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【完結】かつて世界を救った勇者は地獄に追放された〜俺は俺を世界から追放した神々への復讐を決意する〜  作者: 早野冬哉
第一章

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11.ラクシュの試練

「キミ、あのグリーシスを倒したんでしょ〜。とっても強いんだねぇ」


 だったら、と人差し指を立てるラクシュは、森を指差した。


「ボクじゃキミと正面から戦っても勝てないからさっ……ボクが考えたゲームに挑んでみてよ。もしクリアできたらスキルスクロールでもなんでもあげるよ」


 神々と戦うには番人たちのスキルは必須。ここは従うしかないよな……。


「わかった。その勝負、受けてたとう」


 ため息混じりに承諾するとその瞬間、ラクシュの無邪気な笑顔が豹変した。


「受けたね。……ただし君が負けたら、地獄の罰を受けてる人たちと同じように、永遠に僕のおもちゃになってもらうよ」


 いっそ清々しいほどに、顔一面に邪悪な笑みを浮かべるラクシュを見て、俺はまたため息をついた。


「じゃあ早速ルールを説明するねっ!」


 すぐに無邪気な笑顔に戻ったラクシュからの説明を要約すると、


・三日以内に森を抜けて、ラクシュのいる巨木の頂上に辿り着けばルーカスの勝ち


・木の上を飛んで森を越えるのと、森を丸ごと焼き払うのはダメ


・ドライアドの『樹木同調』というスキルがないと、巨木の中に入れない


 と言うことらしい。


「つまり俺は、三日以内にドライアドを見つけ、正規の方法でおまえの元に辿り着けばいいと言うことだな?」


「そうそう、そうだよっ。キミは話が早いねっ。……じゃあボクは巨木の上で待ってるから、頑張ってねぇ〜」


 そう言うとラクシュは遠くに薄らと見える、地獄の空の頂まで届きそうなほど巨大な木の上へ向かって飛んでいった。


「すまぬなルーカス。ラクシュのやつは昔からこうなのだ……それにあやつ、ルーカスに勝たせる気がな……」


「イフリートが謝ることじゃない。それに俺は神々に復讐すると決意したその時から、なんだってやるつもりでここまで進んできたんだ。いまさらこの程度で音を上げるわけないだろう」


 そう言って俺は、イフリートを残して森へ入った。


***


 スパンッ!


「スキル『(つた)操作』を略奪」


 俺は最大限小さくした『火球』を明かりに、森の奥へと進んでいた。


「ギィィ……」


 花の蕾のようなものが突然、目の前に垂れてきた。そこから僅かに漏れる紫色の粉末……それを見て、俺は笑った。


「絶対毒だろ! そのスキルは絶対に欲しい。『氷鎧』」


 俺は『氷鎧』を蕾に付与し、毒を凍らせてから略奪剣で突き刺した。


「上位スキル『毒生成』を略奪」


 『毒生成』──それは毒だけでなく、回復薬や畑の肥料、栄養剤までも生成することができる万能スキル。かつての魔王討伐において、俺が最もお世話になったスキルだ。


 ちなみにこのスキルだけは、前回も自力で習得した。


「あれは……湖か?」


 ドライアドは精霊──日光の次に水辺を好む。この湖の周囲にいる可能性は決して低くはないはずだ。俺は湖のすぐそばで止まると、木の陰から周囲を見回した。


「いない……か。ハズレだったな」


 そう思って先へ進もうとしたその時、


 ザッッバアァァン!


 湖の水がドーム状に迫り上がり、巨大なタコ型魔獣が姿を現した。


 メキメキメキッ……。


 太いタコの足が、周囲の木を片っ端からへし折り、湖に引き摺り込む。そしてその捕食者の目と視線が合ってしまった。


「何か使えるスキルを持っててくれよ!」


 略奪剣を鞘から抜くと、俺は地面を蹴り……。


「あっ……」


 ボコオォォォン。


 湖のそばの地面は脆く、俺はそのまま湖に落ちた。そこに迫り来る八本の触手。それを見て、俺は水中で諦めたように目を閉じ……、


「発火」


 次の瞬間、俺の体から燃え上がった超高温の青炎が、湖の水全てを一瞬にして蒸発させた。


 そしてタコはというと……なんだかすごく美味しそうな色に焼けました。


「火を入れて殺菌してるし……いけるよな?」


 そう言って俺は、タコ足を略奪剣で落として齧り付く。


「んん、……うまいな!」


 ちなみに、このタコはなんのスキルも所持していなかった。


***


「しかし、本当にどこまで行っても同じ景色だな」


 暗い森を彷徨い続けて丸一日が経った。だが、いまだ発見できたのはあの蒸発させた湖だけ……。


 幸い、食料は大量に確保できたため腹が空く心配は無いが、ここには安心して眠れる場所がない。成果がないことと眠気から、精神的にも身体的にも疲労が溜まっていく。


「……んか、誰かいる気がするよ……」


「……も、そこから先は危険……」


 幻聴か? いや、まださすがにそこまでは疲れていない。


 俺は微かに聞こえる話し声を頼りに、背の高い草をかき分けて進む。すると突然、日差しが俺の目を眩ませた。


「これは……ピクシーの隠れ里なのか?」


 光に目が慣れるとそこには、手のひらサイズの精霊たちが飛び交う、小人サイズの家々が木に吊るされた村があった。そして俺は、村の中心にある一際大きい木から目線を離せなくなる。


「あの木の中から……強い精霊の気配がするような……」

「面白かった!」

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