第二話 コニーとジュキ
街中でひそひそと二人の警官が話しているな....
「おい、こいつって、...」
「間違いない。クフリシ国の輩だ...」
気づかれちゃったか....
「警察ですが、少しお話よろしいか?」
「・・・・」
「ちょっと?あんた聞いてる?」
ダメだ、言い逃れできそうにないな。腕を折って逃げよう。
「・・・・」ボキッ
「な、なにをし・・・・・・・・・・・・・・・」
今日はちゃんと発動したみたいだ。
「はあ、クフリシ人は肩身が狭くて困るなあ。私が時の戦士を殺したばっかりに....」
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私はクフリシ国出身のスアード・コニー。最近セラフィマの『時の能力者』を殺して食って『時を遅くする能力』を手に入れた女。時を遅くするには体のどこかを骨折させればいける。時が遅くなるときの速度はだいたい普通の時の3分の1ぐらい。逃走や攻撃するときに使える最強の能力。
結構便利で、自分の耳を6度なでると時の速さを一定に戻せるし連続で使わないかぎり回数制限もたぶんない。
「よし、とりあえず町から離れた荒野まで来たし時の速さ戻そう!」ササササササ
(戻った、かな?)
なんとか時間が戻ったようだ。たまに戻らないときがあるからこわい。
「はあ、今日もクフリシ人見つけられなかったなあ。目的が果たせないと困るんだけどなあ」
「今、クフリシといいましたかの?」
「ん?わああっ!だ、誰?」
きづいたら私のとなりには年老いた男が立っていた。
「いえいえ、私は旅をしているものです。あなた今クフリシといったじゃろう?わしの故郷なもんでねえ、あなたもクフリシ人ですかな?」
「あ、ええと、そうです...よ?」
まずい。時の能力は連続して使えない。だからいま逃げる事ができない....
「今さっき時の戦士殿とお会いしてお話をきかせていただいていたのじゃよ。あなたは時の戦士をしっておりますか?」
「と、時の戦士?(そいつ、わたしが殺した奴なのでは????)」
「い、生きているんですか?」
「おお、生きておる。まだまだ元気じゃよ。若いしのお」
そ、そんな。わたしは確かに時の戦士とやらを殺して食べたはずじゃ...?
でもわたしが会った、時の戦士は40歳ぐらいで、そんなに若くはなかったはず...
「まさか会いたいのかい?ひきかえせばまだおるかもしれん。せっかくだし会ってみるとええ。夜が明けてしまう前に。」
本当に『時の戦士』がいるのだったらそいつも殺して食ってしまえば他の時の能力が得られるかもしれない。そしたら私、いや私たちの目的を果たすことだってできるかもしれない。
「・・・・わか、、、りました、、、行きます」