Given
眺める窓から不意に
あなたが見えた
疲れた顔して
予定通りの時間に
今日も来てくれる
本当に真面目な人
扉の音が黙殺を破るよう
暗幕が垂れ下がった私の部屋へ
あなたは不釣り合いなほどの笑顔で
さっきまでの
あなたの疲れ切った顔はどこへやら
隈ができた目が優しく温かい
眠るその時までずっと
側で拙い子守唄を歌う
たくさんの何かで膨れた鞄を横にどけてでも
あなたは私を優先してくれる
私はなんて応えればいい
掛けようとした言葉は重い
ただ想い重ねたありがとうを
言いたいだけなの
飛び交う塵が
まるで靄をかける
あなたに明日から
来なくてもいいんだよと告げる
わがままであなたを繋げるぐらいなら
私はどんなものも諦めるから
振りをした
八つ当たりをした
もうどうでもいい
あなたが来ようが来まいが
意味はない、と
それで治るはずもない、と
眺める窓からまた
不意に
あなたが見えた
疲れた顔して
予定通りの時間に
どうしてが溢れた
頬が冷たい
あなたっていう人は本当に……
暗幕が垂れ下がった私の部屋へ
あなたは不釣り合いなほどの笑顔で
さっきまでの
あなたの疲れ切った顔はどこへやら
どんなどんな
言葉も表情も
足りない
知らない
足りない
足らない
補えない