おんなのことさいごのことば
めをさますと、そこはいつものせかいがひろがっていた。
「なんだ…ゆめか…」
わたしはほっとした。
でもあのときひいた、て。
だれのだったんだろう。
わたしはいつものこうえんへいく。
そしていつものブランコにすわる。
きのうもここにいたのに…なんでこんなになつかしいのだろう。
まぁむかしもここにおかあさんとおにいちゃんといっしょにきたもんね。
「はやくこないかなぁ…」
そうつぶやいているとむこうからおとこのこがきた。
でもそのおとこのこはいつものおとこのこじゃなかった。
どこかでかいだような…あたまにくるようなあのにおい…
そしてしろいTシャツにみえるあかいまだらもよう…
「おとこのこ・・・?」
「ここにいるひと…みんな…しんじゃえ。」
みみをうたがうようなひとこと。
いや…もうわかってたかもしれない。
わたしがここにきててくびをきってしのうとしたのは…
あのにおいのせいだ…
そしてあのかいしゃのひとがいっていたさつじんきは…
おとこのこだってこと。
わかってたんだ。
こころのすみで
わかってないふりをして
おとこのこはてにもっていたバットをふりあげた。
ねぇおねがい。
さいごに…きみにいいたいことがあるの。
えがおで…いいたいの…
おとこのこはバットをふりおとしわたしのあたまをちょくげきした。
「いたい…いたい…よ」
「!」
ちがうわたしがいいたいのはこれじゃない!
そしておとこのこはナイフをとりだして…。
わたしをさした。
あぁ…これがさいごだな…
けっきょくわたしやくそくもなんにもはたせてない。
わたしはくちをひらいた。
じぶんではきこえなかったけど…つたえられたかな。
えがおで…
「ごめんなさい…。
だいすきだよ。」