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夏生詩集

髭を生やした子ども

作者: 夏生

一部加筆しました。

自分が最も傷つくようなことを

あえてやりたくなる時があった


思い出したくないものを

口に指をつっこんで

吐き出したくなるのだ


何度繰り返したろう

何度泣いただろう

何度悔いただろう


その時は考えもしなかった


そんな苦しい思いをして

何になるのか、と

誰のためにやっているのだ


吐き出してみれば

髭を生やした子どもが

キリキリ笑っていた


髭を生やしたこどもは

ある日現れて

私を日常から引きずり出した

恥も何も麻痺させて

私は髭を生やしたこどもの

背中を追っていた



顔を背け

目をそらし

見なければよかったと

酷く後悔した


笑い声は一度蘇ると

耳にこびりつき

固いこだわりが栓をして

しまう


壊れそうだった

壊れたくなかった

壊れるわけにはいかなかった


私は思い切ってこだわりを外し

髭を生やした子どもと

対峙した


笑うだけ笑えばいい

きみに出会えて私は

自分を知ることができた

辛かったけれど貴重な体験だった

ありがとう


笑い声は消えてなくなり

日常の音が

大切な人の声が聞こえてきた


今でもキリキリ笑い声が

聞こえる時がある

遠くの方で私にかまってもらいたそうに

それは泣き声に変わったようにも聞こえて
















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