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第14章 恋愛事情



この日私は優斗さんの親戚、道子さんとその娘、紗奈ちゃんに出合う。

しかも、紗奈ちゃんを今日1日預かるという大胆な提案をした自分に驚きを隠せないが…。



ーーさてと、この家には私と道子さんの娘、紗奈ちゃんの2人きり。何を話したら良いだろう? 


取り敢えず、私は昼食にと冷蔵庫にあった食材で炒飯を作ってあげた。

紗奈ちゃんは美味しいのかスープンの勢いが止まらない。

そして、あっという間にお皿の上の炒飯を平らげていた。


さぁ、食事も終わったし何を話したら?

高校生ぐらいの女の子が好む話題ってやっぱり恋愛かな?


と、私は紗奈ちゃんにこんな質問を振ってみた。



「……そう言えば、紗奈ちゃんってボーイフレンドとかいるの?」


彼氏とは敢えて言わず、ここはやっぱし男友達っていう言葉が妥当だろう。

だけど、紗奈ちゃんは堂々とした口振りで私に言った。



「…あっ、うん。彼氏、いてるよ」

「えっ?彼氏いてるんだ」


今時の高校生の女の子って私達の頃より大人っぽくて綺麗な子が多い。

しかも、紗奈ちゃんは私が見る限り高校生とは思えないぐらいの容姿と口調だ…。



「……だけどね、彼氏が少し頼りないんだ」

「…えっ?」

「…だからお母さんにも反対された。でも私は別れたくないの!それで言い合いになって…」


ーーふーん、なるほど。話が見えてきた。

親に交際を反対されて反抗中って事かな。

高校生でも真剣な交際してるんだな……と、逆に私は紗奈ちゃんが羨ましくなった…。

だって、私の家庭はお金のせいで壊れたも同然。

母親とも亀裂が入ってしまったから直ぐに修復するのは不可能に近かった…。

でも紗奈ちゃんの場合は何も心配する事はなさそうだ。



「……あの、桜さん?」

「あっ、うん?」

「桜さんって良い人だね。私、好きになっちゃった」

「えっ?」

「…何となく、優斗お兄ちゃんが好きになったの理解出来たよ」

「そう?私なんてただの家政婦で綺麗で可愛くもないよ?」

「それって、自分では気付いてないパターンかもね?」


紗奈ちゃんは笑って答える。


ーー自分では気付いてないかぁ…。

だけど、自分の顔を鏡で見る度いつも溜め息ばかり…。

何で、私は不細工なんだろうってね…。



「ねぇ、桜さん?聞いて良い?」

「うん?何かな?」

「桜さんは、優斗お兄ちゃんのどこが好きなの?」

「えっ?どこって……」


いざ、聞かれると言葉が出てこない。

ただ、優斗さんが好きって気持ちだけで突っ走ってた気がする。

ふーん、どこだろう?

格好良いだけじゃ答えにならないし…。

だけど、ここは素直に答えた…。


「…分からない。けど気付いたら好きになってた。それじゃ答えにならないかな?」


紗奈ちゃんは首を振った。


「ううん、大丈夫。良いと思う、そういうの」

「本当?ありがとう」


そして、恋愛話に花が咲いたのか、意外にも話が盛り上がり爆笑したりもして私達は楽しい時間を過ごした。


気が付けば、外はすっかりと夕焼け色に染まっていた。



「えっ?もうこんな時間?時間経つの早かったね」

「うん。桜さんとの話、楽しかったよ」

「本当?良かった」

「ねぇ、また遊びに来て良い?」

「うん、いつでもどうぞ」

「わーい!ありがとう!」


喜ぶ紗奈ちゃんの声はとても弾んでいた。




ガチャ!



ーーー?!


勢い良く開いた扉の音に私達は同時に驚いていた。



「…あっ、何だ。居てたのか」

「…あっ、優斗さん、お帰り。急に慌てて入ってくるからびっくりした」

「びっくりしたって……玄関から呼んでるので誰も出てこないから心配になって」

「あっ、ごめんね。紗奈ちゃんと話し込んでた」

「えっ?何で紗奈が?」

「優斗お兄ちゃん、お邪魔してます!」

「…紗奈、何で家に居てるんだ?お母さんは?」

「今、お母さんと喧嘩中。だから今日1日だけでも泊めて貰うの。桜さんの提案で」

「桜の?」


優斗さんが私の方へ視線を向ける。


「…あっ、実はそうなの。だから今日だけ泊めてあげて」

「それは良いけど。所で紗奈、喧嘩の原因は何なんだ?」

「あっ、お母さんが私と彼氏との付き合いを反対してて、つい言い合いしちゃって。確かに彼は少し頼りないけど優しくて思いやりのある人なの。だから認めて貰うまで諦めない!」

「はぁー、そんな理由かよ」


呆れ返った優斗さんの顔は私には少し可愛く映っていた。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



さて、紗奈ちゃんにはどこで寝て貰おう?


取り敢えず今日1日だけ、私が今使わせて貰ってる部屋で紗奈ちゃんには寝て貰うとして私はどうしよう?

紗奈ちゃんにはベッドを使って貰って、私は床に布団敷いて一緒に寝たら良いかな?とその時は思ってた。


優斗さんから予想外の言葉を聞くまでは……。



私はお風呂上がり、何気に優斗さんの部屋の前で立っていた。


その時だった。背後から急に優斗さんに抱き締められたのは…。



「ーー優斗さん?!」

「部屋の前で何してるの?」

「何って…彼氏の部屋に来たら駄目なの?」

「いや、そんな事ないけど。桜、今どういう状況か分かってる?」

「えっ?どういう状況って……」



ーー?!


これって、まさか……そういう事?


いや、私はそんなつもりは…?!


やばい、緊張で手汗が出る…。

心臓もバクバクだし、気を落ち着かせないと…。



「…桜」

「…あっ、はい」

「そろそろ、部屋に入らない?」

「えっ?!」

「……嫌?」

「そんな、嫌な訳ないよ」


優斗さんは私の手を取り、一緒に部屋へと入る。


いよいよなんだ。

私は覚悟を決めたのだった…。







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