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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

勇者が魔王に捕まって女の子にされて落ちる話

作者: 紅葉

 正直なところ、油断していたのは否定しない。最初この世界に召喚された時には (異世界召喚キタコレ!) と喜んだりした事もあった。だけどそれはこちらで過ごしていくと世界はそんな甘いものでは無いと嫌でもわからされた。


 いかに特別な力を持っていても、所詮は平和な世界、平和な国で過ごしていた学生に過ぎなかった。剣で斬るどころか振るうのもぎこちなく、命を奪う事が我慢できるようになるのも時間がかかった。


 そんな中城で訓練をしていると俺には魔法の才能もある事がわかり、剣の訓練に加え魔法の訓練もし始めた。怪我も数えきれないくらい作ったし、魔法も覚えるだけじゃなく実用に足りるまで練習しなければいけなかった。訓練の日々はキツかったが、それよりも自分がそういう力を振るえるのが何より嬉しかった。だから剣では近衛隊長などの隊長格を除き勝てるようになったし、魔法も宮廷魔法師から学べることは可能な限り学んだ。そうして強くなった俺はやっと頼りになる仲間達との冒険に出た。



 魔族の領土まで行くのに馬車と食料等を貰い、俺達は城を出発した。最初の街まで馬車で1日かかるらしく、出発が昼頃だったため、野営する予定だった。仲間とは何度か訓練で手合わせをしていたので仲は最初からよかった。


 事件が起きたのはその野営中。


 .....パーティは全滅した。生き残った、というより生かされたのは俺1人で、他の仲間は全員殺された。夜の闇の中火を囲って談笑していた所を襲撃されたのだ。相手は魔王と名乗った。誰も気配を感じなかったのに、仲間がいきなり殺された事と、相手が魔王と名乗ったことで俺達は頭がうまく回らなくなり、あっという間にやられた。そして生かされた俺は気絶させられ....



 ──────────────



  …目を覚ます。また夢を見た。この世界に来てからの事。あの日から一週間も経っていないのにもっと昔のよう思うようになってきた。壁にもたれかかるように寝ていた姿勢から立ち上がり、手首についた鎖が許す範囲で伸びをしながら周りを見回し、景色が変わっていない事を確認し、気分が沈む。




 ー監禁1日目ー


 あの日、気を失った俺が目を覚ましたとき、意識を朦朧とさせながら顔を上げ、視界がはっきりするまで少しぼーっとする。意識がはっきりしてきた時に最初に目に入って来たのはそこはタンスやベッドの家具や窓、それどころか扉もなく、壁や床、天井はコンクリートのようなねずみ色の密室で、壁の上の方にろうそくが灯された密室だった。部屋の広さは現代の一般的なホテルくらいの広さか。家具がない分それより広く感じるかもしれない。


 部屋の様子に唖然としていた俺だが、服を着ている感覚が無いことに気づき自分の体を見てみると。…そこには程よく膨らんだ胸に括れた腰、そして細く長い足。肩から伸びている腕を見ると、壁からはえた鎖に繋がれた手枷を手首につけられた見慣れた自分のものではない細い腕。


「な……!?これは…っ!」


 その体はどう見ても女性だった。驚き、声を上げた時に聞こえた自分の声。それもいつもより高いような… めまぐるしく変わる状況に頭がフリーズした。



 どれくらいそうしていたのか。ずっと尻を床につけてペタッと座っていたせいで尻が痛くなってきたな、なんて事を頭の片隅に思い、何となく立ち上がる。体を伸ばそうとした時に鎖が繋がっている事を思い出す。


「これは...女になってる...のか..?」


 馬鹿らしいとも思う。しかし人間の国では失伝した魔法もあると言っていたからこのような魔法があっても不思議ではない。不思議ではないが、何故俺にそれをかける? 殺すだけならあの場でも出来たはずだ。つまり何かしらの目的があるはずだ。



 ...全力で否定したいが1番ありえそうなのを1つ思いついた。俺だって健全な男子だったんだ。年齢制限がかかっているような作品も読んだことある。その中で女勇者をあの手この手で堕とすという流れの作品があった。 …いや、考えるのは止めておこう。何か動きがあるまで待つべきだな。



