第一話 [帰国子女]
清さ故に、その始まりは
第一話[帰国子女]
『葵っ!アオイってば!!』
『、、、ほ?』
『もう、何ボーッとしてんの?』
『ごめん、ごめん』
特に何も考えてなんかなかったけど。
『てゆーかいつもとテンション違くない?ミサキ』
いつもははっちゃけててギャグ言ったりするキャラなのに。今日はなんだか大人しい気がする。
『そりゃ高くもなるわよ、知らないの?』
『知らないのって、、、何が?』
ミサキは大きなため息をついて、
『帰国子女、転校してくるのよ、あたしたちのクラスに』
『き、きこくしじょぉ!?』
、、、帰国子女って、、、英語ペラペラだよね!?女の子だよね、[子女]だもん、、、す、すごいなぁ、、、
『おーぃさっさと席付けー鐘鳴ってんだろー!!』
ガラリとドアが開いて、先生が少し大きな声で言う。あたしもミサキも慌てて席に座った。
『ったく、もうすぐ三年生なんだから少しくらい成長しろ阿呆どもー』
えらい男前なこの先生があたしのクラス担任の篠原美樹先生。一応女だ。ってゆーかそんなのどーでもよくて。
『もう皆知ってると思うけど、転校生いるからー』
そう先生が言った途端教室が一気にざわめく。もちろんあたしも例外じゃない。
『ホラ日向、入れ』
スラリと細く長い手足。
少し灰色のかかった銀色の髪と、透き通るようなサファイアの瞳。
中学二年の二学期、青春真っ只中の出来事だった。