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Efectors-エフェクターズ  作者: STTT
能力犯罪編
3/87

良壱 op

マン・ホール島。

 今から数年後の世界に突然現れた本来空想の産物である超能力。世界中で次々と発生する彼らに人類は、彼らの力を恐れつつも戦いの最中に平和の道を見つけ出した。

 それから10年の時を経て、能力をコントロールする訓練と社会への適合、そして悪しき能力者と戦う精鋭を養成する学校機関【SKS学園】がこの島に誕生した。能力者に生まれた者や能力に目覚めた者を招き、彼らが卒業するまでの学び舎として育て、未来に羽ばたかせて行く場所として数十年以上も経営を続けていた。


 そんなSKS学園の中庭で、授業が始まる10分前に2人の生徒が壁を縦横無尽に駆け回っていた

「良壱! 貴様、今日こそは我々生徒会に協力して貰うぞ!」


 颯爽と壁を常人では反応出来ない速度で駆けながら、手に持った鋭い刺で先端を覆った狼牙棒を振り回す、黒い長髪で白い肌の和服を着せたらさぞ似合うであろう少女が、腕に巻いた腕章を風になびかせながら高速で移動する。小柄な彼女よりも大きい狼呀棒を片手で振り回し、今もまた校舎の壁にめり込ませる。その一撃を連続で繰り出している彼女の前には、攻撃を回避しながら駆ける少年がいた。


「だ~か~ら~、俺はお前にこき使われるのは嫌なの。いい加減俺以外に声掛けろ」


 少女と正反対に、長身でがっしりとした体形の少年が少女の鈍器を見切って回避する。そのまま校舎の壁を蹴って、屋上に飛び上がる。少年の走っていた壁は、3階で屋上は7階であり約4階を飛んだ事になる。

 人間離れした脚力で屋上に着地するも、少女の居た方向に目線を向けうんざりとした顔をする。なんと彼女も彼の後を追い、人間離れした動きで屋上に着地する。お互いに息切れすらしていないが、既に10分もの間高速移動で鬼ごっこを繰り広げている。


「お前の能力は、世界のためにこそ使われるべきだと私は言っているのだ」

「俺は、知らない奴のために使うとかめんどくさいから嫌なの。それにお前と能力被っているんだから、別に必要ないだろ」


 彼のやる気の無い返答に「この愚か者!」と狼牙棒を亜音速で横薙ぎする少女。彼の頭部に向かって振るわれた一撃。彼はそれを見切り、左手に付けた手甲で受け止める。受け止めた瞬間、衝撃波が発生し、屋上のタイルが彼の踏み込みで捲り上がる。


「痛い」

「むー、何故能力は優秀なのに性格が残念なのだ。 っ!?」


 攻撃を受け止めた態勢で弱音を吐く少年に、少女は溜息を吐きながら睨みつける。そんな二人に向かって、突然銅色の平たいものが飛来する。それにいち早く気がついた少女は後ろに飛び退く。


「一番面倒なのが来た、なッ! と」


 回転しながら迫る金属の塊を迎え撃つように拳を突きだす少年。彼の手に付けられた鉄製の籠手と金属がぶつかり、少年の体を50cm程後ろに追いやると金属は、弾かれるように飛び上がる。いつの間にか屋上に立っていた人物の元に飛んでいく金属。その正体は、銅で構成されたマンホールであり、それをフリスビーのように軽々キャッチした人物が不敵に笑う。


「あら、楓さん。ごきげんよう」

「おはようございます会長」


 マンホールを軽々と持っている人物、金髪ツインテールでツインテールがドリルのように巻かれている少女が狼牙棒を持った少女に微笑みかける。狼牙棒の少女は頭を下げて挨拶を返す。一方無視されている少年は、掌をブンブンと振りながら痛みを和らげようとする。


「生徒達(民)が騒いでいるから何かと思って来ましたけど。またソレのせいですのね」

「ドリルに言われたかねぇよ」

「殺しますわよ。それにしても、また校舎を破壊して……他の生徒に示しがつきませんわよ」

「申し訳ありません。後で用務員さんに直して貰います。ですが、この馬鹿を野放しにするのは危険です。一生徒としている今はいいですが、早いうちに能力を持った使命に目覚めさせなければ」


 マンホールを用いた戦闘において学園最強の称号【生徒会長】になった少女に狼牙棒の少女が頭を下げつつも説得する。上手く行けば生徒会長と少女で、少年を無力化するチャンスであるからだ。


「とりあえず、俺はおまえら苦手なんだよ」

「まだ逃げるか!?」


 キーンコーンカーンコーン


 そんな前門の虎、後門の狼は御免だと、いち早く能力による【強化】を施した脚力で屋上から脱出する。いち早く見抜いた会長がマンホールにエネルギーを纏わせて投げるも、見事に空中で回避される。それを追いかけようとする少女だが、授業開始の予鈴が鳴った事で悔しそうにするも思い留まる。そんな楓を見てマンホールを手元に戻した生徒会長が、屋上のフェンスに触れながら教室に向かっていく生徒を見て呟く。


「能力者の学び舎。此処にいる人間のほとんどが能力者。私達、生徒会は民を正しく導いてあげなくてはいけません。正しき者には未来を。悪しき者には然るべき罰を」

「……次の昼休みにはアイツを正しき道に軌道修正します」

「程ほどにしなさいよ」


 教室が一番遠い距離にある楓が、生徒の見本として廊下を走る訳に行かず、校則にない壁を走って向かう。その後ろ姿を見て生徒会長は、「私も向かおうかしら」と呟き屋上を離れていった。



名前:小柴 良壱

性別:男

年齢:16

クラス:2-1

能力:限界突破

能力内容:自分の体に強化を掛ける事が出来る。動体視力や筋力、さらには治癒能力の強化などを無制限に掛け続ける事が出来る。ただし、徐々に上げていかない場合、反動でダメージが蓄積する。

容姿:金髪黒眼の身長180の男。筋肉質だが痩せすぎず太すぎない体形。服装は、制服。 

性格:ことなかれ主義。大人しい性格だが敵対者には容赦しない。

武装:メリケンサック


名前:小柴 楓

性別:女

年齢:17

クラス:2-1

能力:超人類化

能力内容:自らの身体能力を上昇させる。動体視力から筋力、五感まで強化される。さらに脳の性能を好きなだけ引き出す事が可能。強化は無尽蔵に掛けられるが、自信の限界を超えると能力の使用が不可になる。

容姿:黒髪黒眼の身長150前後の少女。かなり小柄で細身だが、グラマーな体形をしている。服装は制服で腕に腕章を巻いている。

性格:口うるさく、自信にも他人にも厳しい性格。

武装:ハルバード

設定:良壱の従姉で彼と同系統の能力を持っている。良壱の才能が自分より上と感じているが、彼のやる気の無さにプライドを傷つけられている。


名前:生徒会長(名前は不明)

性別:女

年齢:18 

クラス:3-1

能力:???

能力内容:???

容姿:金髪ツインテールドリル 165cm 50kg

性格:ツンツンツンツンデレ ドS入り

武装:マンホール

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