 何かできることは無いか色々試していた時 、目の前の床のスペースに淡い光を放ちながら魔法陣が現れ、その上に人影が浮かび上がってくる。その影は段々と輪郭をくっきりさせる。そこに現れた人物は黒髪赤目に肌の色は白よりの肌色、顔のパーツは整っていて、服装は黒い上着に黒いズボン、そこに黒いマントと黒ずくめの男。転移が終わり、魔法陣が消えるとその男は閉じていた瞼を開き、視線を俺に固定して、話しかけてきた。


「目は覚めたようだな、勇者。まずは挨拶でもしておこうか。私は魔王ディスト。もっとも、この名は襲名したものだがな。次はお前の番だ。」


「何のつもりだ。」


「何のつもりと言うと、お前だけを生き残らせている事か? それともその姿の事か?」


「両方だ! お前の目的はなんなんだよ!」


「目的か。この状況だ、余り選択肢も無いだろうに。まぁもったいぶるのもつまらんしな。目的という意味ではお前を手に入れる事だ。」


 手に入れる、か。そうなるとやっぱり...?


「やめてっ!イヤラシイ事するきでしょ!エロ同人みたいに!」


「エロ同人か...久しぶりに聞いたな...」


 は...? 久しぶりだと? それってつまり...


「待てお前っ、久しぶりってどういう事だっ!?」


「ん? どうでもいいだろ。そんな事より本題だ。飯を持ってきてやったんだ。感謝しろ。」


「どうでも良くなんてない! 答えろ、お前は俺が元いた世界を知ってるのか」


 そう問うも魔王は無視して足元に魔法陣を呼び出す。そして魔法陣の上にはぱっと見コンソメスープの様なものが入った器がスプーンと共にトレーに載っていた。出来てから時間もたっていないようで湯気と一緒にこちらにいい匂いも...って違う! こんなんでどうするんだ、俺!


「こんな状況で食事だと..? どういうつもりだ。」


「どうもこうもないだろ。お前を手に入れたいのに餓死させてどうするんだ。あぁ、手枷は外さないぞ? 俺が食べさせてやるから安心して食え。」


「はぁ!? こんなもの誰が食べると思ってるんだ!」


 懐かしい匂いを嗅いでから頭は空腹を主張してきたが、魔王が出した料理というだけじゃなく、あいつが食べさせるときた。そんなの誰が食べるか。


「ん? そうか。本当に食べないんだな?」


「手枷を外してくれれば食べてやってもいいけどな?」


「ふむ。まぁいいだろう。ではまた明日来よう。」


 そう言って足元のスープを転移で消すと自分の足元にも魔法陣を出した。余りに簡単に引き下がったため呆然としていると、魔王が思い出したかのようにこう言い放った。


「あぁ、そうだ。空気のことは安心しろ。ちゃんと換気してあるから一酸化炭素中毒や酸欠にはならない。それと排泄はお前の下にある溝にすればいい。浄化の魔法陣を設置してあるからな。流石の俺もそこまで鬼ではない。ではな、勇者よ。」


「は!? ちょっと待てっ!」


 その言葉は消えた魔王には届かなかった。



 思考を切り替えろ、俺。とりあえず一酸化炭素中毒なんて言葉を使っていたし、少なくともあいつはこの世界以外の知識があると見ていいと思う。赤い瞳だったし転生者か? そういえば去り際に溝が何とかって言ってたよな... そう思い足元を見ると、鎖の端と端の丁度真ん中辺りの、座り込んだら丁度体の真下あたりに来る位置に壁から細長い溝があり、その下に光る魔法陣が見える。


「ほんとにここにしろって...? 正気じゃねえだろ...」


 そうボヤきながらとりあえず座る。座った状態でも腕は肩より下に来ているとはいえ、手が浮いている状態だとイマイチ休めている気がしない。しかし立っていても足が疲れるだけなのでどっちみちだ。



