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Efectors-エフェクターズ  作者: STTT
能力犯罪編
20/87

事件終了後


 マン・ホール島、病院の一室で美遊は目覚めた。


「あっ美遊姉。起きた?」

 ベッドの脇には雪の笑顔があった。雪はリンゴを剥いていた。

「しかし、ペンダントに守られるなんてベタやな」

 美遊は苦笑しながら言った。

―あの時、美遊は確かに洗脳された楓からの銃弾の一撃を心臓部に受けた。

 しかし弾は幼き日、雪からプレゼントされたペンダントに命中し、衝撃で美遊は意識を失ったものの絶命を免れていた。

 部屋の箪笥の上にはそのペンダントが光を反射していた。

 躰に大量の銃弾を受けた美遊は奇跡的に急所を外していたものの、出血多量により生命の危険がある事に変わりはなかった。

 駆けつけた雪により奇跡的に発見され、雪の全身全霊を込めた能力により、美遊の躰に流れる時間ごと美遊の躰は凍結された。

 その直後、護衛された救助隊によって美遊は最寄りの病院へと緊急搬送。一命を取り留めていた。

「現代医療はえらいもんやな。あんだけ撃たれたのに傷一つ残らんなんてな」

 美遊が緊急搬送された直後。搬送された東京都新宿区内の病院にsks高等学校生徒会の権限によりマン・ホール島医大に所属する治癒能力者が派遣されていた。

 そして雪の能力を解除。弾丸は1発残らず摘出され、今では傷跡も見当たらない。

 弾丸の摘出後、美遊の容態の安定してから美遊はマン・ホール島の病院へ転院していた。

 意識の回復には3日を要したが、美遊は病院の個室での生活に退屈さを感じていた。


 コンコンとドアがノックされ、病室のドアが開いた。

「ごきげんよう。美遊さんに哀原さん」

 入ってきたのは生徒会長とやや俯き加減の楓だった。

「久しぶりやなボス。今回の独断専行に対する処分の通達かいな?」

 美遊は朗らかに答えた。

「ええ、生徒会の後方支援の任を放り出しての独断専行。生徒会会計としてあるまじき行いですわね」

「元より覚悟は出来とるわ。煮るなり焼くなり好きにするとええわ」

「ええ。では好きにさせてもらいますわよ。今回の事件の独断専行に対して、新井美遊に処分を通達します。」

「新井美遊は今後も生徒会会計として今まで以上に働いてもらいます。いいですわね?」

「そんなんでええんかいなボス?」

 美遊は若干拍子抜けして問う。

「なんなら私の所有するマンホールを全てピカピカに清掃する仕事をしてもらってもいいですわよ?」

「それは遠慮しとくわ」

 美遊は苦笑する。

「美遊さんへの処分通達も済んだことなので、次は哀原さんですわね」

「はいっ!?」

 雪は体を固くする。

「生徒会への協力ありがとうございました。今回の謝礼としてささやかですが奨学金の贈呈を教育委員会に申請しますわ」

 雪はほっとした。


「さて私の用件は済んだので、あとは楓さんですわね」

「・・・」

 先ほどまで生徒会長の後ろで沈黙を守っていた楓が前に出てきた。

「敵能力者に操られていたとはいえ、美遊。貴様には大変迷惑をかけた」

 楓は美遊に頭を下げる。

「ええってこっちゃ。お詫びとして今度こそ決着つけような。なんなら今からでもええで。アンタも良壱の坊やに能力返したらしいからいい勝負になるんやないんの?」

「フッ相変わらずだな貴様は。決着は貴様が傷を癒し、私も鍛錬し直した後でつけよう」


 病室内は事件が終わったあとの暖かく一時の平和な空気が流れていた。

 数日後に訪れる闘争など知るよしもなく・・・

一章はとりあえずこれで締めです。

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