未来の歩き方
未来の歩き方について、私はそろそろ考えなければいけない時期に来ている。高校二年生の十一月。周りは大体進路を固めて、迫りくる高校三年生という時期に向けた準備をしている。そんな中で、私は未だに高校卒業後の進路を考えていない。進学か就職か、それすらもまだだ。
正直なところ、高校に入学してから二年が経とうとしている今でも、私には『私は高校生である』という自覚がない。それは高校に入ってから始まった話ではない。それのもう一年前、中学三年生の時からそうだった。面接指導を受け、高校受験をした記憶はあるけれど、『自分は中学三年生で、受験生だ』なんて自覚を持っていた記憶はない。
つまり、私の精神は中学二年生で止まっている、といっても過言ではない状況なのだ。自分の年齢がまだ十四だと思うことすらある。実はもう自分は十七歳だと聴かされる度に驚いてしまう程だ。
「――そんな私が、今後を考えるなんてことできるわけがないのでした」
私しかいない駅のホームで、私は白い息を吐いた。なんとなく辺りを見回すと、数分前の、自分が乗ろうとしていた電車が目の前を通過していく悲しい光景が蘇る。ああ、どうして私は乗り遅れてしまったのだろう。なんて後悔しても電車は戻ってこない。次の電車は三十分後だ。
恐らく、というか絶対、建物の中に入れば暖かいだろう。しかしそんなことをしてしまえば、私が電車に乗り遅れたという恥ずかしい事実が他の誰かに知れてしまうだろう。それはごめんだった。見栄は張りたい。例え寒さに震えようとも。
「それじゃあ、次の電車が来るまでの間、自分について考えてみよう」
独り言は癖だ。誰かと会話するよりも、一人で喋っているほうが好きだ。声を出すのは嫌いではない。そのため、母によく五月蠅いと言われる。だから、寒ささえなければこの状況はとても私に都合のいいものなのだ。なんて、ただの言い訳に過ぎないが。とりあえず、ここで私が長々と独り言を言い続ける理由ができればそれでいいのだ。
「得意科目は数学。英語と日本史の成績は絶望的。授業は真面目に受けていて、居眠りをすることはほとんどない。それが、学校での私な訳だけど」
ちなみに現代文の成績は微妙だ。中学の頃から国語が苦手だった。すくなくとも、私が文系ではないということは確かなようだ。
「だからって理数系に進むのってどうなんだろうね?」
立ち止っていると寒いので、歩きながら得意科目を生かした進路を考えてみる。歩きながら喋っていると、息苦しさはあるが体が温まっていくような気がした。これは思わぬ効果だ。独り言も悪いところばかりではない。独り言でこれといった被害があった覚えはないけれど。
「例えば」行儀悪く、私はベンチの上に立つ。視点が高くなって、なんだか見える世界が広くなったような気がした。
「例えば、理数系でぱっと思い浮かぶのは研究者だけれど、残念ながら私は探求心が無い。探求心が無いのに研究者なんてできるとは思えないね」
突き止めたいと思わないのに研究とは笑える話だ。私はベンチの端に置かれていた缶を思い切り蹴り飛ばす。大丈夫、線路には飛び出ない。ただ、まだ中身があったらしく液体が宙を舞った。コーヒーがアスファルトを濡らす。なんて言ってもただ汚いだけだけれど。
「じゃあ、システムエンジニアなんてどうか」言いながら、私はベンチから飛び降りる。「それも無理。まず私はシステムエンジニアについてよく知らない。何をやる仕事なのかもよくわからない。プログラマーとは違うのかな」
私が蹴り飛ばした缶のところまで歩いてそれを拾う。ゴミ拾いが出来る私は偉い子。
「次。じゃあ、医療系の仕事はどうか――なんて考えるまでもなく、私は福祉とか興味ないから真っ平。人の世話をする前に自分の世話をしないとね」