 たまに手を振って鎖を鳴らしたり、意味無く足をバタつかせたりして時間を潰す。


「...腹減ったなぁ。」


 そう思いながら意識は微睡みに消えていった。




 ー監禁二日目ー


 薄暗い部屋で目が覚める。状況は何も変化しておらず思わずため息が漏れた。幸いこの部屋は温度管理もされているのか裸でも寒い感じはしない。


「はぁ...喉乾いたな...」


 どれ位寝ていたのか気になったが、時計も窓もないこの部屋で時間を知ることなど出来るはずもなかった。


「んん...? あ...」


 何か落ち着かず、足を擦り合わせたりしていると原因に思い当たった。尿意だ。昨日寝る前は飲み物を飲んでいないが出るものは出るらしい、等とどうでもいい事を考える。


 する事もして暇を持て余す。ぼーっとしていると目の前に魔法陣が現れ、魔王が現れた。


「よく寝てたか? 勇者。朝食を持ってきてやったぞ。ほれ、水だ。」


 そう言って魔王は昨日と同じコンソメスープみたいな物とコップに入った水の載ったトレーを転移させた。漂ってくるスープの匂いに嫌でも空腹を覚える。


「さっさと座れ、食べさせにくいだろうが。」


 ...言いなりになるのは癪だが喉の乾きと空腹には勝てないか。俺は大人しく座り込む。足を伸ばせと言われ、伸ばしたら魔法で固定され動けなくされた。暴れられると面倒だからな、と言いながらトレーを持ち、こちらに近づいてきた。


「まずは水だ。少しずつな。」


 そう言いながら水の入ったコップを俺の口元に持ってくる。コップの半分くらいを一気に飲むと、残りは少しずつ飲んだ。


 水を飲みきると魔王はコップをトレーに置きスープの入った器とスプーンを持った。


「そこまで熱くは無いはずだ。具材も柔らかくしてある。」


 そして口に入れられるスープの味は前の世界のコンソメスープのままであり、具材も柔らかく、何より美味しかった。空腹だったのもあるが、もう食べられないと思っていた味に勝手に涙が溢れた。その後も魔王は黙々と食べさせてくれた。


 スープを食べ切ると眠気が襲ってきた。魔王はうとうとしている俺の頭を撫でながら「また夜にな」といい、消えた。そして俺も何故か安心したような気持ちになりながら意識を手放した。



 目が覚めた。食事をしたせいか寝心地もよく、さっきの目覚めよりスッキリしている。欠伸を噛み殺しながら寝ぼけまなこで周りを見渡すと、寝る前には無かったものが1つあった。それは時計だ。この世界に来てから知ったが、こちらに時計と言うものはない。日の角度で教会が鐘を鳴らし1日の活動時間を大体ではかっているのだ。


 しかし、正面の壁にかかっている時計。それは前の世界のアナログ時計と呼ばれるもの。しかも数字も元の世界のものだ。 あまりに予想外の出来事でまたしても思考がフリーズする。


 …気を取り直して、まずあの時計は魔王が置いていったものだろう。また目的は不明だ。 そして時計の針は4時20分すぎをさしている。今が午前なのか午後なのかわからないから時間がわかってもしょうがないんだけどな。しかし暇だ。考え事は昨日あらかたやった気がするし。そういえば魔王が出したスープ、うまかったなぁ。そのまま目を閉じて壁にもたれ、寝る前に食べた味を思い出す。そのまま前の世界の事を思い出していた。


 はっ、あのまま寝てたのか。とりあえず伸びで、も…


「うわあっ!?」


 目が覚めた俺は視界に広がった光景に息が止まった。 何故なら魔王の顔が目の前にあったからだ。俺が目が覚めた事を確認したからか離れていく魔王。 それを見送りながら俺はばくばくしている心臓を鎮めようとしていた。


