勇者
勇者視点です。
扉の向こう側には黒髪の少年がいた。少し長い前髪のせいで分かりにくいが目の部分に包帯を巻いているらしい。
「こんにちは、僕は勇者ヒロ。で、後ろにいるのが僕の仲間達だ」
「おいおいヒロ何のんきに自己紹介してんだよ!」
「そうだよ~、何かこの子変だよ。魔力を一切持ってないもん」
パラディンのイサムと魔法使いのユウヒが慌てた様子で武器を構えている。どうやら二人からみるとこの子は少しおかしいらしい。
「いや、でもこんな子供だよ。危険はないんじゃないかな」
「おい、ミカからもヒロに言ってくれ」
「え・・・。どうでもい。」
聖女であるミカはいつもの通りマイペースであった。
「すみません煩わしいので家の前で騒がないくれませんか」
家の奥から呆れた顔をしている白髪の少女が出てきた。少女は黒髪の少年より少し高い身長で王国で見たようなメイド服を着ていた。深く澄んだキレイな青色の目は彼女にとても似合っているはずなのに少し違和感を覚えた。
「あっ、えっと・・・すみません」
「色々聞きたいことがありますが立ち話もなんです、どうぞ中へ。いいですよねマスター?」
「・・・ああ、そうしてくれ」
黒髪の少年は何か考えるそぶりを見せた後、家の中へ戻っていった。
「じゃあ、行こうか!」
「はあ!?どうか考えたってきけんだろ!なんでこんなとこにメイドがいるんだよ!」
「あの女の子も普通じゃなかったしね~」
「えー、でもいい人そうだったじゃん。それに俺たちが揃っていれば大抵はなんとかなるって」
イサムとユウヒは僕の説得は無理だと悟ったのかしぶしぶ家の中に入った。ミカは・・・立ったまま寝ていた。
そこは外から見たよりも広く感じる部屋だった。物と物の距離が普通よりも広く開けられておりところどころに良くわからない印のようなものが置かれていた。
「さて、まず自己紹介から始めましょうか。私はサエと言います。そしてこちらが」
「・・・ユキだ」
「僕はヒロ、これでも勇者をやってます」
「あー、イサムだ」
「ユウヒは~、ユウヒって言うんだよ」
「スピー・・・スピー・・・」
一名寝ている気がするがひとまず軽い自己紹介が終わった。
「それで勇者こんなところに何の用なんだ?ここには何もなかったと思うが」
「ああ、それは・・・」
そうして僕らはここに来ることになった経由を話すことになった。
次は長いのを書きたいです(/ω\)