拾った缶の中にはまだ液体が入っている感触がしたため、ひっくり返して液体を捨てた。誰が置いて行ったものなのかわからないが、放置してあるのだ。捨てられても文句は言えないだろう。私は液体が跳ねるのを危惧してホームの下、つまり線路の方に液体を零す。黄色い線の外側に出てしまったけれど、電車が来ているわけではないからいいだろう。怒られることはない。
「そもそも、私には将来の現実的な目標がない。だから、いくら現実的な職業を考えたところでピンとくるわけがない」空になった缶を持って私は再び歩き出す。「それじゃあ、いきなり仕事を考えるなんてレベルの高いことはしないで、漠然としたレベルの夢を考えてみよう」ゴミ箱に向けて缶を投げたが、枠に当たってゴミ箱の外側に落ちてしまった。残念。
今度は落ちた缶に向かって歩きながら、自分の夢について考えてみる。
「……このまま、ずっと子供だったらいいのに」
真っ先に思い浮かんだ夢、というか願望を口にしてみたが、これは完全な現実逃避だった。夢ですらない。もう少し実現可能な願望を持ってほしいところだ。こんな願望が叶うのだったら、今頃「『未来の歩き方』について四百字詰めの原稿用紙一枚以上で書きなさいなさい」と指示文がついていそうな課題みたいなことは考えていない。国語は苦手なのだ。作文は特に。
「夢……夢……」
再び拾った缶を見ながら自分の夢について考える。なんだかこれも作文の課題みたいで嫌だ。頭が痛くなってきそうだ。
「埒が明かない、ので」丁寧に缶をゴミ箱に入れてくるりと体を半回転させる。「自分のやりたいことについて考えてみようか。もっと、願望に近いものを」
ゴミ箱から離れてまたホームをうろつく。誰かが今の私を見ていたら、きっと変な人だと思われるだろう。指をさして笑われないことを祈るばかりだ。多分、まだホームに降りてくる人はいないだろうけれど。
夢、ではなくやりたいこと(願望)、と考えると次から次へと思い浮かぶ。それは頭の中では整理できないほどの洪水となって口からあふれる。
「一日中寝ていたい」
ニートか。
「一日中ゲームをしていたい」
ニートか。
「リア充になってみたい」
なってみたいだけ。
「漫画の新刊がほしい」
ちょっと待とうよ。
「中学生に戻りたい」
精神的には問題なし。
「パソコンがほしい」
親に相談だ。
「ゲームの主人公になりたい」
現実を見ろ。
「アニメのキャラクターになりたい」
現実を見ろ。
「空を自由に飛びたい」
無理。
「……自由だなあ、私」
口から出たものを心の中の冷静な自分が片っ端から叩いていく。これぞ一人漫才。突っ込みはセルフサービスだ。
まあ、『とりあえず世界的な人間になりたい』とか、『自分を知りたい』とか、中学二年生の頃に考えていた発想をしていなかっただけよかったとしよう。時間は止まっても成長はしている。現実逃避が酷いけれど。
「……困ったな、未来の歩き方なんて全然分かりそうにない」
「そもそも君は真面目に考えていないと思うけどね」
「えっ?」
私の独り言に反応する声があった。その声は私の背中の方から聴こえてきたから、私は後ろを振り向く。私の後ろには、私が立って缶を蹴ったベンチがあって、そこに柔和な笑みを浮かべた男の人が座っていた。両手でホットコーヒーの缶を握っている。私が蹴り飛ばして最終的にゴミ箱に捨てたものと同じコーヒーだ。
「『未来の歩き方』だっけ? 何か作文の課題でもあるのかな?」と、柔和な笑みを浮かべたまま男の人は訊く。「――作文の課題だったら、原稿用紙を向かい合う方がいいよね。こんな寒いホームでウロウロしてなんかいないでさ」
はて、この人は私の知り合いだろうかと、暗記科目が苦手な脳をフル回転させてみる。目の前の男の人に該当する人物は私の記憶の中にはなかった。こんな綺麗な顔の男の人、一度見たらなかなか忘れないとは思うのだけれど。仮にも私は女子高校生なのだし。
