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当たり屋的な
道を歩いていたら、突然狂気じみた声がした。
『あたったぁ!!』
下を見れば、街頭にポツンと照らされたような場所に、小鬼のようなものがいた。
座り込んで、地面に両手をついていた。
『あたったぞぉ!』
その両手の間に、紙が落ちていた。
宝くじみたいだ、と思う感じの。
『あたった、ぞおぉおお!』
と小鬼が私の方を見て勝ち誇ったように叫んでから、紙を取り上げて、立ち上がり、見せびらかす。
『あたった、ぞぅ、ほら、あた・・・あ? あ』
急に勢いが弱まり、小鬼は静かに、己が掴む紙を見つめた。
『あたって、なかっ、たぁああああ・・・・!』
小鬼が膝をついて地面に向かって折れた。
『ハズレー!!!』
私はそっと立ち去る事にした。
「何だったんだ」
と呟いた。