Fランク能力者
「本当ですか!? Fランクだろうと何ランクだろうと
能力者と認めてくれるなら大丈夫です!」
俺は鑑定士の肩を掴み、ブンブンと前後に揺らし
はしゃぎながら提案に乗った。
鑑定士は本当に良いのか。 後悔するかもしれないと何度も
口を酸っぱくして行っていたが関係ない。
能力者になれれば俺は晴れてギルドを持つ事が出来る。
これ以上に嬉しい事はない。
俺は早速、資格の儀を始めてくれと頼んだ。
そして――
「では、これよりあなたに能力者としての資格を与えます」
俺は魔法陣の中心に立ち、静かにその時を待った。
「セリウス・エルドライト、これよりそなたをこの世界で"唯一"のFランク能力者として認定する。 私の名の元に能力者としての資格を与えたまえ」
鑑定士の詠唱が終わると共に
魔法陣が光り輝き、俺の身体を包みこんだ。
能力者として認められると、体に能力者の紋様が与えられる。
その紋様は力の象徴であり、能力者としてのレベルが上がるとそれに比例して
紋様の見た目が変化していく。 そして能力者の紋様は、その力で身体能力を
飛躍的に上昇させる事が出来るらしい。
資格の儀が始まる前に鑑定士がそう言っていたが――
「……対して何か変わった感じがしないな」
資格の儀を行ったらすぐに能力者としての力が実感できるかと思っていたが
そうでもないらしい。 まあ、しばらくしたらその効果が体に現れてくるだろう。
「資格の儀は無事に終了しました。 あなたもこれで能力者として認められたわけですが、相当な苦労と苦難が待ち受けている事でしょう。 ですがこの道を選んだのはあなた自身。 もし悔やむ事があればそれは私たちでは無く己自信を悔やんで下さい」
失礼な行為を働いたのにも関わらず、
俺に能力者としての資格を与えてくれたんだ。 悔やむどころか、むしろ感謝の方が大きい。
俺は深々と頭を下げ、
鑑定士に感謝の言葉を伝え、この場を後にした。
――不名誉であるFランク能力者として認められたって事は
それはつまり、俺以外はみんな格上って事で俺は底辺の底辺
最弱の能力者って事になる。
俺はまだ能力者の世界を知らない。
だから俺は恥をかかないように、これからはさらに
己を磨き、精進しなければこの世界ではついていけないだろう。
これから辛い日々を送る事になると思うが覚悟していた事だ、問題ない。
それよりも今は、自分の夢に一歩でも近づけた事が嬉しくて嬉しくて仕方がなかった。




