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元死神は異世界を旅行中  作者: 佐藤優馬
第1章 異世界転生編
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死亡前夜

もう一つの話をどうしようか考え中なので暇つぶしに書いてみました

 唐突に目が覚めた。どうやら寝落ちしていたらしい。今年大学生となったのでそのままでは不便だろうと親に言われ、ガラケーからスマホになった。やっとスマホになったので以前から面白そうだと思っていたアプリを入れた。遅い時間までやっていたのでやってる途中で寝てしまったのだろう。時間に関係するところもあるから少し残念だ。これじゃスコアはひどいタイムだった。時間制限がなかっただけまだましなのかもしれないが。なんとかスピードクリアが狙えるかな程度だ。


 (この位置からだと厳しいかな……)


 某日本の創造神さんの適性モンスターを当てたはいいが、いかんせん腕がついてきてない。これはもう慣れるしかないのはわかっているのだが、なんだかなあと思う。


 (あ、LI〇E来てるじゃん)


 ちょっとめんどく……もとい集中力が切れてきたのでホーム画面に戻り、L〇NEを開くと中学時代の腐れ縁、と言ってもいい友達からメッセージが来ていた。仲は今でもいいのでたまに遊んだり、このアプリを手伝ってもらったりしている。


 「ええと、何々………『留年生はちゃんと勉強してるのかw』だと?ふざけやがって」


 口ではそういうものの、口元は笑っていると思う。なんだかんだで留年しても頑張れたのはこいつともう一人の腐れ縁のやつがいたからだし。というか、思えば幼稚園時代からの付き合いになるのか。高校はバラバラになったけど、ちょくちょく連絡は取りあってるし大人になってもこの関係は続くんだろうな。

 

 「『お前こそ留年心配しなくていいのかw』っと」


 まあ、どうせ返ってくるのは冗談交じりの返事だろう。いつもそんな感じだし。


 (さてと、もう少し頑張りますかね)


 次にやるときにはこのモンスターを使ってれば驚かすことはできるだろう。馬鹿にしてるツケだ、せいぜい派手に驚いてもらうとしよう。クリアできれば今日は気分良く寝られると思うし。中途半端に寝たせいかまだ眠い。明日は学校もあるから早めに寝ないとな。

 その後、無事にクリアして眠りについた。……ミスったところがあるのはご愛敬ということで。


※               ※               ※

 「…………」


 寝ていたのか。もうそろそろ歳だな。現役は引退するべきかもしれない。幸い貯蓄はそこそこある。静かな隠居生活を過ごしたいものだ。暇つぶしに釣りに行けるようなところだとなおいい。


 (それにしても……懐かしい夢を見たな………)


 この世界に転生して何年が過ぎただろうか?60は軽く経っているだろう。元いたところでは知り合いは全員死んでいる可能性が高い。医術は発展しているからもしかしたら生きているかもしれないが。


 (あの後はどうなったのだろうな……)


 両親は悲しんだに違いない。なんだかんだで普通の家庭ではあったが、それ故にだ。この世界に来てからはそれがどれだけありがたいものかをしみじみと痛感したところだ。あのアプリは残念だった。せっかくいいモンスターを持ったというのに、あまり使わずに終わってしまった。あの二人はまだ元気でやっているのだろうか?俺が死んだときはどんなことを考えていたのだろう?寝起きのせいか、思考がまとまらない。


 (いかんな、考え事ばかりだ)


 余裕ができたせいなのか、釣りをしているときは大抵考え事をしていることが多くなった。こんな世界でも確かに生きている命を見てたくましいものだと思う。少しでもあちらの世界との接点を持ちたいがために始めたことだったが、思いのほか長く続けられた。今ではもう趣味と化している。かれこれ50年ほどもやってるわけになる。気付かないうちに長い間やっていたものだ。


 (今日はもう釣れんな)


 何となく直感で分かり、片付けを始める。明日も何らかの依頼が来るかもしれない。本格的にガタが来れば現役を退くか。そう結論付け、今の住処へと戻った。


※               ※               ※

 「ん……?」


 寝ていたようだ。しかも夢まで見ていた。


 (夢の無限ループって感じか?なんかのギャグか、ホラーかよ……)


 今までのことを思い出し、ため息をつく。ただ、今はきっと夢の中にいるのではないだろう。夢ならこんなに鮮明に五感が情報を認識しない。それに誰かが近づいてきたようだ。こういうところは前世での癖が抜けきっていないのだろうなと苦笑する。この足音は自分がよく知る人物の音だ。警戒する必要はないだろう。


 「レオン君?何をしてるんですか?」

 「何って、見りゃわかるだろ。釣りをしてんだよ」

 「それって楽しいんですか?」

 「さあな。じっとしてるのが苦手なやつとかは嫌なんじゃねえの?」

 「そうですか………」

 「……お前もやってみるか?」

 「え?釣りを、ですか?」

 「そ。道具なら『創れる』んだから別にいいぞ?」

 「じゃあ、やってみたいです!」

 「そうか」


 その日は結局何も釣れなかったけれど、これはこれでありかなと思える一日だった。


ちなみにこの話に出ているアプリは自分も入れています。始めたばっかだけど……

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