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迷子  作者: 匠さん
10/14

虐殺

静寂を破るように現れた若木を担いだ少女が挨拶をしてきた。

冒険者達は息を飲むこの森は未踏の地のはず。

何故人がいる?まさか移民でも居たのか?いや逃亡者か何かか?

しかし少女だどう見てもただの町娘か村娘だが着ている服は見たことも無いようなでも質は良さそうだ。


五隊の内少女に一番近い隊が指にて指示を乞うよう中心の隊へ合図する。

王国でも高位に位置する冒険者達がこの近距離迄気付かなかった低位の獣しか居なかったから油断していた?確かに無駄話はしていたが警戒は怠らなかった。


匠さん「おーい無視っすか?シカトっすか?」守護神「はぁ何で話し掛けるかなそのまま隠れてれば良かったのに」


若木が喋った?まさか意思のある木か?嫌何か魔法でも使っているのか?

中心組リーダー格の冒険者が魔法使いを見ると魔法使いは魔法の気配は無い合図を送る。


匠さん「ねえ?」リーダー「なっ!?」


一瞬だった

魔法使いの合図を確認する為一秒も視線を外していない。

そんな一瞬で60メートルは離れた場所から自分の中心組にいる自分の目の前に立ち話し掛けてくる。

他の組も何が起きたのかも判らず中心組へ体を向ける。


匠さん「無視しないでよ」リーダー「なっなんだ?」


匠さん「挨拶をされたら挨拶を返す常識ですよ」守護神「あんたが常識語るなよ」


リーダー「おっお前は何者だ?しかも何故木が喋る?」


匠さん「何者って匠さんです」守護神「おい自分でさん付けたよ妾はこの森の守護神様じゃ頭が高いぞ人間共」


リーダー「守護神だと!?この森の守護神は月になった筈だろ他の守護神達が発表したはずだ!」


守護神「ふむ人間癖に平伏せんとはなめておるのか?しかも文句を言うとは匠のせいで妾は気が長くなったらしい」


リーダー「ぐっ我はハンザ王国王都の守護神様の加護を受ける身貴様なぞに礼を尽くす義理はない」


匠さん「うっはやっぱ守護神偉くないんじゃん」リーダー「死にたくなければ森深くで隠れてるんだなもう少しすれば後続から何百もの精鋭部隊が来るそうなれば如何に守護神で有ろうと太刀打ち出来まい」


守護神「優しく警告すれば調子にのりおって」


「「「」」」


緊張の中冒険者達はごくりと口内に溜まった唾液を飲み込む


匠さん「きれちゃった?」「「「(空気読もうよ)」」」


リーダー「貴様も死にたくなければその棒切れを担いで逃げれば命は助か  ぐちゃっ」守護神「ちょっと!!汚れぇぇぇぇぇぇわぁぁぁぁぁぁ」


一瞬だった間近で見てる者達でも何が起きたのか判らずリーダーの頭が消え頭のあった場所には木の棒があった。

頭は何処に?良く見ると胸が大きくなってプレートを停めていた紐が千切れて落下し胸に人の顔が浮かび上がっていた。

胸から上の無いリーダーが正面に倒れ始めた瞬間に再度打撃音なのか?バチンッ!!と張りつめたロープが切れるような音が周囲に響きリーダーが倒れると一テンポ遅れて周りに居た冒険者が上半身と下半身が別々に倒れる。

一人立ち尽くす少女の足元には仲間達の赤黒い血だまりができ棒には臓物が引っ掛かり血を滴らせていた。


匠さん「貴様って言うな」守護神「ちょっ汚っ!穢っ!洗って!すぐ洗って」


冒険者「なっ!?おい!敵襲!」「魔法は!」「木が燃えちゃう」「構うな!やれ!」


冒険者達は漸く意識を現実へ引き戻し各々で指示を出し会う。

ただ1つ接近戦は駄目だと皆が認識し魔法や弓矢で戦おうと集中し始める。

くちゃぐちゃっべちゃっバチンッバキンッ

人が肉が潰れ筋が切れ骨が鳴る音が森に響く必死に冒険者達は少女を視認しようとするも中心地に居たはずの少女が一瞬で他の組へ移動したと思ったら五人の冒険者が上半身と下半身をバラバラにされ落ちていく。

一番遠い所に居た組のリーダーが叫ぶ「散会!散会!ちれっ!!」

五人が別々に走り出す。

背後からは悲鳴はなく何かが潰れる音が聞こえて来る。


聞こえ無くなるまで必死に逃げる五人の共通認識だった。



。。。。。。



冒険者1「ハァハァ全力で逃げれば一時間位で出れるはず皆死ぬなよ」


バクンッ!!だっ!たったったった。。。


「うむ不味い久々の人間かと思い食ってみればやはり不味いの」

必死に逃げて居た冒険者の上空から一気に滑空したら大きな嘴で上半身を啄む逃げていた冒険者の下半身は何が起きたのかも判らず10メートルぼど走った後に躓き転倒し動かなくなる。

ライオンの身体に羽が生え鷲の上半身に蛇の尻尾。

人の世界では神話にしか出てこない生き物だった。


。。。。。。



冒険者2「やべぇやべぇよ出口は出口まだかあぁ何で何でグッ!?うぉっ!?」


必死に走っていたところ足に何かが巻き付き中に浮かぶ


「なっなんなんだよ!?これ!!ちきしょうクソッ外れねえ」


徐々に数が増え身体中に巻き付き締め上げ始め肉に食い込み骨が軋み始める。

バクンッグチャグチャ「あがぁぁぁぁ腕が腕がぁぁぁぁ」拘束されていた腕の肘に激痛が走る頭を動かせないので上空を見上げたまま苦痛にもがき苦しむ。

「嫌だいやい。。。。。。」

グチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャズシンズシンズシン

無数の鞭のような長い枝をくねらせながら器用に巨大な根で移動する巨木の化け物が森の奥へと帰っていった。

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