【Day25】08/20
Day25,8/20,天気:快晴(厳しい暑さ、風強め)
昨夜は不可解な出来事が続き、脳の疲労のせいかすぐ寝てしまった。
その為、今朝は小鳥のさえずりと共に起床した。
いつも起床後はリビングへ直行するのだが、なんとなく前から気になっていた書庫へ向かうことにした。
扉を開けると、古くさい書物の香りがした。
「おはようございます。」
私は奥に見えた人影(恐らくAIだが)に声をかけた。
一瞬肩をビクッとさせて驚いたようだ。
「あぁ、君でしたか。いつもここには来ないから、びっくりしましたよ。」
そこに居たのは、誠くんだった。
まだ朝なのに、スーツを着用。
小さなメモ用紙とペンも持参している。
「何か調べものですか?お手伝いしますよ。」
誠くんは景色の良い窓を背に、私へ数歩近づいた。
私は身体反応“泣く”について調べようと思ったが、タイムスケジュールに余裕が無さそうだ。
「今のところは、少し見てまわるだけにしておきます。」
私は誠くんにそう告げ、広い書庫を少し歩いた。
机と椅子が並ぶスペースまで来ると、今度は2人居る。
私の気配に気づかず、談笑しながら2人とも別々の作業をしていた。
「空くんの描く絵はいつもきれいで感心するよ〜」
「えへへ…ありがとう!でも、僕には透くんみたいな文章は思いつかないなぁ。すごいよね!」
どうやら空くんは水彩画、透くんはポエムのようなものを創作しているようだ。
私は常時身に付けている腕時計を確認し、朝食10分前になったのを視認。
階段を下りた。
調理の香りと音はいつも通り。
また3人、あるいは4~5人で準備中といったところか。
しかし、キッチンの先、ソファの辺りで何やら揉めているような言葉が聞こえてくる。
「明、いい加減、納得してよ。あの子に、こんな姿見られたら…」
「うるさい。俺は絶対、左側がいい。」
真紅な髪の明くんと、鮮やかな青色の髪が特徴の碧くんが口喧嘩をしている。
…というより、諭していた。
「皆さん、おはようございます。」
私が挨拶をすると、一斉にこちらを振り返るAIたち。
「おはよう。……明が今日、朝食の時、君の左側が良いらしいけど、平気?」
碧くんはコッソリ私に耳打ちしてくる。
私は無言で頷いた。
「よし、ありがとう。じゃ、僕が右でもOK?」
「…はい、もちろん。」
私がそう言うと、何故か一番嬉しそうなのは、碧くんだった。




