救国の英雄と地方都市
ゴーン。。。ゴーン。。。ゴーン。。。ゴーン。。。ゴーン。。。
地方都市ケルンでは日の出後太陽が直上に来た時日の入り前にに三回づつ鐘がなる。
稀に時も関係なく五回鳴るときがありそれは領主による都市幹部の緊急召集を意味していた。
この都市は昨年蝗に襲われ未だ傷が癒えて無く王国から食料等の支援を受け失われた生産力を取り戻すため各分野の強化を行いその中でも聖魔の森の資源採取は重要な位置にあった。
領主「資源調査隊が壊滅したと報せがあった」
家来「やはり彼の森は五つ目の月へと昇華した守護神が納められていた地そう易々とはいきますまい」
ギルド長「数も少なく彼の森には上級の獣も出ます故に?」
騎士長「だが守護神の居らぬ土地などその辺の森と変わらぬ!領主!我が聖騎士隊に一言命じて戴ければ守護神ケルンの加護の元に即制圧して見せましょう!」
神官長「守護神ケルンから新たな守護神が誕生したと御告げがあった そして人の守護神と森の守護神は相容れぬ為に干渉すれば戦争となると」
領主「しかしだ彼の地から取れる木材に獣は必要な物だ指をくわえて放置しとくのも惜しかろう」
守護神「守護神同士の話し合いを依頼されては?」騎士長「ぬるい!温すぎるぞ!」
領主「話し合いするにも居場所が判らぬ」神官長「ケルン様なら容易く見つけるかと?」
家来「だが森の守護神に何を見返りに?」
領主「誕生したばかりなら見返りなど要らぬであろう森の一部を差し出させれば良い」
家来「一部でございますか?」
領主「あぁ一部だ。。。この都市が潤い繁栄する程度の資源と領域をな?」
家来「そっそれでは戦争に」
領主「ははっ戦争良いではないか?このまま守護神を放置して年月が経過し力をつけたらどうする?手出しできんぞ?それにな倒した獣は食料や道具に武器にもなる兵が死ねば。。。」
家来「まさか食料問題をこんなやり方で」
騎士長「流石は救国の英雄!領主万歳!」「「英雄万歳」」「獣なぞ何するものぞ!」
商会長「輸送から商品加工販売まで全てお任せあれ」
その場に居た者達が全てを理解し領主を讃えるが
家来「馬鹿な」神官長「どうにかどうにか話し合いで」
勢いで事態が進む中リスクを理解している冷静な者は少なく反対の声も出せずに居た。
そして慌ただしく準備は進み。
聖魔の森迄の道程に現れる獣や魔物から商隊を護衛する戦力を都市から仕事の無い者達を募り
森の中にいる上中級の獣討伐隊として都市最高戦力のケルン聖騎士隊が編成され援護とし上級冒険者が召集された。
話し合いは何処へ消えた?
神官長「領主様どうか調査隊に同行出来るよう許可を戴きたいのですが?」
領主「ならぬ神官長はこの都市からは出さぬ」
神官長「話し合いをケルンは話し合いを望んでおられます」
領主「私は都市の繁栄を望んでいる守護神も同じだ人が繁栄し続ければ良いのだ」
神官長「」
聖魔の森に守護神が誕生して間もなくの事であった。