能力者狩り(その他)
今回突然の新キャラ視点があります。
「と、ここまでが雪の教えてくれた情報や」
雪と早坂及び黒城との一件は生徒会の知る事となり、その次の日の放課後、その対策についてが生徒会の議題に上がっていた。
「なるほど、「音」によって能力者の能力を封じる能力。厄介ね・・・」
生徒会書記、虹草子が答えた。
「そうやろ?早いとこ対策打たなアカンな?」
放課後の生徒会活動「会議」。しかし現在出席している生徒会役員は書記と会計の二人だけであった。sks高等学校の生徒会は基本フリーダムである。
「おぉ~い!?毒島ァ!?何時になったらお茶がでてくるんや!?」
現在の生徒会会議に参加している生徒会役員は二人、しかし正確には生徒会役員以外の人物が一人だけこの場にいた。
「へ、へい!ただいまお持ちいたしやす!」
毒島拳太郎。一週間前の東京都銀行強盗事件の犯人グループの一人。しかし正確には犯人グループの操作系能力者に操られている不登校のsks高等学校生徒であった。
そして事件後、能力者に操られていたという見解の元、情状酌量の処置が取られ、sks高校に復学していた。(・・・正確には生徒会のパシリとしてだが
「ねぇ。この男。お茶に毒盛ったりしないわよね?」
草子は毒島の持ってきたお茶を訝しげに見る。
「は?もしコイツのお茶でウチらになんかあった時にはコイツウチらのボスに宇宙の塵にされてまうで?」
美遊はあっけらかんとして答えた。
「ひぃぃ・・・」
縮こまる毒島。
「しかし、この毒島に蜂の巣にされてなきゃ今回の件、またウチが前線に出てドンパチやらかしてやるんやがな」
「あなたは会計なんですから大人しくしててください」
生徒会は一人を加え、いつもどおりフリーダムに進行されていた。
―次の日の昼休み―
「おい何だアレ?」
sks高生の一人がグラウンドを指差し言った。
校門付近に30人以上のsks高生でなさそうな男達がたむろし校門を塞いでいた。
「おい何なんだお前たちは!?ここをどこだと思ってる!?」
背の低い初老の男性教師がたむろする男達に注意しにいった。
「能力開発に貢献する組織の教師か・・・」
男達の中で真ん中に陣取る170cmと比較的身長の低いリーダー格の男、黒城秀俊が呟いた。
「あ!?」
「能力者以外は傷つけるつもりはない。能力者じゃないなら大人しくしていてくれ。音響地雷原!」
黒城は指を鳴らした。
男性教師の足元付近のコンクリートの地面が爆発しえぐれ、煙をあげる。
「ひぃっ!?」
男性教師はあっけなく悲鳴を上げ、その場にしゃがみ込んだ。
「能力者じゃないようだな。さてお前ら、開演と行こうか」
「うす!」
黒城の周りの男達が答えた。
「まずは序曲から派手に飛ばしていこう。」
黒城は呟き背中のバッグからエレキギターを取り出した。
「狂躁曲」
黒城は唐突にエレキギターを弾き始める。エレキギターから猛々しい曲が流れる。
「ウッ・・・ウゥゥ・・・」
周りの男達に異変が起き始めた。皆一様に獣のような唸り声を上げ始める。
「ヴォロアアアア!!」
男達は猛獣そのものの咆哮を上げ、みな本校舎に突進していった。
sks高等学校にて大規模な戦闘が開始されようとしていた。
ーーーーーーーーーーーーー
俺は二ノ宮銀次朗。sks高等学校の部室に住む幽霊である。
なんだが世間では東京都新宿区の巨大銀行に能力者による銀行強盗があっただかなかっただがで色々と物騒だがそんなことはこの部室に住む俺には関係ない事だぜ!
