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Efectors-エフェクターズ  作者: STTT
多重能力者編
64/87

能力研究所(その他ver)7

サブキャラがカッコ良い展開。


何をやっているの美遊?さっさとその邪魔者を排除しなさい」

クロエだった。右手で先程の光弾を放ち、左手で気絶した雪の胸ぐらをつるし上げていた。雪は身体の至る箇所に火傷を負い、頭部からは流血していた。


「私はこの子の息の根を完全に止めるわ。あなたはそっちの子に止めを刺すのね」


 クロエは左手でつるし上げた雪を冷たい眼で見る。


「・・・やめろ」

「何か言ったかし・・・」


 クロエは真横に現れた美遊の蹴りを盾を召喚し防いでいた。

 衝撃でクロエの身体が大きく弾かれる。


「まさか裏切るつもり?美遊。いえコードネーム=フレイヤ」

「フレイヤやない美遊や。ゴメンなぁアンタも色々事情があって頑張っとるんのは分かってるけどウチはもうこれ以上みんなを裏切れへんねん」

「・・・そう」


 クロエはニヤリと凶暴な笑みを浮かべる。

 次の瞬間、左手に強烈な冷気と殺気と悪寒を感じ、クロエは掴んでいた雪を放り投げる。雪は朦朧とした意識を覚醒させ、出血で塞がっていない方の眼でクロエを鋭く睨んでいた。片手には氷の槍。クロエが雪を放り投げていなければ、氷の槍でクロエは貫かれていただろう。


「まだ息があったのね。生命力の強い子だわ」


 クロエは手をかざし、雪に照準する。


「雪に手をだすなや!」


 しかし美遊に腹部を蹴られ、生成した光弾は儚く霧散する。


「もうあくまで私とは袂を分かつようね」

 クロエは上空にエスケープし言う。口元からは先程の美遊の蹴りで内蔵を痛めたのか吐血している。


「力を得たくないんだったらそこのゴミ共と等しく弱者としてまとめて焼却処分してあげるわ」


 クロエは右手を太陽にかざした。

 太陽光が一区画に凝縮され、巨大な光の弾を形成する。それはもはや擬似太陽と形容すべき光と高熱を放っていた。クロエの掲げた右手が湯気を上げ黒く煤けていく。


「あかん。クロエの奴、相当キレとるわ。自分の身体がどうなろうとお構いなしか」


 美遊は雪の肩に手を回して言う。雪だけでもクロエの最大級の攻撃から逃したいがあの攻撃の範囲から逃れられる自信がなかった。


「スーパーノヴァァァァッ!」

 巨大な擬似太陽が発射されようとした時、

 海面から巨大な海水でできた水龍が一匹飛び出しクロエの作り出した擬似太陽ごとクロエを飲み込んだ。

 水龍はクロエを飲み込んで空中にドーム場になって浮かんだ。


「・・・この能力、関野か」

 美遊は呟く。

 幾頭もの水龍を従え、そのうちの一匹に乗り、生徒会2人目の副会長、関野清が現れた。


「どうやら状況は芳しくないようだね」


 関野は右手の前に数多の水滴を浮かべながら全員に聞こえるように言った。


「待って関野。美遊は私達の説得に応じて、そこの子を助けてくれたのよ」


 光弾に撃たれ、墜落していた草子が戻ってきて言った。ローブと帽子と羽のところどころは高熱で燃え、満身創痍といった様子ではあったが


「・・・恥ずかしながらまた寝返ったっちゅうことや。後でボスにちゃんと謝らんといかんな~。また生徒会役員やらせてもらえるといいんやけど、怖いからソレしまってや関野?」


「フン。まぁ今はそういう事にしておくとしよう。だが、まずはその女生徒を戦線から離脱させた方がいいんじゃないか?」


 彼方から光弾が飛来する。関野は攻撃を見ずに右手に持っていた水分をバリアーの様な膜に創り変え、草子、美遊、雪を庇っていた。


「オレはコイツの相手をしよう」

 

 関野は挑発的な熱を持った眼で彼方に滞空するクロエを睨み言った。

 関野は生徒会でも一度言ったら決して引かない男である。関野がこう言った以上、余計な手出しはかえって関野の足を引っ張る事になる。それを理解している草子と美遊は雪を連れて戦線を離脱した。

 クロエは水龍のドームに囚われていたが、ドーム内で光の能力を爆発させ、海水を沸騰、爆散させ先程の一撃を放っていた。

 右手は黒く煤け使えそうにない。身体の至るところは火傷し満身創痍。それでもなお、強烈な殺意を感じさせる眼で関野を睨んでいた。

 海上で空の化物と海の化物が衝突しようとしていた。



 草子、美遊、雪の3人は製薬会社の正門へ戻ってきていた。

「二人とも派手にやられたみたいやな。特に雪、クロエ相手によくやったわ。今、治療して・・・どふっ!?」


 美遊の胸に雪が飛び込んでいた。


「うぇぇん美遊姉魚の餌にするとか言ってごめんなさいぃ」

 美遊の胸に顔をうずめ泣きじゃくる雪。


「え、ウチなんも気にしとらんよ?ウチこそ色々とゴメンな?」

 雪の頭を撫で言う美遊。

「うぅぅぼんどに・・・?」


 美遊の胸をベタベタにしながら雪が顔を上げる。


「そういや昔もごくたまにアンタを怒らせてケンカになった後、アンタよくこうやって泣いとったな?」

「まぁガチなケンカになった時ウチはいつもアンタには勝てへんかったんやけどな・・・」


 雪を包む美遊の身体には本物の姉のような温かみが戻っていた。

 雪はその温かみにこのまま、眠りにつきそうになる。これまでの激戦と受けたダメージは深刻だった。

 しかし、「はっ。いけない早坂君の事を忘れるところだった!」


 雪はまどろみそうになっていた目をパチリと開き言った。そのまま立ち上がろうとする。


「なんやったらもう忘れてくれてても良かったんやがな。早坂君はウチラでなんとか救出したるさかい。アンタはここで休んどきよ」


 美遊は呆れて言う。

 


「危ない!」

 その時、草子が雪と美遊を地面に伏せさせる。空から銃撃が近くの地面をえぐっていた。

 気づけば空には無数のドローンが滞空していた。

 ドローンが銃撃を再開しようとした時、

「オラァッ!」

 

地面から毒々しい色をした腕がいくつも発生し、ドローンのいくつかを破壊し、銃撃を防いでいた。

 毒島が先程、美遊からの攻撃で傷ついた身体をひきずり、3人の盾になっていた。

「・・・ここも危険なようやな」


 美遊は無数のドローンを見て言う。地上からは大勢の武装集団も現れていた。


「どうやら研究所の上の連中、機密を知った人間を生きて帰さないつもりらしいな」

「こうなったらここは私達が食い止める」


 草子が言った。


「そういう事や雪。ここはウチらに任せて行きな。早坂君を取り戻してきい。でも無理はすんなや」

「うん。美遊姉達も無事で」

「行く前に餞別をあげるわ。癒しの(ヒルフェ・リヒト! これで多少はマシの筈よ……」

 草子はノートをパラパラとめくり言った。暖かい光が雪を包む。雪の火傷や出血がある程度癒される。それを見て驚いた雪だが、早坂を救う目的を優先し、先に進む事に決めた。


「ありがとうございます。草子さん」


 雪は軽く頭を下げ、製薬会社内に走っていった。

「さて、お前ら、こっから先は一歩も入れさせへんで!」

 美遊はショットガンを担ぎ言った。その横で傷んだ羽を広げる草子。毒島もまた拳を構えていた。



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