「目は覚めたか? なかなか可愛らしい寝顔だったぞ。」


「ななな、なんのつもりだ!」


「何とはまたご挨拶だな。人が折角飯を持って来てやったと言うのに。」


 そういう魔王の足元にはトレーに載ったシチューが湯気をたてている。魔王の後ろにある時計を確認すると8時前くらいをさしていた。


「…なぁ、どうして魔王がわざわざ飯を運んで来るんだ? 手下にやらせればいいじゃねぇか。」


 魔王は俺の足を固定してこちらに近寄りながら答えた。


「理由か、単にお前の容姿が好ましいというだけではたりないか?」


「なっ…!」


「それにどうせ手に入れるなら自分が手ずからやりたくないか? ほれ、少し熱いかもしれないが手早く食え。」


「けっ、変態が。」


 …料理が美味しいのがどこか悔しい。このシチューもこちらの世界というより、元の世界の味付けに近いせいで気を抜いたら望郷の念に囚われそうになる。


「…魔王、お前。こことは別の世界の記憶があるんじゃない…ハム、モグモグ」


 喋ってる途中につスプーンを突っ込まれてしまった。魔王はスプーンでシチューを混ぜながら少し悲しげな表情を作り、言葉をこぼす。


「…そうだ。俺には前世の記憶と呼べるものがある。お前はそのまま連れてこられたみたいだがな。」


「やっぱりそうなのか…ハム、モグモグ」


 …これは黙って聞いてろってことか? まぁ静かに聞いてますかね。


「お前はどうかは知らんが、俺は先代の魔王から力とこの世界の知識を受け継いでいる。だからこの世界の事は大体わかっているつもりだ。人間が馬鹿で身勝手なこともな。だから転生したときに別人の記憶があっても混乱はしなかったし、記憶と人格の整理もとっくの昔にすんでいる。この国を客観的に見ることもでき、この国を先代の時代よりも発展させてきたつもりだ。」


 俺は黙ってシチューを食べる。口を挟むような空気でもないし、何より状況を理解できるチャンスだ。


「そんなときだ。人間が異世界から勇者を呼び出したという話が耳に入った。人間はそこまで落ちぶれたのかと思ったよ。滅びに抗うのは生物としての本能だ。しかし抗いきれないものも沢山ある。それは定められた運命だからだ。しかし、勇者の召喚は違う。違う世界から来る者達は世界を渡れるように魂と肉体が強化される。そしてその力は滅びの運命をも変える事ができる。定められた道から逸れる行為、その影響は人間だけじゃ収まらない。」


「は...? まて… 魔王。1つ聞かせろ。」


「どうした?」


 心拍数が上がる。心臓の音がうるさい。呼吸も速くなる。答えは聞きたくない。でも、これは聞かないといけない事だ。そう自分に言い聞かせ、口を動かし言葉にする。


「俺はあの国の人に必要とされて召喚された。必要とされたんだ…! けど、お前はそれを間違いだっていうのか…? この世界は俺を必要としていないのか…?」


「当たり前だ。誰が好き好んで災厄になるかもしれない存在を自分たちの世界に導く。まぁ、だからこそ勇者召喚を行なった人間を我々は切り捨てた訳だが。」


「じゃ、じゃあ。俺は何でここに呼ばれたんだ!? 元の世界から無理やり連れてこられて! いきなり人類を救えなんて言われたと思ったら訓練なんか受けさせられて! 必要とされているから! 俺にしか出来ないと言われたから! 耐えて来れたんだ… 俺は何のためにっ!」


 止まらない。今まで我慢していた事が溢れ出る。魔王の前だというのに涙もとまらない。


「…勇者、確かに世界はお前を歓迎してはくれまい。だが、それは決められた道を外れる行為をするかもしれないからだ。」


「………?」


 何が言いたい。と顔を上げ、魔王をみる。そうすると魔王がシチューがまだ少し残っている器を置き、俺を抱きしめて来た。


「つまりだ。世界のシナリオからそれなければいいんだ。お前自身が動き、何かをしなければいい。この世界の住人の手で道を歩かせてやればいいんだ。だが、人間共と一緒ではそう暮らす事は出来ないだろう。だから、落ち着くまでここにいればいい。俺がお前を守ってやる。」


「ウ、ウワアぁぁぁぁぁああん!」


 声をあげて泣く。それ以外、どうすればいいのかわからない。


 だけど、だけど。魔王に抱きしめられていると不思議と荒れ狂う気持ちが少しずつ、少しずつ凪いで行く。


 そして、俺は泣き疲れて意識を落とした。魔王の温もりを肌に感じながら。




 ー監禁5日目ー


 思いっきり泣いた次の日から、魔王が来るのを待つ自分がいた。食事だけじゃない、魔王ディスト個人を。あの日からディストは会話をしてくれるようになった。来るのは午前11時と午後7時半の2回しか無いけれど。


 ディストは話し方や容姿は怖いけど、メシを柔らかくしたり食材の好みを聞いてきたりと細かい気遣いが出来るいいヤツだった。身体も魔法で綺麗にしてくれて...って、違う! 絆されるな、オレ! アイツの目的は俺を手に入れることなんだ。だからそう簡単に落とされてたまるかってんだ!


