表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元死神は異世界を旅行中  作者: 佐藤優馬
第1章 異世界転生編
14/264

片鱗

 俺の手の中に現れたものは松葉杖だった。


(ありえない……なんでここに松葉杖がある?どこから現れた?)


 俺は混乱していた。いや、途中から混乱していたのかもしれない。なぜなら………


「大丈夫ですか!?」


 あ、先生呼んでたの忘れてた。先生は子供に手を引かれて、怪我したやつの近くまでやってくる。これでもう大丈夫か。そう思って、体を弛緩させるのだった。


※     ※     ※

「この処置は一体誰が?」

「レオンのやつだけど……こいつひどいんだ!いきなり足引っ張ってきたんだよ!」

「そうしなきゃお前、骨が変な形でくっつくことになってたぞ?それでもよかったのか?」

「う……それはいやだけど………」


 分かったならいいけどさ。ま、前々世、前世で骨折を経験してなかったら、適切には処理できなかったかもしれん。これだけは前世に感謝してもいいかもな。心の中で適当にありがとなー、と棒読みで感謝しておいた。


「ちょっと待ってください、レオン君。なぜ君がそんなことを知っているんですか?それにその手の中にあるものは一体……」

「え、それは………」


(やばい、必死になってて今の俺が8歳だってこと忘れてた!それと松葉のことどうする!?)


 こんな状況になるとは全く考えてもなかった。ど、どうする?なんかうまい言い訳は……必死に考えを巡らす。


「取りあえず、怪我を治しましょう。レオン君は後で事情を説明してください」


 た、助かった!言い訳考えておかなきゃ。内心胸を撫で下ろしていた。


「そういえば、なぜ骨折を?普通に遊んでいるだけなら、こんな怪我はしないはずですが……」


 ああ、それは俺も思った。別にここら辺に硬いものはないはずだし、仮に蹴躓いたところで折れるのは手だと思うんだが。

 

「俺……風属性の魔法使えるから………木からジャンプして魔法使えば、空を飛べると思ったんだ…………」


 ……阿呆か、こいつは?本気で呆れた瞬間だった。


※     ※     ※

 あの後、先生から事情を聞かれた。骨折の治し方は本を読んで知ったことに、松葉杖は自分で適当に作ってみたと言っておいた。訝しげではあったが、何とか信じてもらえた。まあ、俺も先生の立場なら疑うだろうけど。その代わりに、ある事を頼まれることになってしまった。

 みんなが寝静まったその日の夜。俺は孤児院の中庭に来ていた。こんな時間にここに来ているのには理由があった。俺の仮説が正しいのなら、みんなに見られると厄介なことになるかもしれないからだ。

 魔力を意識し、ある物をイメージする。だが、やはりこれまで通り何も起こらない。


(何かを掴みかけてる感触はあるんだが……何が足りないんだ?)


 もっと簡単な物をイメージしてみるか。今度はそこらへんに散らばっている石を手に持ち、その石をイメージしながら魔力を意識する。すると、俺の手の中には石がもう1つ現れた。


(やっぱり、構造が簡単なものじゃなきゃ作れないのか?)


 やはり、まだまだ俺の魔法は謎に包まれているようだ。まあ、どんなものかは大まかにだが分かったのは良しとしよう。明日からは魔法の詳しい制限などを調べていくとしよう。


(今日はここまでにして、明日に備えるか)


 そう思い、俺は他のやつが寝ているであろう部屋に戻っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