そんな俺は一応この「オカルト研究部」の部長を任されている。まぁ部員は現在この俺一人なんだが・・・
―コンコン
おや?なんだろう?誰か訪問者だ。
「はいはいなんでしょう?」
俺は部室のドアを開けた。
「すみません。オカルト研究部ってここでしょうか?」
俺は訪問者を見て正直びっくりした。
身長140cm程、灰色のショートカットでどこか他の学校のものと思われるセーラー服に身を包んだ大人しそうな少女がそこに立っていた。
「うん。如何にもここはオカルト研究部って事であってるけど・・・?」
「よかった。あ、申し遅れました!私、紗道陽菜って言います。この学校を見学に来てまして、それと怖いものに少し興味があってそういう部活があるって聞いたのでその・・・」
陽菜は若干どもりながらそれだけ言い終えた。どうやら学校を見学にきた子らしい。中学生なんだろうな。
「あぁそういうことね。じゃあ立ち話もなんだしちょっと狭いけど中で話しようか。君の気に入りそうなものもあるかもしれないし」
「わぁ!ありがとうございます!」
陽菜は顔を輝かせて言った。
「じゃあおじゃまします」
陽菜はそう言って中に入り、背後のドアをピシャリと閉めた。
「俺は二ノ宮銀太。まぁそこ座って。お茶を用意するから」
俺は陽菜ちゃんを中に案内し言った。今、本名を名乗らなかったがそれには深いワケがある・・・。
「あとちょっと部屋が暗いね。ごめんね今、明かりを強くするから」
俺は部屋の中央の天井の明かりをつけた。陽菜の背後に薄く影ができる。
「あ、ありがとうございます。でもお茶は結構です。それと二ノ宮さん。少しお願いがあるんですけど?」
「ん?何だい?」
「死んで下さい。」
陽菜が明るい表情で言った。陽菜の背後の影がニヤリと不気味に嗤った。その影がフッと消える。
「!?」
俺は何故か反射的に飛び退いていた。
今まで自分の居た場所を見るとそこにあった机が鋭利な刃物で切断されたかのように見事に両断されている。
「あ~あ外しちゃった・・・」
陽菜が快活な声で言った。
「なんだね君は!?」
「え~私ですかぁ?実は私さっき学校を見学に来たとか言ってましたけどアレ全部真っ赤な嘘なんです~。ちなみに怖いものとかオカルトとか全く興味ありません」
陽菜は先程までの雰囲気とは打って変わっていた。
「ホントの用事は二ノ宮さん。あなたを抹殺しに来たって事です」
なんだって!?陽菜からは無邪気だが狂気を孕んだ殺気だったオーラが発散されていた。
「あと私こういう能力なんです~。私に目を付けられた事あの世で嘆いててくださいね♪」
陽菜は懐から懐中電灯を出した。それを点灯させ、上にかざす。陽菜の影が上下左右4つに増える。
影達は指方性を持った槍のように俺の方に襲いかかってきた。
「ひぃっ」
俺はなんとか影達の猛攻を躱す。影はあらゆる物質を切断して襲いかかってくる。
「!?」
俺は足元に積まれていたオカルト本の山の一つに足を取られ転倒した。
「そこまでですね♪」
陽菜はニヤリと凶暴な笑みを浮かべると影を倒れた俺に向かって伸ばしてくる。
俺はとっさに懐から手鏡を取り出す。手鏡に陽菜の姿が小さく写る。影は全て手鏡の中に入っていく。
「きゃっ!?」
陽菜のセーラー服のところどころが切断された。
「ねぇ陽菜ちゃん。合わせ鏡って知ってる?まぁこの場合世間一般的な合わせ鏡と違って俺の能力の一つの事を言ってるんだけど」
俺は立ち上がりつつ言った。
「なるほど厄介な能力ですね。その手鏡に映った自分を攻撃すると攻撃が返ってくるって事ですか・・・」
陽菜はセーラー服の切れた部分を手でかばいながら言った。
「まぁそんなところだね。どれだけの割合で攻撃を返すかってのはある程度調節が可能なんだけどね」
「今なら見逃してあげるよ。あ~あとこの際オカルトに興味持ったら?オカルト楽しいよ?」
「それは遠慮しときます。あと見逃してあげる?どの口がほざいてるんですか?もうあなた詰んでますよ?」
「え?」
―ズブリ。それは俺の背中から侵入し、心臓部から飛び出していた。
俺の背後の影が立ち上がり、ニヤニヤと嗤い左手を槍状に変え、その先端が俺を貫いていた。
「ガフッ」
俺は激しく吐血する。
「先ほどの攻撃の最中で私の影を通してあなたの影に侵入して寄生してたんですよ。一度潜り込めば私は他人の影でも思い通り操れるんです」
陽菜は嗤いながらくずおれる俺を眺めていた。
「あ~あ、服がボロボロになっちゃった・・・後で着替えないとな~」
陽菜はそういい部屋を後にした。
「ふう。酷いことするもんだな~」
俺。二ノ宮銀朗の本体は掃除用ロッカーから出た。
先ほどまで陽菜の相手をし、今床に倒れているのは肉付きの人体模型(銀太)だ。
本体の俺が初対面の女の子とまともに会話できる訳が無い。
「コイツ直しとかないとな~」
俺は気楽に言いながらも、この学校と自分に何かが起こっていると感じていた。
キャラ紹介
名前:(呼ばれるの)先輩(本名・二ノ宮銀郎)
性別:男
年齢:学校創立時15歳
クラス:本体?銀太2-3
能力:学校の怪談
能力内容:学校の怪談(7不思議)限定だが操れるし作れる(有名所以外は広めなければ作れない)
容姿:THE・普通=黒髪・165cm 体重0Kg
性格:温厚・時々ハッちゃけてる
武装:幽霊
・人体模型肉付き(名前・銀太)を使い他主人公と行動をする
・弱点が本名バレ バレたら怪談のキャラにダメージを与えると本体にもダメージを食らう バレてない場合怪談キャラ(銀太)は数時間後に復活(数時間後だから敗北扱い)
・引きこもり・旧部活室(怪談能力で出した)から出ない(出れない)・実は死んでる
・主人公達に部室を貸して居る
名前:紗道 陽菜
性別:女
年齢:14
所属:黒城グループ
能力:影を操る能力
能力内容:影を鋭利な刃物状の物質に変える事ができる。影の中に入り込み移動が可能。完全な暗闇、完全な光の中では能力を使えない。
容姿:身長140 灰色のショートカット。一見すると普通の少女
性格:能力を発動していない状態では普通の明るい少女。能力発動時は陰湿な性格に変貌する。
武装:懐中電灯