第一話 時の勇者
「時の勇者」
この国ではおなじみの「時の勇者」は限られたものしかなれない。
条件は3つ。
1、強い
2、資産が3000万G以上
3、国家資格を3つ以上所有
この国セラフィマには「時の勇者」は2人いるそうだ。
「死ねこの泥棒!」バキッ
「や、やめて...」
「ハハハ、もっとやれ、もう殺しちまおうぜ?」
「や、やめ...」
「黙れ!」バキッ
「痛っっ!」
やばい、このままだと本当に殺される、
「もう、やめて、僕なにもしてないじゃないか...」
「は?なにもしてないだァ?お前の親がうちに借金したのが始まりだろ?返さなかったんだからお前の責任だっ!」
「そうだそうだ!。お前のせいだ!」
「でも、もう父さんも母さんも...」
「死ねっ死ねっ」ドガッ
「う、ぐっ」
なんで、なんで僕が、父さん達が悪いんだ。お酒と賭け事に夢中になって、借金を残して逃げて。
本当になにもしてないのに、、
「もういい、金を返さないなら裁判を起こす。いやなら臓器でも売ってでも金を返せ!」ペッ
「そうだそうだ」
このまま負けるなんてイ...イヤだ.....
でももう意識が.....ダ....メ....だ.....
「おい、ジュキ?ジュキ?起きろ、おい朝だぞ.....起きろよ.....なあ......」
「ん、んん。はっ、あれ?な..んで?」
今意識がとんだはずなのになぜ?それより、誰かが今僕の名前を呼んだような、ジュキって。
「とりあえず家に帰って殴られた傷を.....あれ?」
僕の体にあったはずの傷がなくなっている。
「な、なんで傷が?」
確かに傷も痛みななくなっていた。
「おい、テメエこんなところに居やがったか。借金を返さないといけないんじゃねえのか?ああ?」
まずい、借金とりがまた来た。と、とにかくタイミングよく逃げよう。
「なあに、金がねえなら施設で一生働いてもらうことだってぇできるわけだそしたら.....」
(今だ!)ザッタタッ
「あっ、おいどこに逃げる気だ!まて!」
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「ハア、ハア、ハア、に、逃げ切ったみたいだ。」
一体何が起こってるんだ?傷がなくなったり、借金取りが来たり。
「まるで、時が戻ったみたいだ。」
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「という事があってね、、今に至るわけですよ、、」
「じゃ、じゃあ時の戦士殿は『時の能力』の発動条件はしらんのですな?」
「まあ、そういうこと。」
「なんと、、、そうじゃったか、、、」
「まあ、しょうがないさ。世なんか大体こんなかんじでわからんことだらけだし」
俺は星空の下、荒野で焚火をくみながら年老いた旅人と話していた。
気の毒に。いちいちクフリシ国から俺の元まで来てくれたのになあ。
「で、ですが時の勇者になれる3つの条件がありましょう?あれはなんのためにあるのです?」
「ああ、あれは正しいよ。結局能力者食っちゃえば能力手に入るらしいし。だからこの国限定でその条件満たしたら時の戦士食わせてやるよって話だよ。」
「そ、そうなのですか?」
「そうだよ。実際さ、時遅くする戦士がいたんだけどあんたの国の人に殺されて食われたし。」
「も、申し訳ございません。愚かな奴もおるものです...」
「いいよいいよ、俺あいつと面識なかったし。弱かったし」
「そうですか....」
「.....そろそろ俺もう行くわ。じゃあなクフリシの旅人さんっ。」
「あ、はい。また会いましょうぞ.....どこかで....」