレベッカが反論していた。


「レオ!落ち込むなよ、いきなり初任務で教団の全貌なんて分からねえもんさ。」


「そうね、でも辛い事や大変な事があったらいつでも私達を頼ってよね?だって私達仲間何だし」


二人が俺に温かい言葉を送る。


「うん、ありがとう!俺も二人を信頼してるよ、だから一つお願いだけどこれ、手伝ってくれるかな?」


俺は二人に書類の山を指差すと、逃げ出そうとする二人を捕まえに席を立った。これで俺達3人の初任務は終わりを迎えた。


「第13話」完


「アカデミー編」完


次章「歌唄いと人魚の涙」に続く。



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