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爆縮と体温の機知(5)

小雨

満月の下に四本足の影

焦げ茶色のごわごわ感

湿気を含んで

小雨の中を

濡れながら歩いた

街灯にちらり

時折鳴る鳥の声に

びくりとする

間延びした前足


こんな日に散歩なんて

誰がやらせているんだろう

ぼやいてしまいそうになった

けれど、目の前には

何だか楽しそうな

しっとり感が歩くから

その気分は

あるけれど無いことにする

付き合いには

無理矢理も必要だから


あそこのコンビニで

温かい飲み物を買って

それを飲みあげたら

帰ってお風呂に入ろう

一緒に

なんて

途切れ、途切れで

思い出してしまったから

あの影を追いかけて

しばらく

歩いてしまった

追い付けるわけ無いのに

踏み出してしまった


特殊な思い出は

やたらと張り付く

まるで、それが

特別で好きだと言うように

蛙の鳴き声に反復されて

信じ込まされているだけだろう

ただの寒さが

隙間の多さを理由に

通り抜けていく

あの頃とは

一枚、着ている物が違うのか


変わらないコンビニで

買った飲み物を

歩きながら飲んでいる

どんな味か分からないから

温度だけを飲んでいる

冷え固まるのは

誰の所為でも無い

居なくなったのは

誰の所為でも無い


違う場所に踏み出しなと

人は言うし

勿論、君も言ってくれた筈だ

分かっているから

足踏みさせて欲しい

こんな気分を言ったら

はっきりしない男ね

そう言って

君は笑うだろう

仕方ない顔をして


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