 静かな部屋で時計の針が動く音だけが存在を主張する。する事が無いせいで時計を何回も見るせいか、時間が流れるのが遅い。


 ...次来るまであと5時間かぁ。




 ー監禁10日目ー


 ここで過ごすことにも大分慣れてきた。ディストに食事の回数を増やせないか聞いてみたら意外とすんなりオーケイがでた。今日からくる時間が午前8時、午後1時、午後8時の3回に増えた。


 最近の会話の内容は主にこの世界の事を聞くことだ。前の世界の料理の味を再現するのにディスト自身が食材を探し回って、料理までしたー、なんて聞いた時は思わず笑ってしまった。魔王は不服そうだったけどやり返せたみたいで何だか嬉しかった。




 ー監禁20日目ー


 起きてる時はディストの事ばかり考える。ディストが楽しそうに話していると何だかオレも嬉しくなり、ディストが辛そうに話しているのを見るとオレも辛くなる。そんな時は思わず水を要求したりして話を逸らす。いい加減手の鎖外すとまでは行かなくても緩めてくれないだろうか。ディストに全部任せてるのが悪いというか、急に食べさせてもらうのが何だか恥ずかしくなって来たと言うか。


 ...最近ディストに見つめられると落ち着かなくなる。


 ...一体何なんだろう。魔王がくる時間が近づくにつれ高鳴るこの鼓動は。




 ー監禁30日目ー


 最近はディスト様が部屋にいない時間は鎖を外して貰えるようになった。ベッドや椅子の家具をくれた他にも、トイレを個室で作ってくれたり、今度お風呂場も作ってくれるらしい!


  この部屋は監視されてるみたいで、ご飯の時間になると自分で後ろ手に手枷で両手首を繋いで、ベッドのふちに座って待つ。することもないので足をプラプラさせて遊ぶ。そういや、ご飯のあとはディスト様と2人ベッドでちょっとした運動もし始めたり...鎖は疲れて眠ったあと、目が覚めると外してくれてます。


 あぁ、魔王様。早く来てください...




 ー監禁???日目ー


 この前ディスト様が珍しく冗談を仰った。なんですっけ、あっそうだ。人間の国に戻りたいか、って仰られたんです。答えなんてわかりきってるのにわざわざ聞いてくるあたり、ほんと魔王様って感じです。そのまま伝えたらベッドでの運動がいつもより激しくなるのもいつもの流れです。


 ディスト様は私の全て。ディスト様がいるから私がいる。そしてここは私とディスト様だけで完結してる世界。まさに理想郷。しかも異世界人である私の寿命は普通の人間よりもかなり長いらしく、元から長命でいらっしゃるディスト様との時間もたっぷりあるそうなんです!


 最近は短かった髪も腰まで伸びてオシャレにも興味が出てきたり...


 それと食材と調味料を貰い、お食事を私が作って、ここで食べるのですが、その時以外にも来て下さることも増え、私はこれ以上ないくらい幸せです。


 あっ、手枷はとっくの昔に外されてますよ。じゃなきゃお料理できませんし。


 あぁ、私を人間共から救ってくれた救世主であるディスト様。


 私は貴方様の事を永遠にお慕いします。




 そういえば私を召喚した国。この前ディスト様が滅ぼしたそうです。どうでもいいですけど。

ここまで見てくださってありがとうございます

初めての小説なので、「ここ読みづらい」や「ここ日本語おかしくない?」等ありましたらどんどんください。勿論普通の感想も下されば嬉しいです


魔王は仲間を殺したのに何で魔王を恨んだりしている描写がないのかだって? それはね、忙しすぎる展開に付いていけずに思考が追いついた時は既に絆され始めているから無意識に思考から外しているんだよ(力量不足の言い訳)

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[一言] 面白かったです
[一言] 日数が経つにつれて、依存度が上がるのと堕ちていくのがよかったです
[良い点] よき……後半女の子化してく中で乱暴な言葉遣いから丁寧な言葉になっていくのが実によき…… [一言] もう少しいちゃいちゃがあっても良かった気が……堕ちる様はめちゃんこ好きです!
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