私がイケメンに弱い女子高校生であるということを信じるとすると、この人と私は初対面ということになる。でも、初対面でこんなフレンドリーに、独り言に反応する人なんているだろうか。というか、この人はいつからそこにいたのだろうか。ホームに降りる階段は一つしかない。古いその階段は、余程慎重に歩かない限り音が響く。今のように静かな状況であれば特に。流石に周りの物音に気付かないほど私の独り言は大きくない。むしろ、独り言を聞かれないようにと階段の音には注意していたくらいだ。
「……あれ? 無視?」
「あ、いえ、そういうわけではないのでありましてですね」悲しそうな顔をされたので慌てて言葉を返したら変な日本語になった。普段ほとんど使わないために敬語がよくわからない。これでは来る面接試験が絶望的だ。今からでも練習をしておこうか。
そこで会話は途切れた。というか私が黙った。私はそれから先の、男の人に向けるべき言葉が分からない。何と言ったらいいのだろうか。会話をどう続けたらいいのだろうか。あまり他人と好んで会話をする正確でないことが裏目に出てしまった。
仕方がないので、男の人をじっくり観察してみることにする。人間関係の第一歩は相手をよく知ることから。ということで。
男の人にしては長い、ウェーブのかかった黒髪に、髪に負けず劣らず黒いタートルネックのセーター。そしてグレーのパンツ。肌は透き通るように白い。世の女性が羨むほどだ。顔は整っている。俗にいうイケメンという種類だ。格好いいというよりは綺麗という表現が似合う。服装と髪や肌の色のせいでこの人だけ彩度が無くなってしまった様に見える。
「……うん、見た目だけじゃよくわからないな」
「なんのことかな?」
「何でもないのでですよ」
人を見た目で判断してはいけないとよく言うことだし。ただ、この人は見ただけで明らかに普通の人とは違うと判断できる。何と言えばいいのか分からないけれど。形は明らかに普通の人(イケメンだが)と同じなのだが、そう、オーラが違うのだ。オーラなんてよくわからないのだけれど。
「敬語、慣れていないみたいだね。普通に話してもらって構わないよ。かく言う僕も敬語が苦手でね」
「それじゃお構いなく」
イケメンと聞くと、どうしても近寄りがたいような気がしていたのだけれど、この人はそうではないような気がした。ほんの一言二言かわしただけなのに、もう親しみをもって話せるような気がする。気がするだけで本当にそうなのかは分からないが。
「それで」と男の人は私に問いかける。「君はどうして『未来の歩き方』なんて考えていたのかな? それも駅のホームで」
そういえば何故だろう。数分前の自分の思考を思い出してみる。するとすぐに答えは出た。すなわち「電車が来るまでの暇つぶし」我ながら、わかりやすい答えだ。
「どうして寒いのにホームにいるのかな?」
「それはあなたも」
「僕は女の子を見つけたからだよ」
「そりゃあ分かりやすい」
「ずっと向う側にいたんだけどね」
右手をホットコーヒーから離して向う側を指さす。上り方面も下り方面もほぼ同時刻に電車が来る駅のため、向う側のホームにも人ひとり見当たらない。最初にホームを見渡したはずだったのだけれど、見落としたのだろうか。
「君が電車に乗りそこなったところから見ていたんだけどね」
「最初からかよ!」
恥ずかしいところを見られたものだ。この恥ずかしさを回避するために、私は寒さに耐えてホームに居たというのに。
ふふふ、と笑ってから、男の人は思い出したように自分の隣に置いていたコーンスープの缶を私に差し出した。
「どうぞ」
「どうも」
素直に受け取る。缶はまだ温かかった。というか、熱かった。右手、左手、右手と転がして持ち替える。寒さで冷え切った手には酷だ。
「まだ中身が入ってるコーヒーを蹴り飛ばすところもしっかり見ていたよ。ナイスキック」
「あ、ありがとう」
