能力研究所(その他ver)9
今回は短いです。すいません。
時間を少しさかのぼり、良壱達が研究所に侵入する前。
あたり一面が白い壁に覆われ、自分の目の前には堅牢そうな檻がある。
この空間を見たとき俺は情けないことに捕まったことによる恐怖で悲鳴が出そうだった。だがうまく言葉を飲み込んで耐えることができた。
「あー」
「お願いだ出してくれ!もういたいのなんていやだ!!」
「イタイイタイイタイイタイイタイ」
「よしこれは新しいデータだ。」
今気づいたがここには俺以外にもいろいろな者がいる。
俺みたいに四肢のないもの、心あらずでどこかを眺め微動だにしないもの、檻をたたき救いを求めるもの、もう動かなくなってしまったもの、そしてそれらを使い実験をおこなっている者たち。
「おお、早坂君やっと目が覚めたか。早速実験をしよう....と言いたいところだが残念なことに、まだほかの実験が立て込んでいるんだよ。なぁに安心したまえそれらすべてを君のために三日で終わらせて見せようじゃないか。なんたって身体強化系統の能力は人類の躍進にとっては欠かせないひとつだからね!!」
「なぁ、ここに哀原雪ってやつはいるか?」
「ん?いや、そんな名前の検体は運び込まれてないよ?」
どうやら俺はあいつらの仲間になるにはもう少し時間がいるらしい、だがそんな時間は合ってないに等しいようなみじかなものだろう。
でも雪は見逃してもらえたのだろう、本当によかった、本当に
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ある実験の保険体に早坂を選んだ男は、ある程度の処置を終えたことで休息を取りながら、目の前のデスクにあるモニターを眺めていた。
「ふむ彼は実にいいサンプルだ。本部も実に喜んでいるね」
「相変わらずいい趣味してるよお前」
「そんな言い方はないだろう大獄」
同じ部屋に向かい合うように座る大獄に親しげに話す男。彼は、画面に映った人物たちを眺めがら語り始める。
「我々は能力者の中でも最強の9柱、王を人工的に生み出す研究をしている。この研究は、王と呼ばれる奴らの恐怖から人類を救う救世主を生み出す。いわば救世主を生み出す研究だ」
「そのための犠牲も多いだろうに」
「所詮、能力者なんてものは実験対象に過ぎない。実験対象を実験に使って何が悪いんだい? けど私も貴重なサンプルとそうでないものの区別をしているんだよ」
こいつには何を言っても駄目だと諦めた大獄は、「じゃ俺は部屋に帰る」と言い残し彼のラボから出た。一人きりになった男は、コンソールを操作してモニターに映った王の画面をスクロールする。其処に移っていたのは、SKS学園の生徒会長と選ばれし者のレオン。そして残りの6名と画像が唯一ない謎の人物だった。
「あぁ、早く王も解剖したいな」
うっとりした目で研究者の邪悪な欲望がほとばしっていた。




