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詩全集2

Given

作者: 那須茄子

眺める窓から不意に

あなたが見えた

疲れた顔して

予定通りの時間に

今日も来てくれる


本当に真面目な人


扉の音が黙殺を破るよう

 

暗幕が垂れ下がった私の部屋へ 

あなたは不釣り合いなほどの笑顔で

さっきまでの

あなたの疲れ切った顔はどこへやら

 

隈ができた目が優しく温かい


眠るその時までずっと

側で拙い子守唄を歌う

たくさんの何かで膨れた鞄を横にどけてでも 

あなたは私を優先してくれる  


私はなんて応えればいい

掛けようとした言葉は重い

ただ想い重ねたありがとうを

言いたいだけなの


飛び交う塵が

まるで靄をかける 


あなたに明日から

来なくてもいいんだよと告げる

わがままであなたを繋げるぐらいなら 

私はどんなものも諦めるから


振りをした

八つ当たりをした

もうどうでもいい

あなたが来ようが来まいが

意味はない、と

それで治るはずもない、と




眺める窓からまた

不意に

あなたが見えた

疲れた顔して

予定通りの時間に



どうしてが溢れた 

頬が冷たい


あなたっていう人は本当に……



暗幕が垂れ下がった私の部屋へ 

あなたは不釣り合いなほどの笑顔で

さっきまでの

あなたの疲れ切った顔はどこへやら

 


どんなどんな

言葉も表情も

足りない

知らない

足りない

足らない


補えない


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せつないねぇ  語り手も  “あなた”も  せつないなぁ
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