最終章 愛の誓い
最終章となります。
今までで、一番長い作品となりました。
2人の恋の結末です。
ーー優斗さんとの結婚を決めて以来、穏やかで幸せな日々があっという間に過ぎていった。
私には贅沢なぐらいの幸せを毎日優斗さんが与えてくれる。
夢にみた愛する人との生活。
そして無事に私は名字が変わり、久世桜となった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
…結婚式当日…
「桜、とっても綺麗よ」
「ありがとう、お母さん」
今日は待ちに待った私の結婚式。
私の希望で派手な式じゃなく、招待者も親族や友人らだけのシンプルな結婚式となった。
控え室で待機する私の姿は純白のウェディングドレスに身を纏い、光輝いていた。
余りの美しさに母は胸を打たれたかの様に泣き崩れていた。
「お母さん、泣かないでよ?今日は娘の晴れ舞台よ」
「……うん、そうよね。だけど、ずっと父親のせいで辛い目に合わせてきたから。本当に最低の母親だった事が今になって身に染みて感じてるの」
「過去の事はもう良いじゃない?私はもう何とも思ってないよ」
「……ありがとう、桜」
暫くして母と入れ替わる様にタキシード姿の優斗さんが控え室へと様子を見にやってきた。
顔を合わせるなりお互いの頬が赤く染まっていた…。
「…桜、凄く綺麗だよ」
「ありがとう、優斗さんも格好良いよ」
そっと私の頬を優しく撫でる優斗さんの手に私も手を添える。
特に言葉を交わす訳でもなくただ、喜びに満ち溢れた表情で微笑んでいた…。
今度は優斗さんと入れ替わる様に千夏さんが私の控え室に姿を見せにやって来てくれた。
そう、私は千夏さんにも結婚式の招待状を送っていたのだ。
「桜さん、凄く綺麗!」
「ありがとう、千夏さん」
「今日はお招きありがとう。呼ばれるとは思わなかったわ」
「何でですか?折角お知り合いになれたんだもん。これから千夏さんと仲良くしていきたいんです」
「桜さん……。うん、ありがとう」
私は千夏さんと友情の抱擁を交わした…。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
そして……
いよいよ、運命の時を迎えていた。
扉の前で私と優斗さんは腕を組みながらその時を待っていた。
そして、BGMと共に運命の扉が開くと、眩しい程のスポットライトが私達に向けられる。
そして入場する私達に沢山の拍手が降り注がれた…。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「新郎、優斗さん、貴方は新婦である桜さんを一生愛し続ける事を誓いますか?」
「はい」
「新婦、桜さん、貴方は新婦である優斗さんを一生愛し続ける事を誓いますか?」
「はい」
「では、誓いのキスを…」
優斗さんはベールを丁寧にめくり上げると、私達は誓いのキスを交わした…。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
お互いの両親への花束贈呈と感謝の手紙を読み終えて、式も終盤を迎えた頃……
「次は僕から桜へサプライズがあります!」
「えっ?何?」
優斗さんはマイク片手に壇上へと上がった。
「今日は皆様、お集まり頂きありがとうございます。僕はこの日の為に妻である桜への思いを込めた歌を作詞作曲していました。そしてその曲が完成したので今日この場で披露したいと思います。皆様、そして桜、聞いて下さい」
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♪~君と出会った日の事を僕は覚えている~♪
♪~そんな僕に光を当てた君を僕は好きになる~♪
♪~どんな過去だろうと一緒なら乗り越えられる~♪
♪~僕は今、君に伝えたい事が沢山あるんだ~♪
♪~一生、君と一緒に居ると決めたんだ~♪
♪~これから先もずっと僕の傍に居て欲しい~♪
♪~だって、僕が生涯愛するのは君だけだから~♪
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
化粧で見違える程、美しく綺麗な私の顔が涙のせいで見る見る内に化粧崩れの酷い顔になっていた。
最後まで歌い終えた優斗さんはゆっくりと私の方へ歩み寄る…。
そして手を差し出す。
「…桜、僕と一緒になってくれてありがとう」
「…私こそ、一緒になってくれてありがとう」
「全く、目がパンダになってるな」
「もう!誰かさんが泣かすからでしょ!」
私は優斗さんの手を取った瞬間、お互いの薬指がキラリと光る。
そして、感動の拍手が私達を祝福していた…。
どん底で金欠、生活も儘ならない生活な上に暴力父親。
人生を諦めていた私に希望を与えてくれたまるで王子様。
これこそ運命の出会い。
人生が逆転した瞬間だった。
今まで辛い思いをしてきたけどもう、大丈夫。
これからは夫婦2人の絆と愛を更に強めて行くだろう。
幸せなラストを迎える事が出来ました。
読んで下さった読者の皆様、ありがとうございました。




