背中合わせの体温
雪、すごいね。
うん。
きれいだね。
うん。
まっしろで。ゆっくりで。まるで、時間のながれまで、ゆっくりになっているみたい。しんしんって、音まできこえてきそう。
でもぼくは、凍えそうだよ。
背中はあたたかいでしょ。
そうだけど。
こうしていると、わたしはこころまであったかく感じるの。なんでかな。
なんでかな。ぼくもそうなんだ。寒いのに、こころは満たされてる。
このままでも、いいかな。ここで死んじゃっても、悔いはないや。
だめだよ。ぼくはまだ、きみにちゃんと気持ちを伝えてない。
伝わってるよ。背中の体温から。
やっとわかったよ。だからこんなにも、あったかいんだ。
でも、ぼくの口から、伝えたい。
君を想ってた、この気持ちを。
ねぇ、聞いてる?
寝ちゃったの?
ねぇ。