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川下り

こたつ舟とクリスマス

作者: 山本大介

 12月からこたつ舟はじまっています。


 早朝、白い息が景色に吸い込まれる。

 澄んだ空に、朝の冷え冷えとした川。


 12月から、こたつ舟がはじまっている。

 炭を燃やすドラム缶を出すと、その中に周りを囲むように、木炭を配置し、真ん中に消し炭を入れる。

 中に誘い火をするべく、まんべんなく灯油をかけ、火をつける。

 勢いよく燃えあがった火は身長より高くなり、燃え盛る。

 

 その間、部屋から火鉢を出し、ドラム缶の周りに並べる。

 火の当番ではない船頭は、こたつ舟の準備をする。


 係留した舟が冬の装いを待っている。

 舟板に絨毯を敷き、船の真ん中に折り畳みの長テーブルを二台離れておく。

 その間につなぎと呼ばれる板を置いて、隙間をなくす。

 こたつ布団を三枚、綺麗に広げテーブルの上に敷く、隙間がないか確認をする。

 天板と呼ばれる板を二枚、布団の上にかぶせる。

 片方の布団をめくりあげる。

 これは、後で火鉢を入れる為だ。

 十数隻の舟を船頭数人で協力して作っていく。

 朝から結構な重労働だ。


 木炭に芯から中に火が通ると、穴から真っ赤な炎がのぞきだす。

 次第に白くなる木炭。

 互いが重なり、炎を呼びより燃え上がる。


 しっかり、木炭に火が入ったら、二、三本、火鉢の中に入れて様子を見る。

 燃えているのを確認したら蓋をする。

 木箱に入った火鉢を抱え、テーブル舟に入れる。

 今日は寒いので、火鉢は3個入れることになった。

 めくった布団を元に戻す。


 こたつ舟の完成だ。




 今日はクリスマス。

 と、言っても川下りは、何も特別な事はない。

 白髭もつけないし、サンタの帽子も被らないし、サンタの服も着ない。

 そういや他社はやっている所もあったっけ。



 私の番が来た。

 家族連れの四人と二人の若いカップルと老夫婦の八人のお客様。

 いつもと変わることない川下りの出発。

 ふと、頭によぎる。

 そっか、今日はクリスマスだと。

 この辺りは年に一、二度くらいしか雪が降らない。

 まぁ、雪でも降ったら「ホワイトクリスマスですね」って言えるんだろうが・・・。


 一時もすると、そんなことも忘れ、操船やガイドに集中する。

 終盤手前の「まちぼうけの像」辺りで、「まちぼうけ」(北原白秋作詞。山田耕筰作曲)の歌をうたったら、こどもたちの喜ぶ姿みえた。


 ふと、また思い出した。

 

 あっ、クリスマスだと。

 私は息を吸い込んだ。

 うたうは「赤鼻のトナカイ」だ。


「♪真っ赤なお鼻の~♬」


 そう、今日はクリスマス。



 季節感をだしてみました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 今日ニュースでちょうどこたつ舟のお話しをしていたのを思い出しました。 おぉ~そういうのがあるんだ。乗ってみたいなぁ…と。 こたつ舟で川下り…憧れます! ありがとうございました!
2020/12/08 21:36 退会済み
管理
[一言] へぇ〜、こたつ舟ですと。 こたつに入ったまま川下りができるなんて、風流ですね。 すぐクリスマスですねー。早いものです。今年はどんな感じになるんでしょうねー。
[良い点] 拝読して、 山本さんのコタツ舟にのって見たくなりました! その時はぜひご一緒に! (´▽`) (´▽`)< えんや~こ~ら~ いい俳句ができそうな気がします!
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