47.決着
今回は物語の区切りの都合で少し短めです
「『岩石生成』、スキル付与『発火』、『突風』、『天雷』」
ゼスが遥か上空に出したのは、俺がこの天光山の頂上を吹き飛ばした隕石。それを『突風』で加速させ、雷を周囲に撒き散らしながら落ちてくる。
「速すぎる!」
隕石は遥か上空から一瞬で俺の眼前にまで迫ってきた。その大質量に圧倒されて俺は目を見開き、一瞬頭の中が真っ白になった。
「……斬れ斬れ斬れ斬れ!」
俺は後ろに倒れかかった上体を起こし、
「スキル付与『金属錬成』」
剣を銅で包んでから振り抜いた。
スパアァァァアァン!
隕石は真っ二つに割れ、俺の左右に落ちると轟音を上げて爆ぜた。
「岩石生成」
俺は左右に岩の壁を作って隕石の炎や飛んでくる瓦礫を防ぐと、『炎翼』で羽ばたいた。
『腐食』と『毒生成』を付与した攻撃を当てれば俺の勝ち。そして相手の攻撃手段は俺より遥かに多い。対応できない技が来る前に仕掛ける!
「『氷槍』、『連弾』、スキル付与『腐食』、『毒生成』、『金属錬成』、『隠密』」
俺は無数の見えない氷柱を生成し、その全てと略奪剣に『腐食』と『毒生成』、そして光の盾を無効化するアイルドンを付与し、加速した。
「『腐食』に『毒生成』……なるほどのぉ」
ゼスに狙いがバレるのは想定内。この策に対応策なんてないだろう! バレてもバレなくても成功率は変わらない!
俺は見えない氷柱をゼスに向かって放った。
「学習しないやつじゃな。見えなかろうと関係あるまい。『炎壁』」
ゼスは周囲を炎の壁で囲い、先ほどと同じように氷柱を瞬時に溶かして防ぐつもりだ。
「『風刃』、『連弾』」
「む?!」
俺は風の刃でゼスが出現させた炎の壁を切り裂く。そして開いた炎の壁の隙間から、無数の見えない氷柱がゼスを狙う。
「舐めるでないわ! 『大発火』」
焦りが滲んだ声を上げたゼスは炎を纏い『氷槍』を防いだ。だが、その間に俺は『発火』で炎耐性を付けて炎に飛び込んだ。そうしてゼスを剣の間合いの内側に捉えた。
「断空」
焦ったゼスが、俺との間に連続発動できない絶対防御のスキル『断空』を使った。俺は後ろに回り込み、『断空』を無意味化した。
これでもう、俺の斬撃を防げるとしたらゼスの杖術のみ。だが、俺が近接戦闘で遅れをとることなどあり得ない!
ヒュカカァァァン……。
二度打ち合い、そしてゼスの杖が宙を舞う。
「終わりだ、ゼス!」
ヒュンッ……スパッ!
俺は『腐食』と『毒生成』が付いた略奪剣で、ゼスの胸から腹までを斬った。
「ぐはっ……」
口から血を吐き、地面に落下するゼス。俺もゼスを追って地面に降り立った。
「ルーカスよくぞゼスを打ち倒した!」
「ルーカス様! やはり貴方様こそ、わたくしの主です!」
すると、右からネルとドライアドが歩いてくる。
「まさか本当に神に──しかも六属性のスキルを操る者に勝ってしまうとは……すごいな君は」
左からは左脇腹を押さえて、最初に出した巨大な岩壁に寄りかかったクーダマリーが姿を見せた。俺はドライアドがクーダマリーの治療に走るのを見てから、ゼスに視線を戻した。
「ルーカスよ。其奴も痛めつけた後に地獄で裁くのか?」
「いいや。今回は少し変える……俺の気が済むまで痛めつけるのは変わらないがな」
そう言って俺は、ゼスに向かって口元を歪めてみせた。
この話を読んでいただきありがとうございます!
「面白かった!」
「続きが気になる!」
と思っていただけたら、
ブックマーク登録や、
↓の「☆☆☆☆☆」をタップして、応援していただけるとうれしいです!
星はいくつでも構いません。評価をいただけるだけで作者は幸せです。




