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元死神は異世界を旅行中  作者: 佐藤優馬
第5章 王国革命編
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集まる人

そういえば、この1週間で一気にブックマークが増えました。なんで?とは思いつつも、嬉しいことは変わらないので、感謝をしています。登録していただいている方、ありがとうございます。

 「申し訳ありませんね、急にこんなことになってしまい」

 「構わねえよ、むこうが阿呆なだけさ。しばらくまたのんびりできると思えば、むしろ快適なぐらいだ」

 「そう言っていただけると幸いです」


 ユーリは律儀に頭を下げる。気にしないと言っているのだから、別にそこまでしなくてもいいのだが。俺は苦笑しながら、いまだに目を白黒させているニーナとエレナを振り返る。恐らく、連れて来られた場所に戸惑っているのだろう。


 「にしても、いいのか?ここ、身分が高いやつが入る独房だろ?」

 「ええ、構いませんよ。こちらの不手際があって、このようになってしまったのですから。これでも文句を言われて仕方がないと思ってます」

 「いや、普通の宿よかグレードが上がった代わりに、ちっと不便になったようなもんだと思うさ。だとすりゃ、あんまり気にもならんしな」

 「ぐれーど、ですか?」


 しまった、ユーリは知らないのか。首を傾げている騎士団長様に、首を横に振る。


 「いや、忘れてくれ。とりあえず、事態が収束するまではここにいりゃいいんだな?」

 「はい、お願いします」


 ユーリは再び頭を下げて、部屋から出ていった。残されたのは、俺たち三人だけだ。そのため、ニーナは俺に掴みかかるかのような勢いで抱き着いてきた。


 「なんですか、これ!どうなってるんですか!?」

 「落ち着け落ち着け。順を追って説明するから」


 二人をベッドに座らせ、俺は椅子を持って来る。そして、向き合うように座ると、二人の顔を眺めた。まあ、流石と言うべきか、エレナはもうわかっているようだ。


 「エレナはわかったんだな?」

 「……うん。これは三人の茶番、というところ?」

 「そだな、茶番と言えば茶番だ」


 意味はあるが、王様とユーリのやつは、俺が犯人ではないことを知っている。これはあくまで、周りに俺が犯人ではないことを示すために行っていることなのだ。ニーナはそれでも、?マークを頭に浮かべていたが。


 「簡単に説明すれば、王様とユーリは俺が犯人ではないと思ってんだ。理由がないし、証拠もない。さらには、俺の傷のことも知っている。

  だが、周囲の貴族は違った。そうは思わず、俺に押し付けることで安心を得ようとしてるのさ。間違っていても、見た目が見た目だ。死んで困ることはねえ。

  王様も助けようとはしたんだろうな。けど、相手の数が多すぎて、無理に従わせようとすればむしろ危険が迫ることも知っていた。だから、俺の無実を証明するために、ここに拘束した、ってのが実際なんだろな」

 「そうだったんですか………」


 ニーナが下を向いて、どこか悔しそうにしていた。たぶん、俺がそう簡単に疑われたのが悔しいのかもしれない。俺のことになると、途端にムキになるからな、こいつ………

 呆れた目で見ていると、再び扉が開いた。今度は誰だ、と思うと、意外な面子が揃っていた。


 「レオン様!大丈夫!?怪我とかしてない!?」

 「捕まったんだって?また大変なことになってるねえ」

 「なんで貴族って、こんなに我が儘な人が多いのかな……嫌になっちゃうよ」


 俺に飛びつくアカネ、興味津々といった様子で顔を覗くリース、頬を膨らませているローレルがいた。それはともかく。


 「じゃあ、エレナも我が儘なのか?」

 「それはそれで、これはこれだよ」


 どこで覚えた、そんな言葉。……俺か。はあ、とため息をついていると、更に人は増える。


 「大丈夫かい、捕まったって……父上もそこまでしなくたって………」

 「フン、疑われるようなことをしたからだ。……殿下がそこまで気にする必要はありませんよ」

 「戻って来て早々に問題を起こすのですね、あなたは………」


 怒った様子の王子に、俺を貶しにでも来たのかいつも通りのシュティーナ、そして呆れた様子で腰に手を当てているエリーゼまで入って来る。かなりの大人数だな。


 「ここですかね?お邪魔しますよ?」

 「おー、上等なとこに泊まってんじゃねえか。少し羨ましく思うな」

 「代わりに、外には出られんぞ?それは困るだろう?」

 「……また、珍しい面子が来たな。どうしたんだよ、いきなり?」


 エリーゼの後に続いたのは、カイにヘカルトンのギルドマスター、加えて学園のギルドマスターまでいる。随分と知人が集まったものだ。と、少し感心してしまう。

 最後にユーリと王様まで入って来たのだから、ほぼオールスター状態とも言える。ここに先生とトーラ辺りがいれば、完璧になるだろうか。あ、学園長も忘れてるのか。

 いきなり現れた王様に、俺以外のやつらが畏まろうとするが、手でそれを制した。


 「よい、それよりも話をせねば、な。皆をここに集めたのは、それが大きな理由であるのだから」

 「俺がどんな人物か再確認する、ってところか?それなら、この面子にも説明がつくが」


 俺の言葉に王様が頷き、ユーリが用意した椅子に座る。全員にも座るように促してから(とは言っても、シュティーナとユーリは仕事柄座らないが)、口を開く。


 「では、聞いていくとしようか。レオンとは、どんな人物なのだ?」

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