能力者狩り(早坂ver)2
早坂は走っていた。それこそ今までの中でも上位に入る速さで教室をひとクラスづつ高速で確認して行ってた。
「くそ、どこにいる哀原。」
結論として哀原は2-3にいなかった。それどころかいま探している2年のフロアにもいなかった。普通なら避難をしたと安心できるだろう。しかしさっき電話でいないことを確認したので全く安心できなかった。
「この階にもいないか....」
早坂は焦っていた。あんな猛獣蔓延る中、能力の使えない哀原がいると思うと焦りに焦っていた。だからだろう奇襲に気付けなかったのも。
早坂は後ろで足音が聞こえたので振り返った。願わくば哀原でいてくれと
しかし結果は違って明らかに人間ではない鉄の塊だった。
「ッ!?」
早坂はなんとか右腕の硬度をあげ、うまく飛ばされることで、ダメージを受けずに済んだ
。
「ふむ、完全に不意をついたと思ったが....やはりお前は素晴らしい俺が相手をするのにふさわしい。」
なんとかダメージを受けずに済んだ早坂は周囲を確認するとそんなことを言う鉄の塊がいた.その姿を見て早坂は相手が誰なのか思いついた。
「お前は楠か?」
「あぁそうだ我が愛しい仇敵早坂よ。さぁいまこそ雌雄を決しようでないか?」
楠は以前とは打って変わり、慢心が一切なかった。またあんな真似をするものなら次こそ即死させられるだろう、そう思ってもいたが、そんなこと今の早坂には些細なことだった。
「どけ楠、今哀原を探しているんだ。邪魔をするな」
そうこんな中二病、哀原と比べたら、どうでもいい塵芥と変わらなかった。
「クハハハハハハ!面白いこの我を差し置いて女を探すだと?」
「いいだろう、その思い上がった考えたたき落としてやる!!」
楠がそう宣言すると同時に早坂に走ってきた。
前と同じく鎧そのものを能力で動かしているのだろう。とても鎧を着た人が出せるスピードではなかった。それにそれだけではなかった。
「ハハハハハハハどうした、どうしたぁ!」
楠は鎧だけではなく、一体どこに潜んでたのかと思う量の鉄くずも降り注ぐ。
しかし流石に二つ同時にするのは難しいらしく鉄くずの狙いはあいまいで避けやすかった。
だがそれでも避けやすいのはそれ単体の時のみ、同時に鎧の対処も同時となるととてもではないが一人では辛い量だった。
「ウラァ!!」
早坂は避けてるだけでは嫌だったので反撃に全力で鎧を殴りつけた。その威力はシャッター程度なら無残にする力がある.
「ククク、やはり素晴らしい以前よりも強度を増したこの鎧をものともしないとは....あぁやはりお前は俺が倒すにふさわしい!!」
しかし全然効いていないのに大仰な態度をとる楠に苛立った早坂は声を荒げる。
「やかましい!!テメェ邪魔なんだよさっさとどけぇ!」
早坂は怒鳴りつつもかなり考えていた。さっきのが自分の出せる全力、これ以上となると全力解放しかない、さてどうするか?そう考えていると突然あたりの温度が変わった。




