表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おんなのことせかい  作者: @home 本家:東雲海松
7/9

おんなのことおにいさん

ここはどこだろう…。


まわりにはなんにもない。


とりあえずここからでよう。

ここからでてきょうもおとこのこにあって、しゃべって、あそぶんだ。


わたしははしった…。

でぐちはどこだろう。


でもふうけいはかわらない。



ただまっしろのくうかんだ。




わたしはなにかをつかむようにてをのばす。



でもこのてをだれもつかんではくれなかった。


わたしのうではくうをきり、からだごとくずれおちた。




しかいがゆがむ…。

わたしはなみだをながしているのかな?

それすらわからない。



「わからないよぉ…。」




するとじめんのいちぶがくろくなった。

うえをみあげると、そこには…



”おにいちゃん”がいた。




「おにい…ちゃ…「いっしょにかえろう」


なまえをよびかけたしゅんかん、おにいちゃんのことばで

わたしのことばはとぎれた



「えっ…?」


「一緒に帰ろう。お母さんも待っているよ」



おかあさん?おかあさんはしんだはずだよね?

おにいちゃんももういないのに…なんで?



「…なんでおにいちゃんがいるの?」



くちからことばがこぼれた。わたしはそれをうけとるよにいそいでくちをてでふさいだ。


おにいちゃんはかおいろもいっさいかえずににっこりとほほえむ。



「なんでって…?ここはてんごくなんだよ?」



てんごく…?


わたし…しんじゃったの?


じゃぁこのおにいちゃんは…”ほんもの”?



「さぁほらてをつないでいっしょにかえろっか」



そうやっておにいちゃんはわたしのてをつかんだ。

なつかしい…おにいちゃんのやさしいてだ。


しんじゃったんならもういっか、おかあさんもまってるって、



さぁかえろう




さぁ…




「やだっ!やだよぉ!!」



「!?」




とつぜんうしろからこえがきこえてきた。


きいたことのあるこえ…もしかしておとこのこ…?



ふりかえるとひとりのしょうねんがいた。


おとこのことはちがう。もっと…幼い?




「やだぁ!もっとあそぶんだぁ!」


「だめでしょ。お兄さんも女の子もももうおうちに帰らなくちゃいけないの」


「ふんっ!やだもんね!せっかくなかよしになったのに!もっとあそぶんだぁ!」



あれ…?あそこにいるの…わたしだ。

おにいちゃん、おかあさんがいる。



「だいじょうぶ。またあしたあそぼっ!わたしぜったいにいくから。」


「またぼくもいっしょにおとこのことあそびたいな~」


「ふふっこの子たちもいっているのでまた明日遊びましょう?」


「う”~…ほんとうにあしたあえるの?」


「うん!あえるって。やくそく!」


「わ、わかった。あしたね!」



「「ゆーびきーりーげーんまーんうそついたらはりせんぼんのーまーす!」」




「「ゆびきった」」




そうだ…おとこのことあうのは…あれがはじめてじゃなかったんだ。


もっとずっとまえに…やくそくして…



それで…



”いけなかったんだ”






「…ごめんなさい」



わたしはおにいちゃんのてをはなした。



「え…?どう…して?」


おにいちゃんはおどろいていた。



「どうして!?お母さんが待ってるよ!ほら家に帰ろう!!君も望んでいたじゃないか!」



おにいちゃんらしくない。

なんでそんなにあせっているの?


わたし…



「かえらなきゃね。」



「!わかって…くれた?」




「おとこのこのせかいに…ね」



わたしははしりだした。


どこかもわからないくうかんでただはしっていた。



でぐちなんてないこのばしょで


わたしは…あがいて



そして…



あのこのもとに…






まだつたえてないよ…


まだあやまってないよ…



このまましんじゃうなんていやだから…



だからおねがい…わたしを






ふとしたしゅんかんだれかがわたしのてをひいていた









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