スキル確認Ⅱ
「……はあ、他のを確認していくか」
「そうだねー………」
やっと落ち着いて、スキル、称号の確認を再開した。それにしても、何故こんな称号がついてるんだ?迷惑極まりないんだが。ぶつくさと文句を言いつつ、スキルを書き写していく。あまりにも多いので、書かないとわからなくなりそうなのだ。……シルフィが。俺は記憶できるので、問題はなかったが。
「んー、どれからいこっか?やっぱり、謎なこの《解析》からにする?」
「そうだな。《鑑定》がないのはこいつのせいかもしれんし……調べない手はないだろう」
気になったので、満場一致で(精霊たちも同意していた)それから調べることにした。あと、めんどくさいので、全部一気に調べることにする。まとめると、こんな感じだった。
まずは普通の効果を持つものから。
《暗殺術》:暗殺に通じている証拠。暗殺技を使う際に身体能力がアップする。
《格闘術》:格闘に通じている証拠。格闘技を使う際に身体能力がアップする。
《銃術》:銃に通じている証拠。銃を使う際に身体能力がアップする。
《投擲術》:投擲武器に通じている証拠。投擲武器を使う際に身体能力がアップする。
《声真似》:他人の声を真似ることができる。また、普段と違う声を出すことも可能。
《変装》:別人に化けることができる。ただし、道具は必要。
次に、地味に便利だったスキルだ。
《嘘看破》:相手が嘘を言ったとき、それがわかる。パッシブスキル。
《ポーカーフェイス》:相手から感情が読まれにくくなる。
《狙撃》:狙撃に通じている証拠。狙撃時に補正がかかる。
《アクロバット》:無理な体勢からでもバランスを崩すことはない。また、空中から落下した際に衝撃を殺しやすくなる。
《隠密》:気配を消すことができる。透明化ではないため、姿までは消せない。
そして、謎スキルだ。
《解析》:あらゆるものを解析することが可能。
《**化》:************。
《魔力放出》:魔力を体外に放出することができる。
最後に、チートスキルである。
《鑑定偽装》:鑑定を偽装することができる。偽装内容は、スキル所持者が自由に決定可能。
《空間認識》:空間を正確に把握することができる。また、どこに何が潜んでいるのかがわかり、五感を封じられてもどこに何があるかがわかる。
《トレース》:相手を観察したときに、相手の動きをすべてコピーすることが可能。
《精霊王の加護》:精霊王の力を借りることができる。また、死ににくくなり、風属性魔法が被弾してもダメージを受けない。
《ビジョン》:自身が死んでしまう未来があるとき、それを事前に垣間見ることができる。
《精霊たちの加護》:精霊たちの協力を得られる。また、得やすい。弱い魔法攻撃なら、すべてが無効化される。
まずだが。
「スキルが多いな」
「だねー、ここまで多いのは流石に異常レベルだよー」
「けど《暗殺術》とか《変装》とかは、確実に前世からの引継ぎだろうな。少なくとも、こっちじゃ暗殺系のことはしてねえし」
「かもねー、それを考えるとこれは当たり前かなあ?」
二人で考えるが、やはりそうとしか考えられない。ビジョンなんかは、前世で死んだからくっついてきたのかもしれない。となると、ほぼ8割は前世からのものだと考えられそうだ。で、次に。
「謎なスキルは何なんだ?完全に文字化けしてるぞ?」
「なんだろねー?でも、その中になんで《解析》が入ってるの?」
「いや、だってこれなら別に《鑑定》でよくないか?わざわざ、別のスキルになってる意味がわからん」
「あー、確かに」
「それに、《魔力放出》に至っては意味があるのかわからねえしな。なんでこんなもんがついてんだか」
「だよねー、これは考えても仕方ないのかな?」
「かもな」
謎スキルについては置いておくことにした。そして、本題に入っていく。
「チートスキルがやべえな……これ、不意打ち不可能に加えて、鑑定も不能、魔法攻撃もあらかた封じられるじゃねえかよ」
「接近戦仕掛けたら、《トレース》で対応されるうえに、死にそうだったら《ビジョン》で回避できるしねー。こりゃ真面目にやばいよー」
「《鑑定偽装》は今のうちから有効にしとくか。ばれたらめんどくさそうだ」
「だね。そうしとこ?」
早速、《鑑定偽装》を使う。称号はなしにしておき、所持スキルは《格闘術》と《声真似》だけにしておく。それが終わり次第、嫌々ではあるが、称号の方へと目を移す。称号はこうだった。
《魔族殺し》:魔族を単独で殺したものに与えられる称号。魔族を殺しやすくなる。
《魔物キラー》:魔物を100以上殺したものに与えられる称号。魔物に対してクリティカルヒットが起こりやすくなり、弱点がわかるようになる。
まあ、ここまでは普通。ここから、謎になる。
《異邦人》:異世界より訪れたものに与えられる称号。メモリーを持ち、そこから設計図が作られている。恒常性も持つ。
《********》:*****************。*************。
一方文字化け、もう一方が何を言っているのかよくわからない代物である。そして、ここからが問題だった。
《精霊王に愛されし者》:精霊王に愛されたものに与えられる称号。精霊王と生殖が可能となり、悪運が上がり、生命力が上がる。寿命も延びる。
《精霊に愛されし者》:精霊に愛されたものに与えられる称号。精霊と生殖が可能となり、精霊を引き寄せやすくなる。また、精霊からは魅力的に映るようになる。
まだ、こっちは理解できるレベル。ここから崩壊する。
《元死神》:前世で並ぶものがいなかったために、付けられた称号。身体能力が異常なまでに上昇し、思考能力が上がる。並列思考・思考加速が使用可能になり、悪運が極限までアップする。同時に、トラブルに巻き込まれやすくなる。
《修羅ノ道ヲ行ク者》:運命に抗うため、戦いに身を置き続けるものに与えられる称号。トラブルに巻き込まれやすくなる。ただし、トラブルを乗り越えたとき、能力が解放される。この効果は無限に発動する。
「……なんだ、後半二つは」
「うわお、無茶苦茶だねー」
要は一番にやばい称号は、断トツでこの二つのうちのどちらかだろう。それと、一つツッコミたい。この、《修羅ノ道ヲ行ク者》。これって……
(ア〇トかよ………)
日曜朝にやっていたラ〇ダーさんの一人である。無限に進化し続ける、というチート能力を持っているやつなのである。ちなみに見てない。ちゃんと見たかったものなのだが。それにしても、〇イダーネタ多すぎやしないだろうか?そのうち、全ライ〇ーさんが出てくることになっても驚かねえぞ。
「まあ、スキル確認はここまでにするか。これ以上やっても意味ねえし、めんどくせえし」
「だねー、これからどうするのー?」
「寝る」
そう言って、すぐさま横になった。病み上がりだったこともあり、あまり時間を置かずに睡魔が襲ってくる。その感覚に身を任せ、眠りに落ちるのだった。
このとき確認した、スキルと称号。これらに助けられたり、悩ませられたりするのだが、このときの俺には知るよしもなかった。
3章はここで終了です。次はタイトル未定に戻ります。




