Amateur
翌日、俺はいつも通りに、遅刻ギリギリに校門を通過したが、何故か今日は校門で特に何も言われることはなかった。そしていつも通り廊下を歩いても足をひっ蹴られることはなかった。おかしいな...?今日何かあんのかな?
そんなことを考えながら俺はただ一人、廊下を歩いて教室に入った。
「うぃ~す、はよざいま~す。」
返答がない。俺は何かおかしいと思い、目を開ける。するとそこには
「は?何してんのお前ら?何で俺の席拭いてんの?なに、新手のいじめか?」
「いや、違うんですアルフ様、本日、実はAクラスとの再戦がございまして、申し訳ないのですが、保健室に行くのだけは、勘弁して頂けないでしょうか。」
は?何言ってんのこいつら。いやだって痛いの怖いじゃん。しかも脳筋と話してると俺まで脳筋になりそうじゃん。
そう俺は嫌な顔をして、
「え、痛いの怖いし、俺最下位だから保健室行くなってのは無理だわ。てか何で俺なの?ほら、このクラスで一番強いのそこにいるエルスさん...?だっけ?」
「いや、序列1位のローゼン=リライトさんを見事打倒したじゃないですか。...というか本当に保健室だけはぁぁぁ!!!!」
「そうだぜ、Eクラスの希望!!」
「お願いだぁ、アルフがやってくれないと俺たちが死ぬんだぁ!!」
様々な方向から俺に戦えと強要してくる。俺はただ単に楽に過ごしていきたいだけなのに、あ~あ、こんなことになるならあの脳筋女倒さなきゃよかったよ。トホホ...
「ねぇアルフ、皆も言ってるみたいだしさ、お願いできないかな..?」
やめてくれサリナ、俺をそんな目で見るんじゃねぇ!!あぁ、やりたくないのにその表情はやめてくれ!!
「あぁもぉ!!やりゃあいいんだろやりゃあ、だが1回だけだからな!!」
「「「「「「やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」」」」
俺が仕方なく了承すると、クラスの奴らは大声で叫んで喜び始めた。まぁ、サリナが可愛すぎるのがいけないんだがな。
時間は進み、午前授業の始まり。また昨日と同様に敬意がなんちゃら~って言っている。お前らに敬意のけの字もないだろと内心思ったのは内緒だ。
あの序列1位の脳筋女の話が俺は、自分に貸し出された訓練用の剣とサリナの剣ににドーピングを行っていた。
「『program』終了...ふぅ、こんなもんかな」
「ねぇアルフ、私の剣は何を書き換えたの?」
「あぁ、お前の剣には、耐久値の項目を消し去ったほか、物理攻撃は勿論魔術攻撃力を年には念を入れて7ケタ近く増やしたってところかな。まぁ、剣先当たれば相手が粉々に~みたいな?まぁ、相手は何てったってAクラスの人だからギリ生きてると思うぜ。どうだロマンあふれてて最高だろ?」
「私の剣国宝級どころか異端レベルになっちゃってるじゃん!?まぁ、私は一本突撃だからいいんだけど。で?アルフのは?」
「この訓練用の剣には、いわゆる基本ステータスを10倍にする効果をつけてある。いや~、この剣まるごと書き換えるのはちょっと構文に苦労したね。まぁ、俺は基本ファンブルはないし、かといってミドルダメージもないからな。相性抜群だな。お、そろそろ俺模擬戦始まるからさっさと終わらせて保健室に直行するとするよ。じゃあな。」
そう言って俺はサリナの元を離れ、昨日と同様ノロノロとコートへと歩いていった。
「君が、Eクラスのアルフ君だね。まぐれでローゼンに勝てても僕には勝てないよ。何故かって?何故なら僕がこの学園の魔術最強の序列2位、サイラス=カイラス様だからだよ!!はーっはっはっは!!」
「へいへい、そうですか、そりゃすごいですねっと。...で?」
俺はまたもや前回同様のうざい煽りを行った。無論脳筋Aクラスの人間は、この煽りに...
「...っ!!お前、この僕が褒めてやっているのにその態度とは、粛清してくれるっ死ね!!第4階梯クラバニア・フリーズ!!」
「『program』...あのキチガイの魔術を消し去れ」
『delete、項目cilas.cs 10行目から34行目までのclass magicを削除完了』
その瞬間、サイラスの魔法が消え失せた、俺はその隙を逃すことはなく俺は超高速で目の前の奴に接近し、奴の首をはね...
「そこまでだ!!勝者、Eクラスのアルフ!!」
俺の剣があと1ミリのところで首に刺さる瞬間、序列1位の脳筋女が試合終了を促した。けっ、コイツにトドメをさせないのかよ。別に一回死んだって、この世界には蘇生術があるからダイジョブだろうが。
俺は、そんなこととは裏腹に、笑顔、かつ敬語で
「サイラス=カイラスさん、対戦ありがとうございました。それでは。」
と、最後に脳筋女を一瞬睨み、少し怯んだのを確認して、保健室向けて闘技場を出て行った。
闘技場を出て、俺は一言、
「『progr』...」
「待ってくれ!!お願いだ。私が悪いことをしたとはわかっている。だが、彼らにまで手を出すのはやめてくれ...お願いだ...」
薄炉から聞こえる声の主は、予想通り、脳筋女だった。
「何だ、脳き...序列1位のローゼン=リライトサマが俺なんかになんか用でもあるのか?」
そう言って俺は後ろを振り返る。奴は少し肩を震わせた。
「アルフ様が何をお考えになっているのかくらいは予想が付く。Eクラス全員の基礎ステータス強化だろう?そんなことをされてはAクラスの生徒たちが全員死んでしまう...絶対にEクラスに手を出すなとクラスに忠告する。...だから..」
「で?」
「...っ!!」
「それのどこに俺のメリットがあるんだよ。お前らは散々下のモノを見るとすぐさま力で下のモノを傷つけてきた。じゃあその分俺らが数万、数億倍にして返そうが構わないよな?それと、Eクラスはドベのクラスでも、Extraクラスだってことを認識間違えるなよ?あ、そう考えるとAクラスはAmateurクラスってことになるな。まぁ、Eクラス差別が明日までに無くせるんだったらその条件のんでやるんだけどな。だがAクラスは残念ながらそこまで頭の回る人間が1人もいないから無理だろうけどな。」
俺が多少笑い気味で冗談風に言ってやると、奴はとんでもないことを言い出した。
「...う,...必ずそうすると剣に誓おう。」
「ふ~ん、できるんだ?お前らAmateurクラスの人間が?」
「...必ずや。明日まででいいのだな?」
「まぁ、一旦のんでやるとしよう。だが、明日までだからと言って今日にEクラスの誰か一人でも被害に遭ったら...そこから先は自分の頭で考えてくれよな。それと、俺以外に既に書き換えた奴が1人いるからな。お前なら予想はつくだろう?...そいつの剣に1瞬でも触れれば即死判定だから、注意しろよな。もう被害が出てるかもしれないが。じゃあな。」
そう言って脳筋女を残して俺は再び保健室へと歩き始めたのだった。