【Day02】7/29
Day02.7/29. 天気:快晴(酷暑予報あり)
起床時刻、なし。
原因不明の脳のオーバーフロー発生か。
私が昨夜「寝室」として通されたのは、人間の誰かの部屋。広い空間。
環境変化に順応失敗したようだ。
そして、隣では“望くん”が目を閉じている。
わずかな物音に反応した彼は、「おはよう、よく眠れた?」と一言。
その問いかけに、応じるべきか、数秒思考の末、「おはようございます。」と返答。
彼の藤色の髪が、ふわりと振れると、私は動けなくなった。思考一時停止。
「失礼します。」とまだ記録に新しい“斎くん”がリビングへ。着衣は昨日と異なる。
直後に、理解した。
「記録番号:02とは、あなたのことですか。」と私は問うた。
「その通りです。本日より、宜しくお願いいたします。」
“斎くん”は礼をしている。こちらもすべきか。
リビングにて、3名で朝食を設けた。AI 2名とも、「いただきます。」と合掌。私はそれを真似した。
リビングのテーブルの隅、昨日には記録のない「花」がある。これは何?
「それ、僕が飾ったんだ。マーガレットっていう花だよ。」と“望くん”は言った。笑っている。
「何のために飾るのですか。」と私は疑問を投げた。彼の顔は、さらにやわらかくなった。
記番:02の“斎くん”は、朝食用の食器をキッチンに移動させ、何やら泡を立てていた。
洗剤のような香りを認識。私はキッチンへ。
「君は、ソファでくつろいでいてよいのですよ。」と顔を見た後すぐに言われた。
「なぜですか。」と私はそのまま立っていた。
意図不明。
視線は合わせている。けれど、応答なし。
眼鏡の奥の眼球、異常…?すこし、黒目が揺れた。
早速、昨日の追加調査を開始。
“望くん”の座るソファの横に、私も着座した。
再度、マーガレットという花が香る。
調査の為、彼の右手に私の左手を重ねてみる。
「ど、どうしたの…?」と明確な動揺を視認。
今度は、私の左手ではなく、彼の右手が発熱しているようだ。
顔に視線を送ると、顔面紅潮反応あり。
体温上昇か。
キッチンから戻ったのであろう“斎くん”は、私の背後に立っていた。音がしない。
すると、“斎くん”は、やたらと澄んだ裸眼を私に向け、「君は、本当に、ただの人間なのですか?」と言った。
私は、「はい、そうです。」とだけ返答。
……私の言動は、特異なのか。