「でもゴミ箱には入れられなかったね。バスケよりもサッカーをすることを勧めるよ」
「それは余計なお世話」
気が付いたら私は笑っていた。初対面の名前も知らない男の人のはずなのに、十年来の友人のような気がしてならない。記憶にないだけで、私はこの人と面識があったのだろうか。でも、これだけ親しく話せる人を忘れてしまうなんて薄情だ。薄情者にはなりたくない。
「さて、暇つぶしなんて分かりやすい答えを貰ったところだけれど、それでも、もう一度問うよ。どうして君は『未来の歩き方』について考えているのかな?」
そのコーンスープに免じて答えてくれと言わんばかりの態度で男の人は言った。正直に答えなければ、どこまでも問い詰められてしまいそうだ。黒い瞳がじっと私を見つめている。どうせ言わなければならないのなら、素直に先に言ってしまった方がいいだろう。
「高校二年生なのに、未だに進路が定まっていないから。未来とかよくわからないし、なんだか先が見えなくて」
どうして自分がいつまで経っても中学二年生の気分でいるのか考えたことがある。それは一度に限らなかったが、行き着く答えは一緒だった。私は『自由』というものをどう扱ったらいいのか分からないのだ。
中学生までは義務教育で、住んでいる地域で学区が分かれている。相当なことが無ければ受験なんてなくて、自分で行先を選択することが無い。ある意味自由がない状態だ。自由が無くて、とても楽な状態。それは私にとって心地がよすぎたのだろう。だから、中学三年生の『受験』という突然の、しかし必然の、与えられた『自由』に私は戸惑ってしまった。もう、誰も私の人生にレールを敷いてくれない。これからは、自分でレールを敷かなければならない。その現実を、私は多分受け入れなかった。だから、自覚がなかったのだ。
レールを敷けないまま二年。当然ながらこれから先も見据えることが出来ないわけで。私は今、まさに中学生にありがちな「自分のことが分かりません」という状況なのだ。本当に、中学二年生から止まってしまっている。
――と、まあ、これが今『未来の歩き方』について考えていた詳細に当たる部分なのだけれど、これを男の人に語るつもりは更々なかった。流石に十年来の友人のように思える相手でもこれを言うのは恥ずかしい。いや、むしろ、十年来の友人のように思えるからこそ言うのが恥ずかしいのだ。
「なるほど、ねえ」詳細部分を知らないまま、男の人は何かを考えるように呟いた。こんなに納得していなさそうな「なるほど」は初めて聞いた。
「甘ったれてるねえ」
次に男の人から飛び出た言葉は、意外にも厳しいものだった。柔和な笑みを浮かべたまま言うものだから、一切厳しさなんて感じなかったのだけれど。
「つまり君は、問題集を解かなければいけないのに模範解答が無い。でも、どうしても答えをまる写ししたい。だから一から十まで教えてくれって言っている状態なんだ。自分の課題なのに自分で解かない。なんのための課題かわからないね。別に、問題集は先生の評価を貰うためのものじゃないだろう? 問題集は自分に力をつけるためのものだ。君は、それをサボってしまっているんだよ。だから、甘ったれている」
「…………なるほど」
とてもよく分かりやすい解説だった。そして私は課題に出された問題集は答えをまる写しして提出するタイプの人間だ。まさかそこまで言い当てられるとは思わなかった。別に、男の人は例に出しただけで私のことを言ったわけではないと思うのだけれど。
「どこかで模範解答を教えてもらえるとおもっているから、君はそうやって真面目に考えることが出来ていないんだ。違うかい?」
悔しいけれど、大正解だった。
自分の人生を決める選択を、確かに私は真面目に考えていない。高校を選択するときと同じように、きっと高校の先生が私の成績にあった道を教えてくれる。私はただ流れに身を任せていればいいんだ。そう思っていた。だから私は「真面目に考えなきゃな」とは思っても、「何も決まっていない、どうしよう」と慌てることは無い。中学二年生で時間が止まったまま、「一生子供でいられたらいいのに」なんて言ってしまう。
