期待を胸に
※この話から序章の最後までは文字数がかなり少ないです※
――あれから5年。
俺はあの日から村で修業を詰んだ。
どんなに辛く苦しいときも、一日も休まず無理ない程度に。
時には体が壊れるくらい辛かった時もあったが俺は、
「強くなる。 そして、強くなってどんな脅威からも人々を守る」
そう自分自身を鼓舞し、
その思いを原動力に辛い修業を乗り越えてきた。
「そろそろ俺も人並みに、
いやそれ以上には戦えるようになった」
俺はそう豪語していた。
事実おれはこの5年で一通りの武器の扱いを心得た。
村一番の剣使いであるアリマーさんも
今の俺にかかればほんの数秒でノックダウンだ。
話によると親父が一番強いと聞いているが、なんせ妙な研究をしている親父しか見たことがないから俺にはとても信じがたい事なのだが。
……まあそんな事もあってか、俺は
自分の強さには多少は自信があった。
これなら行ける。
俺は遂に憧れのギルドを持つ事が出来るんだ。
内からあふれ出るこの感情はなんと表せばいいのだろうか。
俺はこの時ワクワクとドキドキで胸がいっぱいになっていた。
「じゃあみんな、おれは王都に行ってギルドの申請をしてくる。 みんなには本当にお世話になった、今度みんなに会う時には立派な男になった姿を見せてやるからな!」
そう言い残して俺は村を出た。
――そして。
「あなたには能力がありません」
そう言い渡された。