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暇すぎるので美ショタ降臨。

わしが降臨してやったぞ!


中世風の町並みを、少年が歩いている。


物珍しそうに回りを見渡していると、不意に建物の影から現れた大柄の男とぶつかってしまった。


「いってーなこのガキ!どこ見てんだ!」


突然の大声に驚いたのか、少年は顔を上げる。


「すいません。お怪我はありませんか?」


今にも泣き出しそうな、その瞳は大きく輝いていて、


顔は誰もが見とれてしまう美しさを持っていた。


「あ、いや、大丈夫です!こちらこそすいません!」


いきなり敬語になってしまった大柄の男は、


はじめての心境に戸惑っているようにも見える。


「よかった。では、すいません。急ぎの用事があるので失礼します。」


美しい少年は華が咲く様な笑顔を見せて、急ぎ足で立ち去っていく。


「う、美しい……」


大柄な男はこぼれるような思いを口にし、走っていく少年の背中を見つめていた。




「どーーーーじゃ!!!完璧じゃろ!!わし!!!」


フフッと笑いが溢れる。


いや~。長かった。


まさか理想の体を創るのがこれ程大変だとは、


「この惑星で7個目か、もはや諦めかけたぞ。」


最初、人間が生まれた惑星を見つけた時に、


(いっそ自ら星に降りてショタを探したほうがいいのでは?)


と思い立ち、どうせなら超絶美ショタの体がいい!


と美しさを極め創った身体で降臨したのは良いものの。


<あまりの美しさに五感と精神を破壊する。>


程の美ショタになってしまい。


美しさを調整しつつ、検証を繰り返すその過程で


4つの惑星の人間たちを「あっ。」しか言わない生物にしてしまった。


いや~焦った、残りの2つもわしが美しすぎるせいで大戦争を巻き起こし、


自滅の運命を歩ませてしまった。


悪かった!ワシの可愛いさに免じてゆるしてほしい!


とわいえ、今は約200/1位の魅力しかないのじゃが。


だが、此れでようやくショタ探しに専念出来る!


目星はもう既につけておる!さっそく向かわなくては!


待っておれ母性愛マシマシショタよ!



鐘の音が聞こえる。


石造りの町並みの外れにポツンと、


時間を感じさせる木造の三角屋根は、それでも人々に大切にされているのか小綺麗である。


中は簡素だが隅々まで掃除され落ち着く空気をまとっているようだ。


奥には祭壇とその御神体であろう銀の丸い月のオブジェが恭しく置かれていた。


そう!教会である!


教会ってアレじゃろ?


神、この世界の創造主を祭っておるんじゃろ?


ぞっこんなんじゃろ?


つまりワシにぞっこんって訳じゃろ!!?


勝ち確!!!


ここにショタがいればそれは信仰深くついでに慈悲深く、母性愛にも溢れてるに違いない!


礼拝堂の奥には信徒達の生活空間があるのは把握済みよ!


ここに宣言してやろう!


神が降臨してやったと!!!


きっと泣きながらすがり付き、


是非奉仕させて下さい!と懇願してくるだろう!!



「よく聞け!わしがー!」

「死ねぇぇえええ!!!!」


え?

デジャブ?


祭壇の横から走ってくる少年は、


綺麗な顔立ちだが憎悪に歪み醜くい表情を浮かべ、


手にはナイフを持っていた。


両手でしっかりと持つナイフと、走る姿勢からは怒りからの特攻のような意思が見える。


が……遅い、そして遠すぎる。


ワシからすれはカタツムリと大差ないそれを、


しかし潰さずにナイフの先端をつまんで、受け止める。


「がっ…!」


少年は勢いを御しきれずそのままワシの後ろに転がっていく。


いや~ワシやっぱ凄いな!


咄嗟のことでも人間並みのパワーを維持出来るとは。


ほんの少しでも加減を間違えておったら星の地形変えてたぞ?


「お前が、お前が毒を!シスターに!」


「は?」


「そんなに俺が憎いのなら殺せよ!俺だけを!!」


こいつなにいってんの?


「いや、ワシはかm」

「お止めなさい!!!!」


あ?

ここはワシのセリフ途中で折るしきたりでもあんの?


また祭壇横の扉からでできたのは黒い服で身を包んだ若いシスターだった。


…?このシスター……まさか、


「シスター!!何してんだよ!?」


「それは私のセリフです。誰であろうとこの教会を血で汚すものは赦しませんよ。」


「コイツだ!コイツが!シスターに毒を飲ませたんだ!シスターの目を!奪ったんだそ!?」


「それでもです。悪人にはいずれ罰が下りる。それは我が神の天罰であり人が代行するものでは、ありません。」


「待て、毒とはなんだワシは知らんぞ。」


「コイツ!とぼけやがって!!!」


「ルーク!!貴方は黙ってなさい!!」


「~~っ!」


「それは、本当ですか名もしらぬ方。」


「本当じゃ。ワシさっきこの町にに来たばかりじゃしの。」


星の外からな、


「解りました。信じましょう。此方も色々とありまして混乱してしましました。教会を預かるものとして人を疑い、傷付けようなど、ああ、大変申し訳ありませんでした。」


シスターは深々と頭を下げた。


顔を上げたシスターの眼に光は無く顔にも影が落ちている。

 

これは、あまりショタをなめm、味見する空気ではなさそうだ。


「どうした、言ってみよ、このわしが、…」


そこまで口から出て気付くが、そうか、名前か…


めんどくさいの、ショタペロ・ペロリとかじゃだめか?


だめじゃよな…


威厳、風格、その他諸々…


いや、やはりめんどくさいの。


「…この神がお主の声を聞いてやろう。」

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