「じゃあ、私はどうしたらいいですか……なんて訊けないなあ」
「聡明な子は嫌いじゃないよ」
「イケメンにそう言われると嬉しいな」
「せっかく真面目に考えてくれそうだったのに茶化されてしまったな」
ははは、と男の人は笑った。柔和な笑みは、今までの会話で一貫して崩れなかった。そういう意志の強さになんとなく格好よさを感じた。
「……まあ、そうだな。歩き方なんて考えないで、飛んでしまったらいいんじゃないかな」
「飛ぶ?」
「そう、飛ぶんだ。どうせ見えないのなら、もっと思い切ってしまえばいいじゃないか」
飛びたいんだろう? と男の人は悪戯っぽく言った。何故か私は顔が熱くなった。
「それじゃあ、僕は向う側に戻るよ。そろそろ電車が来るだろうし」時計を一度も見ずに言って、男の人は腰を上げた。「じゃあね」と軽く手を振ってくる。「じゃ、じゃあ……ね?」と、私もぎこちなく手を振って応えた。こうやって手を振るのは何年振りだろうか。
そんな私を見て満足そうにすると、男の人は階段を昇って行った。結局持っていたホットコーヒーは一度も開けようとしなかった。私も、貰ったコーンスープを開けようとしなかった。気づけばコーンスープはとっくに冷めてしまっていた。
ふと気になって時計を見ると、男の人の言う通り電車が来るまで残り十分を切っていた。ちらほらと、階段を下りてくる人がいる。向う側のホームに目をやると、こちら側と同じように電車を待つ人が少しずつ増えていた。
でも、さっき階段を上がっていったはずの男の人は一向に向う側のホームに現れなかった。
そのうち、上り線も下り線も電車が来てしまい、こちら側から向う側のホームは見えなくなってしまった。男の人は気になったけれど、また電車に乗らないわけにもいかないので、大人しく来た電車に乗って、私は家に帰った。
「ただいま」
と言っても答える人はいない。私がカギをあけたのだから当然だ。まだ誰も帰ってきていない。
電気をつけて、制服を脱いで部屋着に着替える。自分の部屋に行こうとすると、普段は気にも留めない和室の仏壇が目に留まった。
「……え? マジで?」
仏壇に飾られている写真に私の視線は釘づけになった。その写真に写っているのは、一人の男の人。
男の人にしては長い、ウェーブのかかった黒髪に、髪に負けず劣らず黒いタートルネックのセーター。そしてグレーのパンツ。肌は透き通るように白い。世の女性が羨むほどだ。顔は整っている。俗にいうイケメンという種類だ。格好いいというよりは綺麗という表現が似合う。服装と髪や肌の色のせいでこの人だけ彩度が無くなってしまった様に見える。
電車が来るまでの間、私と私の『未来の歩き方』について話した、あの男の人だった。
「なんとまあ……ベタな展開を……」
思わず笑ってしまう。『アニメのキャラクターになりたい』という願望が叶ってしまったようだ。まさかそんなところが叶うなんて。しかも、こんなところで。
「この人は、誰だったかな」
お祖父ちゃんだったか曽お祖父ちゃんだったか。それとも私が小さい頃他界した(らしい)お父さんだったか。普段和室に近付かないせいで、写真の男の人がいったい誰なのか分からない。誰かの若いころだとは思うのだけれど。もう少し老けていたらよかったものを。
「……とりあえず、飛ぶとしますか」
とりあえず、私のお父さんだかお祖父ちゃんだか曾お祖父ちゃんだかわからないけれど、その辺なのは確かなのだ。見守られていて、もしかしたら期待されているのかもしれない。貴重なアドバイスをいただけたのだ。生かさない手はないだろう。
そう考えたら、少しだけ自分が成長できたような気がした。